読み終わってみると、難しい本を完読できたという達成感のほうが大きいかもしれない。
様々なフィクションの元ネタが詰まっていると聞き、(同名の日本不倫文学にうっかり触れてしまわないうちに)海外古典好きとしては読んでおかねば…と。17世紀の作品だからか、若干雰囲気とか書き方がシェイクスピアに近いとも感じた。
上巻はさっぱりな内容なので雰囲気で流すとして…下巻が結構衝撃的な話で、人間の原点を見たような感じの内容。
一言で言えば「アダムとイヴ」とか「禁断の果実」の話。恋愛とセックスがうんぬん、って話ですな。乙女の純潔とかそういう話も出てきます。神は純潔が好きだったんだなあなんて思ってしまう。自分は恋愛にはあまり興味がないけど、性に穢れを感じる方の根本にはこういう言い伝えから来る価値観みたいなものがありそう。毒親とか、推しを神聖視する萌えオタクとかの価値観…。そういえばどちらも創造主もしくは天界の人間か。
人間の自我とか、人間ありきの世界の是非についても書かれている。神により環境が破壊されるシーンがあるが、あれを環境問題のメタファーとして読むこともアリ(現代は自然に反逆するが、この作品では神に反逆ってことになる)。原始的な世界観となるが、テーマが普遍的であるため、上巻はともかく、下巻は結構読みやすい。
発表時期的には現代に残る海外文学ではかなり早い方に属するため、原点として読んでおくのもあり。本番は下巻。脚注についてはかなり専門用語が多用されているため初読時は読まない方が良いかも。読書のリズムが崩れるため。ちなみに脚注ページはかなり長い。
読んだ目的は果たせた感じ。フィクションどころか宗教団体の教則に影響しているかもしれないな…という要素を掴むことが出来た。例えば「ビックリマン」や「エヴァンゲリオン」が好きな方は読んでおくといいかもしれない。
