映画「インポッシブル」

今回は、映画を観て、滅多に泣かない私が泣いた映画「インポッシブル」という映画を紹介する。(2012年 2013年日本公開 アメリカ映画)

この物語は、2004年に起きたスマトラ島沖地震(インド洋大津波)で実際に津波を経験したスペイン人家族の体験談をもとに作られた映画である。

「インポッシブル」の意味は、(形容詞)起こりえない、できない、非常に困難、耐えられないなどの意味がある。

間違って、トム・クルーズの映画を想像してはいけない。

2004年12月26日、タイの高級リゾート地で久しぶりにバカンスを過ごしていた、5人家族がいた。父は、毎日忙しく働くビジネスマンで、母は医者。子供たち3人も久しぶりにバカンスに来れてはしゃいでいた。母親は、プールサイドで、ゆったり寝転んで、本を読んでいて、下の子供二人は、父とプールで遊んでいて、長男は少し大きかったのでひとりで遊んでいた。(海が傍にあるのになぜプールで遊ぶのだろうかと思った)そんな楽しい時もつかの間、急に地響きが鳴り、家族はもちろん、周りの観光客もざわざわしだした。そしてあっと思った時には、みんな波にのまれていた。父親は、幼い子供ふたりを必死で抱き上げ、母と長男は、プールに入っていなかったので、その一瞬のうちに二人は逃げた。津波にのまれた人々は、波でさらわれた倒木や船に頭をぶつけたりして、気絶してそのまま海にさらわれていってしまって、多分亡くなってしまったのだろう。私は、津波にのまれて溺れてみんな亡くなっているとばかり思っていたが、物に当たって死んでしまう人のほうが多いことが分かってショックだった。

ここから家族が、ふたつに引き離されてしまう。父親と息子二人はなんとか助かったが、妻と長男がどこに行ったのか分からなくなっていた。探そうにも、ホテルも無茶苦茶になっていて、結局、避難所や病院に行ってみるしかなかった。しかし、二人はおらず、他の避難所に行って行き違いになってはどうしようもないと思い、3人は怪我をしていなかったので、一つの避難所に留まることにした。この時点で、私は自分が助かった安堵より家族が死んでしまったのではないかという恐怖のほうが先に来て、泣くというより、嗚咽をこらえて、映画を観ていた。

そのころ、母親と長男は一緒だったが、母親が足に大きな裂傷を負い、歩けず、野戦病院のような医療施設のベッドにいた。二人とも父親と二人の息子(弟たち)がどこにいるのか分からず、長男も大きいとはいえ一人で探しに行かせるのは危ないと思った母親は、そばにいさせた。時間が経つにつれ、足の容態が悪くなっていることが、母親は、医者なので分かり、もしかして切断しなければいけないかもしれないと覚悟したが、そのことを息子には言わなかった。

この引き裂かれた状態の二組を見て、私は生きている心地がしなかった。生きている心地がしないのは、死ぬより怖いことだなと思った。泣けてくるが、何故か泣くのを我慢して観ていた。泣いたら、不安がこぼれ出そうだったからだ。

夜になり、幼い息子二人を安全な場所に避難させるが、妻と息子の安否が分からず、ケータイ(当時はまだガラケー)で電話番号を覚えている自国の親戚に生きていると伝えたかったので、ケータイを貸してくれる人を探したが、なかなか見つからず、一緒に焚火に当たっていた人がケータイを持っていたので、泣きながら貸してくださいと言ったが、その相手は、貸すのを渋った。それも当然である。充電の残量が少ないのに、もしかしたら自分のところへ家族や親せきから電話がかかってくるかもしれないのだから、躊躇する。しかし、他の周りの視線に耐えられなくなったのか、少しだけだぞと言って貸してくれた。私は、ここで、人間性が分かるなと思ったが、こんな時には誰だって自分優先になってしまうよなと感じた。父親は、泣きながらありがとうと言って、そのケータイで自国の親戚に電話して、ひとまずほっとした。妻や長男から親戚に電話はかかっていなかったので、不安は続いたままだったが。

母親と長男は、ただ待つしかなかったが、母親は、出血がひどく感染症の危機にさらされ、命の危険をもつようになる。母親は、長男に、自分が死んでも父親と弟達を探すように言う。そこで長男は病院内で、負傷者や親と生き別れになった子供たちのリストを作成する手伝いを始め、そこで別れた父親と弟達を探そうとする。

一方、父親のほうも避難所にいてもどうしようもなくなって、危ないとは思ったもののホテル付近の避難所や病院施設を探しまわる。父親は、妻と長男の名前を叫びながら、延々と続くのではないかと思われたが、探しまわる。そして、長男がその父親の声を聞きつけ病院施設からでて、父と再会する。これで、家族全員が生きていたことが分かり、私の心もほっとし、涙が徐々に止まった。

母親は足の手術を病院施設で受け、命の危機は脱し、家族全員ドクターヘリで、シンガポールの病院へ搬送されることになった。ここで、やっと父親は、助かったという思いになれたが、多くの命が波にさらわれたリゾートビーチを見ながら、複雑な気持ちにさらされた。

この作品の津波は、全てCGだが、ものすごくリアルで、津波にのまれ、人々が色々なものに致命傷になる傷を負い、亡くなっていくところは、すごく迫力がある。

私は、自分が助かって、気持ちの行き場がない状態が続くより、死んだほうがましだなと思った。2011年に日本で起きた東日本大震災の津波の映像を思い出した時、やっと他人ごとではないなと思い、自分が津波がこないようなところに住んでいなくてよかったとか思っていたことを反省した。

今回は、一つの家族の命にスポットがあてられたが、全員助かったから、映画のベースになったのであろう。この作品で、母親役のナオミ・ワッツがアカデミー主演女優賞にノミネートされた。

この作品は、TOHO系でロードショーされたが、あまりにも津波のシーンが生々しかったため、私は、ロードショー1週目で観たが、2週目には中止された。ネットの情報では、東日本大震災の津波が関係してロードショーが終了したと考えられる。

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はる組

こんにちは。 懸賞応募と海外留学などのエッセイを読むのが趣味です。 発達障害で困ることも沢山ありますが、どうよろしくお願いします。

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