その日、私は運命という必然に出会った。
おととい、仕事帰りに宝くじを買いにいく途中になんとなく入った店。
お店のお姉さんの目を気にしつつ、商品を見て回ると、ちょこんと置かれた香る石。
惹き寄せられるように匂いをかぐ。
いい匂い。
それになんか気になる匂い。
ほしいな。
でもお高いし、と心の中でノーという。
後ろ髪をひかれつつ、目的のものを思い出し、買いに行くべく、店を出る。
宝くじを無事購入。
当たるといいななんて思いつつ、ちらつく香水の影。
いい匂いだったな・・・。
ほしいな。
でもやっぱりお高いよね・・・。
でも気になる。
もう一度だけ匂いをかいでこよう。
匂いをかぐだけ。
急いでお店に戻ると、お店のお姉さんと目があう。
軽く会釈をして香る石の元へ。
やっぱりなんか気になる。
思いきって手首に1プッシュ。
くんくん、なんだかクセになる匂い。
やっぱり好きだと思う。
こんなにいいなと思ったのはじめて。
年末だし、自分にご褒美買ってもいいよね、と自分に問いかけると
買っちゃお!と声が返ってきた。
いつもより帰宅する足取りが軽やかで、
なんだか世界が少し明るく見えた。
この運命は私の生活を豊かにしてくれる、そんな予感がした。

