夫婦喧嘩は犬も食わぬ❓

私達夫婦も早いもので結婚11年目に突入した。
しかし決して平坦な道ではなかった。
特に結婚当初はよく喧嘩をした。
今では笑い話になったが、一つ忘れられない喧嘩がある。

何がきっかけだったか忘れたが、
私が気に食わない事があったのだろう、
口論となり今日私はキッチンで寝る、
と言って自分のお布団を、キッチンに運んだ。

当時住んでいたアパートは、玄関がキッチンにあった。
私同様、頭に血が上っていた夫は、私の行動を見て、
「どうせだったら外で寝ろ‼」と言って、
私のお布団を玄関から外に投げてしまったのだ!!

悲劇はそれで終わりではなかった。
「なにするのよ‼」私は外に自分のお布団を取りに出ていった。
すると背後で「カチャッ」という無機質な音がした。
まさか…いや、さすがにそれはないだろう、
色々な思いが交錯する。
恐る恐る玄関ドアまで行く。
ドアノブを握って回そうとする…やっぱり
鍵がかかっている~~!!!!
私は激昂した。私はその時何も持っていなかったのだ。
鍵はもちろん、お金も携帯もそして靴さえも履いてなかった。
「開けて~!!」私はドンドンとドアを叩きながら騒いだ。
5分は粘った。しかし夫は開ける気配がない。
仕方がない、私は諦めた。
そして近所に交番がある事を思い出した。
そうだ!交番に行って電話をお借りしよう。
思い立ったら吉日。善は急げ。
私は靴下で交番に向かった。

交番に行くと年配の巡査さんと、女性の巡査さんがいた。
私は恥ずかしながら、事情を話すと、
なぜか私が何か事件を起こしたかのように、事情聴取が始まった。
年齢、住所、職業から始まり、様々な事を尋ねられ、
私はそんなことより電話を貸して欲しいんです。
と、言ったのだが、聞き入れてもらえず、
交番に来たのは失敗だったかな~と思った矢先、
血相を変え真っ青になった夫が迎えに来た。
どうやら、玄関を開けて私がいなかったので、
びっくりして近所を探し回ったのだそうだ。
大家さんも一緒だった。
鍵を借りに行ったかも、と思って大家さんを訪ねたらしい。

とにかくやっとアパートに帰ることができたのだが、
警察や大家さんまで巻き込んだ、派手なケンカであった。

それ以来友達や知り合いに夫婦喧嘩をして、悩んでいる
人がいると、私達はこの喧嘩を話して、私達はそれでも結婚生活を
続けているんだから、大丈夫だよ、と話してなだめる。
そうすると、みんな納得するのだ。

若かったなぁ、と今ではいい思い出だ。

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マイコ

はじめましてマイコです。不器用不器量で、 もうすぐ五十路を迎えるおばあちゃんです。 趣味は脳トレ!どこかぬけてるところがありますが、 どうぞよろしくお願い致します。

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