大人になったイッチーは就労支援B型事業所に通うことになり、最初は生き残るために必死でした。
イッチーはある先輩から凄く優しくしてもらいました。
その先輩は同じ支援学校の卒業生でダウン症の方でしたが、持ち前の明るさや優しさで誰からも愛される先輩でした。
今思えば心の闇を抱えていたイッチーに救いの手を差し伸べてくれる人でした。
しかし、作業自体は上手くこなせるものの職場の雰囲気と方針については適性がなかったせいか心はボロボロになっていき、仕事も休みがちになっていきました。
心の闇を抱えきれなくなっていったせいか、事業所の職員に癇癪を起こすようになっていき、家族にも理解されなくなっていきました。
その事業所で休みがちな6年を過ごしていた時にある事業所の話を相談事業所から聞きました。
「そこでは絵を描いたり、インターネットで仕事をするんだけど、この場所は新しく建設されてイッチーに合う仕事が多いと思うの。」
そう言われたときイッチーは家族にその場所に行きたいと伝えて職場を変えて今にいたります。
前に勤めていた事業所の施設長は今までの状況も理解した上で
「イッチーの仕事ぶりは凄く丁寧だからできればこの場所に残ってほしいけど、イッチーがその場所で頑張りたいというなら応援するわ。」
と話してくれました。
そこからイッチーの新たな物語が動き出しました。