就職活動の思い出

現在の事業所に通所し始める前、というか直前に数か月程度勤務した会社を辞める前に就職活動をしていた。

色々な企業を受けたが、採用に至らなかった企業だったものの印象的な企業があった。そこは工房だったが、私が実習を一日で放棄したにも関わらず当時の社員が作ったと思わしき成果品を頂いた。私は実習を放棄する時に、私は実習を完遂できたわけじゃないから頂けませんと返そうとしたが、それでも受け取ってくれと頼まれたことが今でも忘れられない。

頂いた成果物はいわゆる置物であり、とても綺麗に作られていた。今では当時の経緯を頻繁に思い出すこともなく、部屋に飾られている。
実習放棄の経緯は大まかに言えば比較主義に起因するものだったが、一日だけでも完遂すればよかったかもしれない…とは思う。だからこそ私は成果物を頂くことを一度拒否した。

就職活動を休止している今なら俯瞰できるが、就職活動において自己肯定感がかなり低い人間だったと思う。当時の自分は内定しか目に見えてなかったわけで、他に目標となるものが存在していなかったということになる。今考えれば金銭的余裕がなかったことが大きく、障害年金を比較的早い時期から検討すればよかったと考える。
就職活動に関する事を全て放棄した今は自分自身に余裕がなかったことはしっかり理解できるが、逆に言えば私は内定に囚われていたからこそ認知の歪みが悪化したとも思っている。

私は結局社会からドロップアウトして今後は在宅を検討している最中だが、当時は自分が感覚過敏であることなぞ自覚してなかったため、通勤メインで求人を探していた。
自分に一番合ってそうな企業が求人を取り下げたりしたことがあり、当時はとても悔しいと思った。

今でも求人が取り下げられた企業に採用されたり、工房の企業の実習を完遂し採用されていたらどうなっていただろうかと思うことがある。自分の感覚過敏は悪化することなく過ごせていただろうか。
私の感覚過敏は直前に勤務していた時に悪化した。経緯はとても書けないが、自分にとって職種自体がミスマッチであったことが大きいとは考えている。

就職活動を行う過程で学ぼうとした技術的スキルは後々活用できることもある。手芸であればぬいぐるみや小物を作る方向に向けることができるし、ポートフォリオの作成であれば以降の個人サイト運営に利用することもできるわけである。そういう意味では何かしら練習を行うことは無駄ではなかったように思える。また、直前の職種は全く経歴に無縁であったが、現在でも関係性があることを日常的に行っている。いずれにせよ、趣味の変化も伴う経験になったように思える。

先ほど挙げたポートフォリオだが、一次創作サイトを作る際は若干意識している。現在は作品だけ一覧化できる状態にしているくらいだが、それでも自己紹介にはなるかと考えている。本当に力を入れたい場合は作成日時や使用ソフトも明記するべきかもしれない。作成方法について調べてみると、どうすれば良い選考書類になるか書かれているため、もしデザイン系の企業に応募することがあれば参考にしたいと思う。

当時は成果が出なければ無駄な行為であっただろうと思ったが、意外とスキルとして蓄積されている能力が多いことに気付いた。しかしそれはある程度決着がつかないと気づくことができないことだろうと私は思った。

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お絵描きと個人サイトいじり大好き。インターネット老人会会員。読書好きでちょこっとアニメを観たりします。

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