「中旬から下旬の土曜日は妻は仕事が休み」だと事前に伺っているため、ある先輩と出掛けるなら月はじめ、と決めている。別にそのルールから外れても向こうは大して問題はないのだけれども、私の気持ちがそうさせる。そんななので先輩の誕生日が来ても、プレゼントは直接会って渡さずに郵送で済ませるようになった。下手に、家族の時間を奪うのが怖いので。
このこともあって、久しぶりに電話した同級生に食事に誘われた際も気を遣ったつもりだったのだが、それが失言になってしまった。二、三年前に、来年結婚します、と年賀状に書いてあったので、私は同級生が結婚した前提で、
「土日とか、私と出掛けても大丈夫なものなの、ほら、奥さんいるし。なんか悪いよ。それに行くなら適当にファミレスとかでいい、割り勘するにしてもあんまりお金使わせたくない」と遠慮を匂わせたところ、
「あのさあ、それが別れたのよ」と同級生。
「ああ」やってしまった、という後悔と、いや知らないんだけど、と開き直りたい気持ちが半分ずつ、心の中で同居してる。「いやごめん、悪気はないのよ」
「大丈夫、それはわかってる。俺もびっくりだよ。婚約指輪渡してしばらくしたら『結婚する気がないの』って。それに……」
そうしていつの間にか私は愚痴の連続に付き合っていた。話を変えなかったのは自分で蒔いた種だと反省していたからだ。次会うときは私の奢りだろうな、と、ぼんやり思った。
自分の知っている情報だけを頼りに変に知った気になっていると、まず失敗する。覚えたり、学習しておくことに悪いのではなくて、正しくアップデートされているか、また正しい場面で使い分けられているかが鍵だ。免許取り立てドライバー状態のような慎重さがあったら良かったのに。
