FGOのキャラクターの原典について語りたい ②

終章が終わって燃え尽き症候群に陥るものの、アフターストーリーが始まって情緒が乱高下し、新しいイベントが始まっているのに、まだ先であるバレンタインイベントが待ちきれないかぎしっぽです。
Fate/strange Fakeのアニメも始まり毎週が楽しみです。

前回の続きになりますが、アルジュナを語る上では外せない『カルナ』という人物がいます。
なので、今回は彼について語っていきたいと思います。

▼カルナ(Fate)について

インドの大叙事詩「マハーバーラタ」に登場し、パーンダヴァと敵対するカラヴァ陣営の中心的人物で、父親にスーリヤ神をもつ半神半人の大英雄の一人です。
シリーズ初登場である「Fate/Apocrypha」以降、数多くのFateシリーズにも登場する人気キャラクターです。

実直かつ極めて寛容な性格の持ち主のカルナは、どんな苦難や理不尽に晒されようとも「それも有り」と考え受け止められるおおらかな価値観を持っています。そして全てを恨むことがなく、他者からの恩義には必ず報いるという義理堅い人物です。
マスターに使えることが第一義であり、自らの命がある限り仕え続け、下された命令がどんなものであっても逆らう事はなく実行したりとマスターを第一に考えます。例えそれが顔も見たことがないマスターであってもそのスタンスは変わらず、自身を求められたからには裏切ることなく仕え続けます。

我欲もなく自己主張もあまりせず、表情を崩すことがない為か、一見すると人間味がないように見えますが、思慮深い一面を持ち合わせています。
基本的にはマスターの自主性を重んじるカルナですが、必ずしも盲信している訳ではありません。マスターにとってその行動が必要であった場合には刃向かう意思を見せることがあり、時には苦言を呈したりと面倒見の良いところがあります。
また、無益な戦いは避けますが、武人という事もあって相手に挑まれれば戦いに心を躍らせるなど生粋の戦士の顔を見せます。特に相手が強敵であるほど喜びが増し、自身の全力をもって応戦します。

槍を主武装とする”ランサー”のクラスで、その戦闘能力は自身の力を制限された状態でさえも最強クラスの英霊と渡り合える、桁外れの戦闘能力を持っています。
人が扱うことができないほどの大槍を自身の技量によって手足のように扱い、目にも止まらない七十を超える刺突を繰り出し、正確に急所に直撃させるなど神速の槍撃を放ちます。また、槍に炎を纏わせることで、その一閃は相手の渾身の一撃ですら切り裂くほど。単純に遠距離攻撃として繰り出すこともでき、その威力は地上を焼き払うことができます。
まさに破格とも言える戦闘能力を持ち、彼と契約できればまず負けることはないでしょう。
(もし負けるようであればそのマスターはよっぽど戦いの向かない人物とのこと)

自身を偽ることがなく曝け出し、例え「悪」と断じられようと自身の信念をもって戦う姿はまさに真の英雄といえ、これ以上のない最高のサーヴァントと思えるカルナですが、彼には最大の欠点があります。

コミュニケーション能力の低く、言ってしまえば「一言多いようで一言足りない」

相手の本質を見通す力を持っているカルナですが、元来の性格故に思っていることをありのままに話すことが多く、しかも歯に衣を着せぬ物言いのため、彼が褒めているつもりでも相手にとって煽りや皮肉と受け止められてしまい怒りを買う事が多いです。
それだけならまだ良いのですが、言葉が少なく簡潔に話すきらいがあり、相手にとって本当に必要な言葉を出さないため、無表情なことも相まってか誤解に拍車をかけてしまい、(その気が無くても)結果的に「悪」と断じられる要因となってしまいます。そのため敵どころか味方であるマスターにさえ嫌われることも少なくないです。
ただ、言葉足らずな面もとあるマスターの指摘によって、ある程度改善した模様。
(ただこの指摘が余程ショックだったのか普段見たことがないほど落ち込んでいた)

また、普段は気高く無欲なカルナですが、宿敵であるアルジュナに対しては生前の確執故に、普段は見せることがない闘争心と積極性を見せます。
FGOのメインストーリー内でも敵対し争うことが多い2人ですが、同じマスターに仕えているという特殊な環境の為かお互いに分かり合おうとする歩み寄りを見せています。

