TRPG用語の解説 第1回

 TRPGにはいくつかの用語が存在します。それぞれの意味を理解しているとルール把握などがスムーズになるため解説いたします。
 書いていくと想像以上に多くなってしまったため分割することにいたしました。今回はTRPGをプレイする前に出てくる用語が中心となります。

役割とキャラクターの用語について

  • GM

 ゲームマスターの略。

 シナリオの進行役のことであり、TRPGを遊ぶ上で絶対の権限を持ちます。要望などは言ってもよいですが、GMの決定に逆らうことはゲームを崩壊させかねないためやめましょう。
 システムによっては名称が変化することもあります。

  • PL

 プレイヤーの略。

 基本的にGM以外の参加者を指します。GMが進行するシナリオに作成したキャラクターを使って挑むことになります。

  • PC

 プレイヤーキャラクターの略。

 PLが作成したキャラクターを指します。基本的に作成したPLが操作し行動を決定します。
 基本的にPLとPCは別の存在であり、PLに知識があるからと言ってPCも知識があるとは限りません。逆も同様にPLに知識がないからといってPCも知識がないとは限りません。PLの専門知識やファンタジー系の魔法などが当てはまります。
 シナリオによって名称が変化することがあります。

  • NPC

 ノンプレイヤーキャラクターの略。

 GMが操作するキャラクターを指します。シナリオの登場人物としてGMが操作して状況を動かしたり、敵として出したりします。

  • SM

 サブマスターの略。

 GMを補助する役割であり、GMが1人では管理しきるには難しい場合、情報やNPCの管理を行います。

  • キャラクターシート

 PCの設定や情報が記入された紙やデータのこと。

 PCに関する情報が記載されており、システムによっては隠すこともありますが基本的に他PLやGMと共有します。
 GMがPCと同じ条件でNPCを作成するときにも使用することがあります。

  • キャラメイク

 PCを作成すること。

 システムごとのルールを参照して作成します。この時にPCの設定や能力、人間関係などの情報を決定します。

  • レギュレーション

 キャラメイクをする際にGMから出される条件のこと。

 自分たちでPCを作成するため、PC間の格差やゲームの詰みを無くすために調整する必要があります。

 無視した場合、PCが強くなりすぎたり、逆に弱くなりすぎたり、必要な能力が無いため進行できなくなるなど様々な影響が出てしまいます。
 出される条件の内容はシステムごとに異なりますが多くの場合、レベル・推奨または禁止技能・後述のサプリメント適用の有無・後述のハウスルールの適用などがあります。

  • サンプルキャラクター

 公式が用意しているPCのこと。

 キャラメイクの時間が取れない場合や慣れていない時に使用することが多いです。
 基本的にあまり強力でないPCが用意されているため、慣れてきたら自分で作成することをお勧めします。

  • ハンドアウト

 GMからPLに対して出されるPC設定の要望。

 PCがゲーム内の事件などに関わりやすくするための設定を指します。出されるものは主にPC間の関係性・職業・種族・年齢・ゲーム開始時の行動など様々です。そもそも無い場合もあり、その時はレギュレーション内で自由にキャラメイクしましょう。
 ハンドアウトを出された場合は設定を守ってPCを作成しましょう。守らない場合他参加者の迷惑になりますし、GMに大きな負担を掛けることとなります。例えば、日本が舞台なのに日本語が喋れないPCを作ったりすると、他PCやNPCと意思疎通が行えない事態となってしまいます。

用意するものの用語について

  • ダイス

 サイコロのこと。

 TRPGでは基本的に”ダイス”と呼びます。種類は、2面・4面・6面・8面・10面・12面・20面・100面が存在し(2面のダイスはコイン、又は6面の奇数偶数を使用することが、100面は10面を2つ桁ごとに使用する場合が多いです)、どれをどれだけ使用するかはシステムによって変わります。

