何度も読んでいるお気に入りの本だが、角川文庫版の電子版には短編特典がついているということで電子版を買ってみた。短編「青い花の園」、結構重要な情報があってよかった。バーネットは「花」を「生命」のメタファーと捉えていたようで、「青い花の園」も「花」が「生命」となる話だ。(王が国中に埋めることにした「青い花」が「幸せの象徴」であり、国民の「生命」だと思っている)
「秘密の花園」は、「ムーア(湿原)」という単語が出てくることから日本で言う田舎が舞台だと思われ、大自然の中で育つ子供たちが堪能できる話だ。主にコリン少年の再生がテーマと思われるが、彼の再生は彼が「秘密の花園」を「自分自身の生命の化身」だと捉えることができたからこそだと思う。彼にとってメアリに出会って「甘ったれ」折檻を受けることも、そのメアリを変えたディコンに出会うことも彼自身を再生させる運命だったとも言える。
前半の主人公であるメアリはネグレクトから愛情に飢えていたが、親が亡くなり引き取られた先でマーサ(ディコンの姉)と出会う。そして自分がいかに自分勝手だったかを認識する。メアリにしろ、「秘密の花園」にたどり着くことは運命だった。
ディコンはヒーローとして描かれている。笑顔が可愛い、愛嬌のある少年。少し訛りがあるし、イケメンではないだろうが、自分は彼みたいな男友達がいたらいいなぁと思う。メアリの伴侶になってほしいかといえばそうじゃない。だって三人セットじゃないの。メアリ、コリン、ディコンの三人。
序盤で「秘密の花園」を知っていた大人がベンしかいなかったのもまた良い。数少ない保護者的存在と、その子供たち。だからこそ終盤におけるコリンの父親の存在が引き立つんだよね。
