悪口の作法

悪口の作法 
 >悪口の作法と聞いて、今これを読んでいるあなたは眉をひそめているのではないでしょうか。
 >でもこれを読んだ後に少しだけ、言葉の印象が変わっているかもしれません。

Qなぜ悪口の作法なんてものを書こうと思ったのですか
A悪口、鬱憤、怒りとか、あまり人前で出すことに抵抗があるものを抱え続けるにも限界があるので、どこかで【人を傷つけないように自分の濁った部分を吐き出し飼い慣らす】必要があると思ったのです。

※悪口というか私の怒りや嘆きは誰かの悪口になりうるので、"悪口"という言葉のチョイスになっています。


【悪口のお話】
 >悪口でストレス発散をして自分の気持ちを大事にしつつ、周りを傷つけないために"上手に怒ったり嘆いたりしなきゃね"ってお話しを今からしていきたいと思います。

Q言いたいこと言えないこんな世の中じゃ
Aポイズン
 
 私は、家族とか身内の前では正しくない自分をさらけ出せるのですが、その時に悪口というか、愚痴というか、兎に角言われている相手が聞いたら嫌な思いをするだろう話もします。 
 そのぶん外では相手に気を使ったり礼儀正しく出来るんですが、この正しくない話し方とか 口汚く罵る(およそ社会的では無い話をする)ってことが…孤独だと出来ないっていうのが結構絶望するとこで、孤独だと言うに言えないことが溜まっていくんですよね。 
 自分が社会的であるために機能的であるために、どこかで本当に口汚い部分を飼い慣らして適度に解放させないとストレスが溜まるんですよ。 
 優しい自分も優しくない自分も大事にしないと疲れちゃうんだなぁ。 
 家族だけではなく、信頼出来るコミュニティに向けて愚痴や悪口を言い合うのも大事です(私の場合は訪問看護師さんとかです)。  
 私は一生ひとりでいたい気持ちで生きてるので健全な悪口を言えるコミュニティは物凄く有難いのです。


Q悪口の作法とは 
A悪口は言ってもいいし思ってもいいけれど絶対言われてる本人に辿り着かないようにしよう。 
っていう…作法というか最低限のルールですね。 

 SNSでよく言葉で殴りあってる人を見てるとウォーみんなサンドバッグを探してる…。ように見えてしまって(実際そうじゃないかもしれないけれど)げっそりするんです。 
 でも言葉で殴り合うことで生まれる爽快感もあるだろうし、言いたいことをいいあってるだけの場合は健全な喧嘩の範疇かなと思ったりします。 
 もしやりすぎたり、健全じゃなかったり相手が傷ついたら、法が裁いてくれるよ…。
  悪口で相手を傷つけるな…。

 悪口は自分の鬱憤を晴らす行為であって、他人を傷つける行為であってはならんと思っています。  
 悪口が相手に伝わってしまったり、面と向かって放つ他人を傷つける言葉は単に誹謗中傷なんです。



Qでもストレスが溜まりに溜まっちゃうと他人の愚痴とか悪口言っちゃわない?
Aわかる。
 だから絶対聞こえないとこでやれ。
 相手を傷つける言葉を相手に直接ぶつけるな。SNSでも直接ぶつけるな。 


【悪口を言うために大切なこと】 
 >悪口に対して潔癖にならないこと 
 >自分の怒りや嘆きも大切な感情であることを認めること
 >悪口を言うことで傷つくであろう人達に絶対に伝わらないよう、信頼できる友人や家族などの内輪コミュニティで内々に処理すること 
 >誰かの悪口を聞いてもわざわざ当事者に教えないこと


Q 悪口なんて言って見苦しい。優しい人間になりたくないの?
A なりたいよ 

 自分がおよそ優しいとは思えないけれど、人に優しくありたい気持ちがあって、努力しまくってるけれど元々の優しいのキャパがないから無理をしているところはあって…。
 でも悪口を言い合うって今の時代にそぐわない気もするんで、人と話す時めちゃくちゃ気を使うじゃないですか。 多分その優しく、配慮をしなければいけないしそれが正しいし私もそうなりたい…。
 けれど、それに疲れてる自分はいるし、だから「ひとりでいるほうが楽」になっちゃったんだろうな。 

 優しくあらねばならないし、そうありたいけれど、生きづらさが付随してくる。
 正しくあろう、優しくあろうとする流れが少しずつ真綿で私の首を締め付けている。 
 どこかにね、優しくない私はいるし、間違えるし間違えるし間違えるし苦しいからこそ、うまく優しくない自分を愛してあげるのも大切だと思うのです。 


【今回のオチ】
  明日優しい自分になるために、今優しくない自分を解放するってのがあってもいいのかもしれないよね。っていうおはなしです。 
 相手に届かないように悪口をいおう。 
 伝わったら普通に相手に嫌われるしぎくしゃくするしトラブルになるので。
 どうなっても知らんぞ。

  私も面と向かって悪口を言われたらそれはもう戦争だろうがよという気持ちです。


(蛇足) 
 寺山修司は人の悪口めちゃくちゃ言うの好きやでって自分で仰ってたわけなんですが、それに眉をひそめながら(本当にどうなんだよと思う)…ああでも悪口を言うっていうのは正しく無くて言いたくも無いし聞きたくもないけれど自分にもそういう濁りがあるんだよなぁと否定出来ない気持ちでいます。それはそう。
 ただし本人には絶対に聞かせない!という気持ちで(やっぱり人を傷つけるのはよくないと思う)。

[完]
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テラ

言葉が好きです。たまに絵を描いたり小説を書いたりします。

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