TRPGシステム解説 サタスペ編

 TRPGのシステムを解説していきます。
 今回は大犯罪都市でチンピラとなり成り上がりを目指す”サタスペ”について解説します。

サタスペとは?

 ”亜侠(あきょう)”と呼ばれるチンピラになり、チームを組んで様々な思惑が交差する大犯罪都市”オオサカ”で持ち込まれる依頼を達成したり、事件に巻き込まれたりなどを繰り返し、成り上がりを目指すシステムです。
 舞台が犯罪都市ですので当然治安が悪く、犯罪行為が当たり前と化しています。そのため、PCたちが積極的に犯罪行為を行うことが想定されたシステムとなっており、他のシステムでは様々なしがらみや倫理観から行うことが出来ないような事を遠慮無く、自由に振り回し、どんなことでもできる自由な遊び方が特徴のシステムです。
 ※行動には相応のリスクが伴います。

世界観

 第二次世界大戦が現実とは違う結末となり、日米間で核戦争が勃発します。その結果、日本列島が焦土と化し、主要都市は軒並みクレーターに変わり、東京に至っては全域が東京湾に沈み、大日本帝国は崩壊します。
 その後、列強国たちにより日本は分割統治されることとなり、国連が介入しますが日本の国土はほとんどが列強国の支配下となってしまいます。その中で唯一残った近畿地方が国連の統治下となったことで、政治的な空白地帯である近畿特別区、通称”オオサカ”が誕生します。
 オオサカは入国ビザが不要であり、税金が非常に低いために世界各地の出稼ぎ労働者や犯罪者、移民に難民など様々な人々が流入したことで大量の人とモノが集まり、大量のカネを生み出し国際経済を左右するほどの一大金融市場へと変身しました。
 その一方で世界各国の犯罪者が流入したことにより治安が急激に悪化していき、数十年たった現在では一度も犯罪に手を染めていないオオサカ住人はいないのではないかと言われるほどとなっています。
 そんなオオサカにも一応政府が存在していますが税金が異様に安いことにより予算が少なく、その少ない予算も政府の要人に大体持っていかれてしまうため、ほとんど何もできていないことから「無恥・無能・無気力の三無主義」と呼ばれるようになり、今では警察がパトロールと称して力の弱い店や住人にカツアゲをする始末です。
 そのような政府の代わりに住人たちを実質的に支配しているのが盟約と呼ばれる犯罪結社であり、その中でも特に強大な5つの盟約は五大盟約と呼ばれ、オオサカは現在この五大盟約の拮抗したバランスによって成り立っています。
 さらに現実には存在しない超常的な生きものや物品の存在も確認されており、時にはそれらと対峙することもあります。

システムの特徴

 サタスペの特徴を解説していきます。
 一部解説は次回以降に回しています。

  • GMとPCの呼称

 サタスペではGMをDD(ディーディー)、PCを亜侠と呼びます。

 DDの由来は公式から明かされていないため不明です。
 NPCにも亜侠は存在していますが、その場合は別の亜侠や敵の亜侠などと呼ばれ、ただ亜侠と呼ぶときは大体PCを指しています。

  • 判定方法

 サタスペでは2D6を使って判定を行いますが、特殊な方法を取ります。

 判定にはDDから難易度と必要成功度が指定され、判定に使用する能力値の数値を回数として2D6を振り、難易度以上の出目が出た回数が成功度となり、それが必要成功度以上になることで初めて判定が成功します。
 難易度や判定回数に修正を加える手段は多く存在しているため、それらを組み合わせて如何に判定を有利にするかが重要なカギとなります。

  • ファンブル

 判定の大失敗です。

 ファンブルは判定で1のゾロ目が出ると発生し、それまでの成功度に関わらず失敗となり、その判定に定められているファンブルのルールを適用します。ルールが定められていない判定の場合はDDが効果を決定します。
 ファンブルは通常1のゾロ目でしか発生しませんが、難易度が「12」を超えると難易度が増えるのではなく超えた数値分”ファンブル率”が上昇し、2以上のゾロ目でも発生するようになります。例えば、難易度が「14」の判定はファンブル率が「3」となり「1と2と3」のゾロ目が出るとファンブルが発生します。ファンブル率が「6」を超えた場合は自動失敗となり判定自体が行えなくなります。
 これらのルールにより判定自体の難易度は「12」が最大なので、ファンブル率が6未満の判定であればどんな判定でも6のゾロ目を出すことで成功度を1稼ぐことができるので、チャンスはあります。ちなみに難易度の最低値は「5」です。

  • ファンブルからの逆転

 ファンブルを無かったことにすることが出来ます。

 判定でファンブルした時に(次回以降のキャラメイクの項目で解説する)精神点を「1D6点」消費することで無かったことにし、成功度1で判定が終了します。なので、難易度が高いが必要成功度「1」の判定に対してはわざと難易度を上昇させてファンブルを狙うこともあります。

  • 趣味

 キャラクターが興味を持っている分野です。

 キャラメイクに関わるデータなのでいつもは次回以降に回すのですが、この後の項目で分かっていないと説明が難しいので簡単に解説します。
 次回以降に解説する亜侠の能力値から計算される数の趣味を”趣味決定表”からRoCで取得できます。決定した趣味は情報収集やおたからを使用するときに関係します。おたからについても次回以降に解説します。

  • セッションの進行

 サタスペはシーン制に近い形で進行しますが、違う点が多くあります。

 サタスペのセッションは導入・計画フェイズ・実行フェイズ・結末の4つに分かれており、条件を満たすことで進行していきます。
 それぞれ以下の状況が発生したり、行動ができます。