原典のカルナ

ここからは「マハーバーラタ」内のカルナについて解説を行っていきたいと思います。

カルナはパーンダヴァと敵対関係にありますが、実はクンティーの息子であり、生まれ順でいえばパーンダヴァ5兄弟の長男にあたります。
(なので本来であればユディシュティラは次男になります)
では何故、カルナは血の繋がっている実の兄弟達と敵対する事になってしまったのか。
それは彼の出生にあります。

なので今回はカルナの視点から解説を行っていきたいと思います。
(例によってまた独自の解釈があるので、至らぬ点があった場合はご容赦を・・・💦)


▼誕生まで
クンティーはパーンドゥと結婚する前、まだ少女と言われても良い年頃の時です。
彼女の養父・クンティーボージャのもとにドゥルヴァーサスという聖者がやってきました。
しかしドゥルヴァーサスには少し困ったところがあり、それは彼はかなり怒りっぽい性格で有名でした。ちょっとしたことでも怒ったりと周りから恐れられていたのです。

クンティーはそんな人物の身の回りの世話をするように父から言われますが、彼女はこれを無事にやってのけ、あの気の難しいドゥルヴァーサスを満足にもてなすことに成功します。
献身的に自身の身の回りの世話をしてくれたクンティーのことを気に入ったドゥルヴァーサスはお礼に「神様を呼び出す」マントラを彼女に授けます。このマントラを唱えればどんな神様でも彼女の元にやってくるものだと教え、ドゥルヴァーサスは旅立って行きました。

まだ幼かった彼女はこのマントラを使えば何が起こるのか、そして「どんな神様でも彼女の元にやってくる」という意味をよくわからないまま、ほんの少しの好奇心から使ってしまうのです。
呼びたい神様の顔を思い浮かべながら唱えることによってその神様が現れると教わったクンティーは太陽神・スーリヤ1を思い浮かべ呼び出すことに成功します。
呼び出すことに成功したクンティーは大喜びし、スーリヤ神は彼女の願いを聞き入れるためにやってきたのだと言います。
当のクンティーはこのマントラの力は本当のだったのだと知れて満足し、そのスーリヤ神に会えて願いが叶ったため帰そうとしますが、願いはまだ叶っていないので帰ることはできないと困ったように言います。
そして、スーリヤ神からそのマントラの「彼女の元にやってくる」という本当の意味は「神様を呼び出して神様の子供を授かる」と告げられるのです。
ドゥルヴァーサスが言っていたことにそんな意味があったとは知らず、事の重大さを知った彼女は何とか帰ってもらおうと「未婚なのに子どもを作ることは出来ない」と説得しますが、マントラの制約によって子供を授かるまで帰ることが出来ないと知ります。
彼の言葉に上手く丸め込まれて拒むことも出来なくなってしまい、そしてスーリヤ神の美しさに魅了されてしまったクンティーは彼との間に子供を身ごもってしまうのです。

願いを聞き入れたスーリヤ神は立ち去る前に「生まれてきた子供に私と同じ黄金の鎧と耳飾りを身につけて生まれてくるだろう」と言い残して去っていきました。
(翻訳者の解釈によっては子供を産む条件としてクンティーが要求してたという話もあります)
そうして生まれたのがカルナです。
スーリヤ神の言葉通りにカルナは黄金の鎧と耳飾りを身につけた姿で生まれました。鎧は皮膚の一部となっているため外すことはできないものの、身につけている限り誰もカルナのことを傷つけることは出来ず、不死身であったと言います。

未婚のまま母親になってしまったクンティはこのことを知った父や世間はどう思うのか・・・。そればかりが頭を埋め尽くします。
どうすればいいのかわからなくなり途方に暮れてしまったクンティーはこの発覚を恐れ、カルナを箱に入れて川に流してしまうのです。
そう、カルナはクンティーが自身の保身のために赤子の頃に捨てられてしまったのです
川に流されて捨てられてしまったカルナはアディラタと、その妻であるラーダーに拾われ育てられることになるのです。

▼青年期
義理の親に育てられたカルナは充分な愛情を注がれてすくすくと成長していき、スータ(御者)であったアディラタの馬を引く姿を見ていたカルナは自分も父と同じ仕事をするんだと思っていました。

しかし16歳となったある日、彼は両親に御者になることよりも戦士になることを両親に打ち明けます。
カルナは何故かわからないが自分は御者の息子なのに馬を操ることよりも、弓矢を持って戦士として戦う事ばかり考えてしまうのだと告白し、そして、最近夢の中に見知らぬ女性が現れ、悲しそうな顔をして自分のこと見ており名前を聞こうとしても幽霊のように消えてしまうのだと。この夢が何か関係しているのではないか両親に問います。

