5回転職した女性の話なのだが、どれも「そりゃあ5回も転職するわな」という職場だった。その仕事がどういう内容で、主人公はどうして退職したか・もしくは解雇されたかという話。
一つ間違えば暗い話になりえるんだけども、仕事の大変さがユーモア満点で描かれている。実在しない仕事も多いのだろうが、実際に仕事の中で起きる確執なんかは現実と一緒なのだと思う。本を読んでいて、ページを読む手が止まらなかったのは久々だった。
タイトルは「簡単そうな仕事に見えても闇深い仕事も結構あるよ」という暗示だろうか?どれも闇深い話だったよ。
「みはりのしごと」
密輸物を持っている人間を監視し、所有物から密輸物を見つける話。監視対象の女性も、それを観察する主人公も人間らしい。監視対象は作家なのだが、こういうことを書いているのか~と思ったりも。
「バスのアナウンスのしごと」
アナウンス広告を考案する仕事に関わることになった主人公。アナウンスを流す対象から消すと店が潰れるという、ちょっとホラーじみた話。そりゃあ試したくもなる。
「おかきの袋のしごと」
お菓子の個包装にある豆知識的なものの文面を考える話。売り上げが増えるに従い、主人公や周辺の行動がどんどんエスカレートしていくのに笑ってしまう。よいタイミングで以前の担当者が復職したり、契約更新時期が来てよかったねと思う。
「路地を訪ねるしごと」
結果的にとある宗教団体の陰謀を阻止することになる話。最初はどういう団体なのかわからなかったが、あ~そういうことなのか。と納得する。なお、この仕事は唯一主人公が解雇…というか、雇い主がいなくなったという話。主人公はこの仕事ならいいかなと思っていたらしいため残念である。
「大きな森の小屋での簡単な仕事」
公園でデスクワークの軽作業をやっていたつもりが、なぜかホームレスの保護に発展してしまう話。このホームレスの方…というか、自暴自棄になって家を飛び出した人の言動が人間らしくて良い。それを誰も咎めなかったのもまた優しい世界だよな。この仕事も主人公的にはなかなかだったらしいが、アレルギーと給与の関係で断念。こうして見ると後半は上手くいっていたようだ。