1.導入:依頼を受けたり、事件に巻き込まれたり、銀行強盗を計画したりなどセッションの目的が示されます。

2.計画フェイズ:目的に向けて情報収集や装備とアイテムの調達、イベントの発生など必要なものをそろえるフェイズです。
 時間の概念があり、1日5ターンで早朝・朝・昼・夜・深夜に分かれていますが、1日1回2ターン連続で睡眠を取る必要があるので動けるのは基本的に3ターンだけです。ターンの開始時と終了時に移動を行うことができ、ターン中の行動は自分がいる場所で行えることしかできません。

3.実行フェイズ:血戦・競争・浪漫・交渉・イベントを処理するフェイズです。イベント以外の詳細は次回以降に解説します。
 より精密に亜侠の行動を描写する事ができ、計画フェイズ中に行動を宣言してDDが承認することで発生し、終わった後もセッションが続く場合は計画フェイズに戻ります。

4.結末:セッションの内容によってその後どうなったかが語られます。基本的には目的の成功と失敗を問わずに亜侠たちがどうなったかまたはどうするかを描写するのですが、全滅していた場合は関わった人たちがどうなったかをDDが描写してあげるといいかもしれません。

 サタスペはセッション中の行動の選択肢が非常に多く、時間さえあれば無限に資金を集めたり、経験点を稼ぐことが可能なので、基本的にDDは時間制限をつけた方がよいです。制限するのは現実の時間ではなくゲーム内の日数の方で、そうすれば亜侠たちの行動回数をある程度コントロールできるので事故が減ります。

  • 情報

 情報は計画フェイズで情報収集を行うことで入手することができ、シナリオギミックや敵の情報、イベントの発生条件など目的達成のために必要です。

 情報のありかはトピックと呼ばれ、どのような情報かを示すタグと入手難易度を示すセキュリティレベル(SL)の2つのデータで構成されています。情報収集開始地点をスタートトピック、目的の情報のありかがターゲットトピックと呼ばれます。
 タグは趣味と同じ種類に分かれており、SLは最初は「0」からで、好きな能力値の判定に成功すると「SL1」に進むというのを繰り返してターゲットトピックがあるSL以上で該当するタグを入手すれば情報収集完了となります。情報共有ができる状態であれば、誰かが途中まで進めた情報収集を続きから他の人が行うことも可能です。
 情報収集の判定の際に成功度が「4」になると”情報イベント”が発生し、判定に使用した能力値ごとのランダム表を振って様々な効果を受け、ファンブルした場合は”情報ハプニング”が発生し、基本的には悪い効果を受けます。
 情報収集は1回行うと行動済みになり、そのターンは行動できなくなりますが、次回以降に解説する”サイフ”を「1点」消費することで情報収集に限り再度行うことができ、これもまた次回以降に解説する能力値の一つである”犯罪”の値だけ繰り返すことができます。

  • 調達

 様々な方法で必要なアイテムを手に入れることができます。

 アイテムは店で購入するか盗むか襲撃することで調達することができ、それぞれ以下の利点とリスクが存在します。

1.購入:お金を使って所持金以下のアイテムを購入します。滞在しているエリアで売っているものであり、十分な所持金があればなんでも購入可能です。リスクは特にありません。

2.盗む:技術を用いてアイテムを盗み出します。滞在しているエリアで扱われているものであればなんでも対象にすることができ、エリアの治安と盗むアイテムの個数が難易度、盗むアイテムの価格が必要成功度となり、成功するとお金を払わずに入手できます。失敗した場合は1D6ターン後に逮捕され、”臭い飯表”を振って効果を適用することになります。

3.襲撃:店や施設を襲い主にお金を強奪します。襲撃する際にはまず同じエリアにいるチームメンバーから参加する者を決定し、獲物表を振ってターゲットを決め、実際に襲撃するかどうか決定します。判定の難易度はエリアの治安ですが、獲物によって必要成功度が変化し、成功すると獲物に応じた戦利品を入手でき、失敗した場合は何も得られず行動済みとなり、ファンブルした場合は獲物ごとのペナルティを受けることになります。

 調達方法の襲撃に関してはファンブルしない限りはペナルティを受けないため、得られるリターンに対してリスクが非常に小さいので、ハウスルールで失敗時にもペナルティを受けるようにするなどリスクが増やされることが多く、実入りの良い調達方法となります。
 一応、セッション中にアイテムやお金を調達する方法は他にもありますが、いろいろと複雑な処理や解説が長くなりすぎるため割愛します。

最後に

 サタスペはかなり特殊なシステムであり、他のシステムでは絶対にできないようなことも遠慮なくできるのが特徴です。PCはチームを組んだチンピラであると書きましたが、逆に正義のヒーローのように犯罪者たちを成敗したり、単独でオオサカを駆けまわったりなど通常の遊び方とは違う大変さがありますが、本当に遊び方に制限はありません。
 今回の解説ではサプリメントの内容も多く入っています。サタスペはサプリメントの数が少なく、特に”ロケットNo.1”は導入することで非常に遊びの幅が広がるため、遊ぶときには導入することをお勧めします。

あとがき

 今回はサタスペの解説をさせていただきました。
 いつもはシステムごとに2回で解説を終えているのですが、少々解説したいことが多いため、3回に分けて解説するかもしれません。
 サタスペは本当に取れる選択肢が多く、慣れた人だと1回の行動であらゆるものを利用してとんでもない量の買い物や情報収集したりなど無茶苦茶することができるようになります。

次回はサタスペの解説の続きを行いたいと思います。

画像参照元:https://bouken.jp/product/satasupe/

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ゲームをよくプレイしています。コンピューターとアナログを問わずにプレイしており、コンピューターゲームでは主にアクション・RPG・シミュレーションを好んでいます。アナログゲームではTRPGをよくプレイしており、そちらについて投稿していきたいです。

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