ハンバーガーとポテトチップス

 飲食店やコンビニに寄る度に昔のようにはいかないなと思う。食べ物のほとんどが原材料の高騰からか値上げの連続で、安いうちにもっと沢山食べておけば良かった、などと後悔する。

 とあるテレビ番組に、某有名チェーン店のハンバーガーの値段を国ごとに調べ、比較する、というコーナーがあった。結果からいえば、そこまで日本は高くなかった。消費税率が二十から二十五%の国と比べたら、流石にまだ安い方。普段よりも少し贅沢をしたいときにしかハンバーガーを食べない人たちもいる。もちろん消費税だけの問題でもなく、現地生産の食材コストも主な理由で、例えば寒い国だったら野菜を温室で育てねばならなかったり、仮に輸入に頼ったとしても、輸送費がかかるのでそのぶんハンバーガーが高くなる。またスイスでは牛を屋外で自然に運動させることを義務付けられているため、土地代もあって牛肉コストを押し上げる要因となっている。放牧させないで牛を育てるとストレスがかかり、病気になりやすいらしいのでスイス国民はお金より牛の幸せを優先したといえる。

 冒頭まで話を戻すけれど、経済的な事情が絡んでいると受け入れるしかないわけで、諦め半分の納得ができる。が、それとは別に、素材や製法にこだわった新商品になると、他社と比べようのないオリジナリティが含まれているせいか基準がわからないまま、妥当な価格ではないだろうかと私は判断してしまう。

 ついこの間、トリュフ塩がかかったポテトチップスを輸入品を扱う雑貨店で見つけた。他のポテチより、当然、値段が高い。一枚のポテチに対するトリュフの割合が多かれ少なかれ、(もしかしたら削り節というよりエキスのようなものかもしれないが)高級素材として知られるトリュフを使っているからこそ、買い手としてはある程度高くても、何故か仕方がないものだと割り切れる。

 帰りに、案外、日本のハンバーガーもそれにあたるんじゃないか、と疑う。クオリティの向上を目指した末に、必要な値上げに繋がったのでは、と。それであればまだ気持ちがいいので、そういうことにして勝手に頷いておく。

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行谷いさご

たまに講座を受けながら十年ぐらいエッセイを書き続けています。くどい言い回しが表れたり、感情を挟む以上に説明文が長かったり、その辺を何度も読み返して反省を繰り返しながら一作品、また一作品……と、丁寧に、少しずつ作り上げていきたいです。

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