私、A.A.はかなりのゲームオタクです。Fate/Grand Orderとか1400日くらいやってますし、グランブルーファンタジーは7年くらいやってて毎年宮城で行われるフェスにも行ってます。遊戯王もポケモンカードも嗜めます。いわゆる浅く広いサブカル鳥類。その中で今一番やっていると言っても過言ではないゲームがあります。

ブルーアーカイブや雀魂で有名なYostarが運営している『アークナイツ』というゲームです。ジャンルとしてはタワーディフェンスに分類され、プレイヤーが育てたキャラクターで陣地への侵入を防ぐというシンプルなもの。ところがこのゲーム、実は物語も設定もグラビティ、ポップな絵から生まれる超重力、というゲームなんです。今回はアークナイツの世界について簡単に説明しようと思います。

近未来のファンタジー世界を舞台とするこのゲーム。エネルギー資源として『源石』と呼ばれる鉱物資源が存在し、源石は人々の生活を豊かにしました。ところがこの『源石』には恐ろしい副作用があったのです。それは直接触れた人間を蝕む不治の病『鉱石病』(オリパシー)を引き起こすというもの。この『鉱石病』に罹患した患者は『感染者』と呼ばれ、病に苦しみながら社会からの酷い差別や迫害を受けています。
源石病にまつわる話は後に回すとして、この世界は源石病以外にも、『天災』と呼ばれる超ド級のエネルギー嵐の発生、優れたエネルギー源たる源石採掘にまつわる資源争奪戦と戦争、資源を持つ国や人と持たざる国や人との間に空いた絶望的な貧富の差、源石を用いた優れたテクノロジーがある一方で欠如していく倫理観、天災から逃れる為に遊牧を選ばざるを得なかった人民たちの都市国家からの排斥…それがいっぺんに起きてます、地獄かね?

次に鉱石病(オリパシー)についての説明をします。感染源はもちろん源石。でもただ石に触れただけで感染するわけではなく、血中の源石濃度が閾値(しきいち)を超え、体内で源石の結晶化が始まることで発症します。
症状もある程度の方向性は似通ってくるものの、人によって影響が出る部分が全く違うため、全員に共通する病状をあげるのは難しいものの、徐々に体表に源石が出てくるのは共通。作中キャラクター(オペレーターと呼ばれる為以下オペレーターと記載)のプロフィール画面に源石融合率と血液中源石密度が記載されています。

合併症も人により症状が様々で、難聴、過眠症、偏頭痛という症状に出るものもありますが、二重人格になってしまったキャラもいるため、ひとつの答えを出すのは難しいです。しかし末期の症状は全員同じ、遺体が新たな感染源になってしまうのです。なぜなら鉱石病で亡くなった患者の遺体は体内の源石と一緒に爆発してしまい、その粉塵で新たな感染者を生んでしまうからです。

作中で鉱石病を患ったものを『感染者』と表記したり呼んだりする事が多いのですが、感染者達は安らかな療養生活を送る事すら許されません。なぜなら非感染者や国家から非人道的な差別を受けるからです、ごく最近の現実世界においての新型コロナ感染症と似たものを感じます。
先ほど上記で記した通り血中源石濃度によって発症する病気ですので、少し直接接触した程度では鉱石病を罹患することはありませんが、貧富の差によって知識を得る事が出来ない人たちにはそれを知りません。結果として触ると感染する病原菌として扱われることになります。
更に感染者を雇用する企業もとても少なく、例えば都市の工業化が進んだため、感染者を非感染者の半分の賃金で雇用して長時間労働(作中では15時間程度と記載あり)をさせられたり、鉱山や採掘場送りにされ奴隷のように扱われたり…凡そ一般的な病人として、というより人として扱われることはなくなります。
こういった感染者差別が世界中に浸透していたり、上流階級ではさも当然のように行われています。結果として感染者が非感染者や国家を激しく恨んでしまい、テロリズムや暴動、戦争まで進展してしまう場合も。そして遂には感染者同士で集まり、非感染者に積極的な排他行為を取る組織『レユニオン・ムーブメント』(以下レユニオンと記載)が結成されてしまいました。

こんな世界でプレイヤーはどういう立ち位置なのか、というのを明確にしていきましょう。プレイヤーはアークナイツの世界において『ドクター』と呼ばれる人物になります。彼/彼女は『ロドス・アイランド製薬』(通称ロドス)という製薬会社の作戦部の部門長。力も魔法も使えませんが、類稀なる指揮能力を用いて道を切り開いていきます。

全身真っ黒。一切声を使った演出もない為、性別もプレイヤーに委ねられます。ドクターがコールドスリープから目覚めたところから物語は始まります、しかし…目覚めてみればなんと記憶がない!記憶を失う前は天災と鉱石病における神経学の研究者だったようで、そこから呼び名がドクターとなったようです。なので医療行為は本職の医療従事者達に及ばない模様。
余談ですが、ドクターの生活は惨憺たるもの。コールドスリープから目覚めた事も相まって医療オペレーターたちから受け持たれる患者でもありますが、毎回怒られたり引かれたりするくらいの生活です。年中残業して頭脳労働に勤しみ、オフィスワーク三昧で慢性的な睡眠不足&運動不足。暴飲・暴食に走り悪食で、特技はインスタント麺の口内調理、どういうこと…?

A.A.は作中ストーリーは全て完了・読了済の為今後追ってお話すると思いますが、作中におけるコラボキャラクター以外で唯一の人間キャラクターとして、渦中のど真ん中で翻弄されていく事になります。
感染者・非感染者のイデオロギー
こちらはアニメ化もされており、現在アークナイツ【焔燼曙明/RISE FROM EMBER】(三期)が鋭意制作中です。スピンオフのアニメシリーズ【ケーちゃんの絵日記】(※1)が公式YouTubeで視聴でき、新しくスピンオフアニメ【テラライブ】(※2)の作成も決定しています。ほんの少し興味が出たら、ぜひアニメからでも見てみてください。
※1
※2