息子のこの告白にアディラタとラーダーは覚悟を決め、カルナに自分たちが本当の親でないことを打ち明けるのです。
川から流れてきたカルナはその輝かしさと美しさに神の子だと思ったそうです。そしてこの出会いに運命的のものを感じた二人は子供が出来なかったこともあって「この子は神様からの贈り物」だとカルナを拾い、息子として育てようと思いました。ですが身に包まれていたおくるみが高価な布でできていたモノだった為、高貴な身分の者がやむを得ず捨てたのだと思い、本当の親を探そうとしましたが、あまりの愛おしさに手放すことが出来ず、今日まで育てたのです。
カルナが戦士になりたく感じるのはきっとクシャトリヤの生まれ故に弓矢を学びたいのだと言います。

両親の告白にカルナは、血は繋がっていなくても自分にとっての親は2人である事と2人の息子であることを誇りに思っていることを伝えて、戦士になるための旅に出ることになったのです。

▼旅の話に入る前に・・・
インドに「カースト制度」というものがあるのをご存知でしょうか?

インドに古くからある身分制度でバラモン(司祭)クシャトリヤ(武士)ヴァイシャ(平民)シュードラ(隷属民)の4つの身分に分けられています。また、その下にダリット(不可触民)と呼ばれる最下層があり、他の身分の人が近付いてはならない忌避される存在とされ、特に差別されてきた歴史を持ちます。
現在は「ヴァルナとジャーティ」と呼ばれていて、1950年には身分差別の禁止と不可触民制の廃止されているものの、差別が禁止されているだけでその習慣は根強く残っており、都市部では影響は薄くなりつつあるそうですが田舎の地域では影響が強く残っているところがあるそうです。

さて・・・ここでカルナの身分になりますが、彼の養父であるアディラタはスータ(御者)と呼ばれる身分にあたり、カルナもその身分になります。
このスータは王の御者(馬車や荷車を操る人)又は吟遊詩人をさす称号で、アディラタは前者の仕事をしていました。
この身分については少し複雑なところがあり、バラモンとクシャトリヤの中間の身分に当たれば、下位のヴァイシャやシュードラに近かったり、独立したジャーティ(職業集団)だったりと、非常に地位としての位置づけが曖昧な部分が多いからです。 
ただ「マハーバーラタ」内ではバラモンとクシャトリヤの混血として描かれており、身分の低い者として扱われています。

前回でもエーカラヴィヤがクシャトリヤでないことを理由に弟子入りを断られていましたが、カルナの人生は身分が全てのこの時代おいて幾度もなくこの身分制度によって苦しめられることになります。 


▼修行の旅
カルナはまず最初に、王家に仕えている武芸者のドローナから武芸を学ぼうと思い会いに行きます。しかし、身分が低いものに教えることは出来ないと断られてしまうのです。

早速身分の所為でつまずいてしまったカルナはどうしたものかと思い悩み、思案した結果バールカヴァという人物に弟子入りする事に決めました。
バールカヴァはドローナの師匠であり彼も一流の武芸者であったため、まさに師匠としてこれ以上ないと言える人物です。しかし、彼には一つ問題があり、それは彼が大のクシャトリヤ嫌いだったことです。
スータはクシャトリヤの血を引いているため、「自分はスータです」と正直に言ってしまえば断られることは必須です。
ここでも身分に苦しめられたカルナは悩んだ末「スータってバラモンの血も半分入っているんだから実質バラモンだから大丈夫じゃね?」という結論に達し(なにも大丈夫じゃない)、スータであることを隠し、バラモンとしてバールカヴァに弟子入りを懇願します。
突然現れたカルナにバールカヴァは戸惑うものの、その熱望さに感銘を受けカルナを弟子にします。

バールカヴァは弓術だけでなくカルナに様々な知識を教え、数年と続く修行の果てに遂に彼から「ブラフマー・アストラ」2を授かります。それだけでなく、バールカヴァは謙虚で熱心な姿勢で学ぶカルナのことを気に入り、自分が持つ中で最高の武器であるヴィジャヤという弓矢を与えます。

バールカヴァはカルナと共にいられたことに喜びを感じており、カルナを自身の誇りとまで思うほどでした。
ですが、カルナは武芸を学ぶためとはいえ彼に噓をついてここにいるため、その言葉を素直に喜ぶ事ができませんでした。
そんな後ろめたさを持ちながら日々がが過ぎていきますが、カルナの噓がバレてしまう日が来たのです。