  • システム

 遊ぶルールや世界観のこと。

 多くの種類がありジャンルも違うため、選ぶシステムによって遊び方が大きく変化します。
 例:ソードワールド2.5、新クトゥルフ神話TRPG、シノビガミ

  • ルールブック

 システムが記載されている本やデータのこと。

 システムごとに数や値段、大きさが異なり、TRPGを遊ぶ上で必ず必要となります。

  • 基本ルールブック

 基本的なルールや世界観が記載されているルールブックのこと。

 プレイするために必ず必要となります。システムの根本となるルールや世界観が記載されています。

  • サプリメント

 追加データや世界観などの詳細が記載されているルールブックのこと。

 プレイするには無くても問題なく、遊ぶ上でより多くの選択肢を用意したり、さらに世界観に没入するためのものです。
 適用することで、取得できるスキルや敵の種類、行動範囲に装備の種類など多くのデータが追加されることになります。

  • シナリオ

 NPC設定や物語の展開予定のこと。

 基本的にはある程度物語の展開は決まっており、それに沿ってTRPGは進んでいきますが、PCの行動などで変化することがよくあります。

  • クローズドシナリオ(クローズドサークル)

 行動範囲が限定されたシナリオのこと。

 ダンジョン探索や部屋に閉じ込められている、といった狭い範囲で進行されるシナリオを呼びます。
 PC間で目的の共有がしやすいため、初プレイなどで使用されることが多いです。

  • 協力シナリオ

 全てのPCが同じ目標を目指すシナリオのこと。

 TRPG全体では基本的にこの形式のシナリオが主流です。目的が同じため情報共有がしやすく、PL間で探り合いなども発生しないので遊びやすいことが特徴です。

  • PVPシナリオ

 プレイヤーVSプレイヤーの略でPC間で敵対するシナリオのこと。

 例えば、ある物を盗む怪盗と守る警察に分かれるなどで、PC同士の目的が競合して敵対するシナリオとなります。
 NPC相手とは違い明確に勝者と敗者が出るため、割り切ってプレイしましょう。
 シナリオ上で必ずしも敵対する必要がないのに敵対し、戦闘が発生してしまった場合は単にPVPと呼びます。
 システムによっては協力かPVPか分からない状態で始まるシナリオもあり、その場合は情報を集めて敵味方を探すこととなります。

遊び方や形式の用語について

  • セッション

 1つのシナリオを遊ぶ1回のゲームのこと。1回のゲームごとに1セッションと呼ばれます。

 1回のセッションで終わるものを単発シナリオ、複数回のセッションを経るものをキャンペーンシナリオと呼びます。

  • キャンペーン

 複数回のセッションを行うシナリオのこと。

 基本的には同じPLが同じPCを使って全てのセッションをプレイします。いくつかのセッションを行うことで、単発シナリオでは描きづらい壮大なストーリーを演出したり、セッションごとにPCを成長させてより大きな強敵に挑むといった複数のセッションをまたぐことでできる遊び方もあります。

  • ハウスルール

 それぞれのセッションの環境でよりプレイがしやすいように変更又は追加したルールのこと。

 ルールブックに載っているものは公式が規定したものですが、セッションの参加者が同意しているのであれば、GMの権限で変更や追加が行われることがあります。これはTRPGを遊ぶ上で広く行われており、より円滑に遊びやすくするためのものです。
 ですが、公式のものではないため、参加者の間で共有されていないとPL間で差ができてしまったり、GMとPLが敵対してしまうことがあるため、馴染みのないメンバーでセッションをする際にはハウスルールの共有を行いましょう。

あとがき

 今回はTRPGをプレイする前に出てくる用語を中心として解説させていただきました。
 難しく感じるかもしれませんが、完璧に理解する必要はなく雰囲気が分かっていれば大丈夫です。

 次回はプレイ中とプレイ後に出てくる用語の解説を予定しています。

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6面

ゲームをよくプレイしています。コンピューターとアナログを問わずにプレイしており、コンピューターゲームでは主にアクション・RPG・シミュレーションを好んでいます。アナログゲームではTRPGをよくプレイしており、そちらについて投稿していきたいです。

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