将棋会館がピンチ!

 ふるさと納税、とか、クラウドファンディングをここ近年よく耳にするようになったものの聞いたことはある、ぐらいでこれまで焦点を当ててまともに調べたことがなかったが、老朽化が進んで将棋会館がピンチ! とSNS上で知り、人生初クラファン。

 支援、としてお金を払い、後日、代金に見合ったお礼の品が自宅に届くというのが大まかな流れで、このシステムは冒頭で述べたふるさと納税に近い。将棋会館の場合は、金額に応じて生で対局を観戦できる権利が手に入ったり、プロ棋士直々に指導してもらえる(これは三〇〇万、この次元までいくともはや思い出作りである)など。他の、私でもギリギリ手が届きそうな返礼品を挙げると漫画とコラボしたグッズや駒、マグカップととにかく多様だ。悩むし、こんなに展開しちゃって本当に建て替えのための資金が集まるのだろうかとクラファン素人のくせにちょっと心配に思ったり。大丈夫なのよね、たぶん。

 とりあえず私は藤井総太八冠のミニ色紙を頼む。ミニでも、藤井総太ですよいいでしょう。 暇さえあればインターネット上で対局を何度も観戦していますが、思わず、怖っ、と、声が出そうになるぐらい強いし(これは解説込みである。じゃなきゃ何してるのか正直わからない場面ばかりで、私の実力ではまず盤面についていけない)、常に話題になる。今回の返礼品リストをぼんやり眺めていても、藤井八冠と、長年将棋界でトップに君臨し続けていた羽生九段を絡めたものが大多数であるとわかるし、それは逆に、ファンから求められて答えているのだとも感じ取れる。

 ちょっとでも建て替えの足しになれば、と送金。ほんのわずかな支援金です。無事、商品が届いたら、嬉しさで舞い上がって、もっと事細かに色紙を紹介するかもしれません。それではまた。

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行谷いさご

たまに講座を受けながら十年ぐらいエッセイを書き続けています。くどい言い回しが表れたり、感情を挟む以上に説明文が長かったり、その辺を何度も読み返して反省を繰り返しながら一作品、また一作品……と、丁寧に、少しずつ作り上げていきたいです。

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