ある日、バールカヴァは木陰で休むため、カルナに何か敷くものを持ってくるように頼みますが、カルナは自身の膝の上で休むように勧め、その厚意に甘え彼の膝の上で眠ります。
しばらくすると、カルナの太ももに突如痛みが走ります。確認すると小さな虫がカルナの太ももに嚙みついていたのです。
余程深く嚙まれたのか、その足は出血しており痛みもどんどん増していきます。
しかし、師の眠りを妨げてはならないと辛抱強くその痛みに耐え続けますが、出血は増すばかりで、とうとうその血がバールカヴァの頬に触れてしまうのです。
飛び起きたバールカヴァは痛みに耐え抜いたことからカルナがバラモンでないことを見抜き、噓をつかれた事に怒ったバールカヴァはカルナに「いざという時に奥義を出せなくなる」呪いをかけてカルナの元から去ってしまいます。

しかし、不運はこれだけでは終わりませんでした。

バールカヴァが戻って来ないと悟り、家路に向かっている最中のことです。
カルナの前を一匹の動物が横切り、彼は本能的にその動物を弓で射ってしまいます。
ですが、その動物はバラモンが飼っていた牛であり、激怒したバラモンはカルナに「緊急時に戦車が動かなくなる」呪いをかけてしまうのです。
噓をつくことは良くないことですが、まさか噓一つでここまでの不運が来るのはあまりにも散々すぎますよね・・・

▼アルジュナとカルナの出会い
さて、ところ変わってアルジュナたちの話に戻ります。
アルジュナは王子としても戦士としても成長していきますが、ここで彼の人生に新たな展開を迎えることになるのです。

それはドローナが開いた武術大会でのことでした。
この武術大会はドローナが弟子たちの修行の成果を大衆の前で披露させようと開いた大会でした。王子たちが参加する大会ということもあってか、国民だけでなく、近隣諸国の王族も招く大きな一大イベントとなり、大会当日には会場に何百万という人が押し寄せました。
そして始まった大会はカウラヴァ、パーンダヴァが武芸を披露する中、一際目立っていたのがアルジュナでした。

金の鎧を身に纏い、凛々しく美しい容姿を持つアルジュナに観客は大きい歓声を上げます。
その歓声に盲目であるドリタラーシュトラは驚き、近くに控えていた使いになんの歓声か聞きます。それがアルジュナの者であると知ると心の内に嫉妬の炎を燃やしますが、それを隠し表面上アルジュナに優しく微笑みました。
アルジュナが演技を始めるとドローナの一番弟子を名乗ることあって、見事な演武を見せ、観客が惚れ惚れするほどの腕前を見せました。
観客を魅了する演技を続ける中、突如どこからか轟音が響き渡ります

その音に思わず全員が音の発生源を見ます。すると会場の入口に男が立っており、あの轟音は男が弾いた弓の弦から鳴り響いた音だと気づきます。
その男こそ、後に宿敵となるカルナです。
カルナは風のうわさで武術大会のことを聞き、その大会に参加しようと考えたのです。

カルナはドローナに一礼し、「お前に挑戦したい、お前が見せた技なら俺にもできる」とアルジュナを挑発します。そして先ほど披露したアルジュナの演技をそっくりそのまま観客の前で同じようにやってのけたのです。
観客も王子たちもカルナの演技に驚く中、カルナはアルジュナに一騎討ちを申し出ますが、面子を潰されたままではいられないアルジュナは師匠の許しを得てこれに了承します。

そしてこの一部始終を見ていた人物がいました。それはクンティーです。

あの黄金の鎧と耳飾りをみて、彼が誰かなど彼女がわからないはずがありません。
あの時、川に流して捨てた自身の子がこんな形で再会する事になり、実の兄弟と戦う事になろうとは思わなかったのです。
その事実にクンティーはただ泣くしかありませんでした。

そして決闘を始めようとアルジュナが前に出ようとした時、クリパ3が彼の前に現れ、決闘を行うのであれば礼儀に従って自身の身分を明かすように要求します。
決闘を行うには同じ身分同士の者でないと戦うことが出来なかったため、王族の身分でないカルナは戦うことが出来なかったのです。
またここでも身分の低さに苦しめられることになったカルナは俯いて黙ってしまいます。
沈黙が続く中、困っているカルナにある人物が声を上げたのです。

それはドゥリーヨダナ4でした。
彼は先ほどのカルナの演技を見て、アルジュナを凌ぐほどの腕前をもつカルナがいればきっとあの兄弟達に負けることなどないと感じるほどにカルナに心を惹かれていたのです。そしてそんな可能性を秘めたカルナをどうにか仲間に引き入れたいと思ったのです。
ドゥリーヨダナはカルナが身分の低い者と察したかどうかは分かりませんが、ここで仲間に引き込むチャンスを逃すわけには行きません。ドゥリーヨダナは例え身分が分からなくともカルナの勇敢さと弓術を讃え、王族でないだけでアルジュナと戦えないことに反発したのです。
それだけでなく、戦えないのであれば領主のいないアンガ国の王にすると宣言し、その場でカルナを王へと即位させてしまうのです。

彼の演説に観客は感動し、人々はドゥリーヨダナの提案に賛同します。
そして、この提案にも伯父と父も許しを得ることができ、早速早速ブラフマン達を呼び寄せて戴冠の儀式をはじめます。
ドゥリーヨダナの計らいにより王位を得ることができたカルナは心から感謝します。

戴冠の儀も終わり、これから一騎討ちが始まろうとしたその時。人込みをかき分けてカルナに近づく一人の老人が現れます。
それはカルナの養父であるアディラタでした。

アディラタは息子の晴れ姿を一目みようと会場に駆け付けたのです。
カルナは養父の姿を見て彼のもとに駆け寄り、最大の敬意をもって養父に敬礼します。
しかし、この行為によりカルナがクシャトリヤではなくスータであることを知られてしまうのです。

この事実に周囲が困惑し静まり返る中、ビーマが身分が違うことを非難し、カルナに侮辱の言葉を浴びせます。
カルナはその侮辱に怒りで震えるものの、言い返すことが出来ずグッとこらえて耐え続けました。
ですが、ドゥリーヨダナは怒りの声を上げ、ビーマの言葉に反発し、カルナがスータと知ってもなお彼を庇ったのです。
そしてカルナも王子という高貴な身分であるドゥリーヨダナが、出会ったばかりなのに王位を与えて決闘の場を整えてくれたりとここまで尽くしてくれて、しかも遥かに身分の低い自分のためにここまで怒ってくれていることに対して驚きを隠せません。ドゥリーヨダナの行動に心を打たれたカルナは彼との永遠の友情を誓い、一生彼についていくことを決めたのでした。

これも翻訳者の解釈によりますが、ドゥリーヨダナにも身分差別の意識があったそうです。しかし時間が経つにつれて、カルナとの関係は次第に本物の友情に変わっていったとのこと。
最初はアルジュナを凌ぐ弓術の持ち主のカルナに恩を売るための行動であったとしても、カースト制度を何よりも重んじていた当時のインドでここまでのことができたドゥリーヨダナのこの行動にはかなり衝撃的ですよね。
そしてそのドゥリーヨダナの行いにカルナも恩を報いるために行動し、ドゥリーヨダナの擁護者になることが多く、彼の味方であり続けました。そして、力を失っても彼の為に戦い抜いたのです。

こうして始まった武術大会は、2人の口論により日が沈んでしまったため、一騎討ちは果たされることはなく解散となります。
人々はドゥリーヨダナとカルナの話題で持ちきりとなり、その話題の2人は一緒に会場を去ります。(しかも腕を絡ませて自分の馬車にまで乗せるほど)

そしてユディシュティラは、あれ程の偉大な戦士がドゥリーヨダナの仲間に入ったことに不安を覚える形で幕を閉じるのでした。


今回はカルナ視点で話が進んだため、アルジュナはあまり出てきませんでしたが、次回はちゃんとアルジュナ達の話に移れたらいいなーと思います。

それではまた次回( ・ω・)ノシ


※脚注

  1. 日本では日天の名で広まっており、帝釈天と同じ十二天の一尊として数えられています ↩︎
  2. インド神話において、英雄たちが使う超必殺技のこと。 ↩︎
  3. ドローナと同じ、王子たちの指南役 ↩︎
  4. カウラヴァ百兄弟の長兄。カウラヴァ陣営の中心的人物にあたる。パーンダヴァ5兄弟(特にビーマ)を恨んでいる ↩︎


※参考
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%8A
https://ja.namu.wiki/w/%EC%B9%B4%EB%A5%B4%EB%82%98
https://ameblo.jp/indiastory-chieka/theme-10104959642.html
https://note.com/shantilifehiro/m/mf49ce1d60851

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かぎしっぽ

アニメ、マンガ、ゲームが好きです。特にマンガはジャンプ系が好きです。 絵を描くのも好きなので一次創作も出来たらなと思います。

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