TRPGシステム解説 サタスペ編 その2

 今回はサタスペの性業値とセッション中に実行フェイズでできることについて解説を行います。
 前回は世界観やセッション中に計画フェイズでできることなどについて解説していますので、よければそちらも読んでみてください。

性業値

 キャラメイクの際に決める値でキャラクターの大まかな性格を表しています。

 性業値は低いほど感情的で、高いほど冷静です。初期値は性業値決定表を振って決定し、上限と下限はなく、この後解説する”性業値判定”で「1のゾロ目」を出すと「1上昇」し、「6のゾロ目」を出すと「1低下」します。
 セッション中に特定のタイミングでこの性業値を使用した”性業値判定”が発生することがあり、2D6を振って性業値を超えると感情的になり自分を奮い立たせる”激”、性業値未満だと冷静になり状況を確認する”律”、性業値と同値になると優柔不断でどっちつかずの”迷”の3ついずれかの状態となります。どれになった方がよいかは状況によりますが、ほとんどの状況で”迷”になるのはよくありません。

実行フェイズとは?

 戦いやカーチェイスなどを行うフェイズです。

 計画フェイズよりも精密にキャラクターの行動を描写でき、血戦・競争・浪漫・交渉・イベントを処理します。
 今回はこれらについて解説を行います。交渉はRPによるものであることとイベントに関してはシナリオごとにルールや処理が異なるので解説しません。

血戦

 戦闘の事です。

 サタスペの戦闘はラウンド制で行われ、能力値の反応力が高い順に行動します。

  • ジオラマ

 血戦はジオラマというマスで区切られたマップを用いて行われ、障害物や射線などのお互いの位置関係を考えながら繰り広げられます。
 ジオラマにはオブジェクトという地形や家具などの血戦に影響を与えるものが存在し、それらを活用したり、”オブジェクトの発見”を行って追加したり、時には破壊しながら戦闘します。
 公式では以下の8種類のオブジェクトが存在します。

1.障害物:テーブルなどの移動や射撃の邪魔になるものです。同じマスに移動するには1マス分余分に移動しなければならず、障害物が存在するマスのキャラクターに遠距離攻撃をする場合は命中判定の難易度が上昇します。

2.照明:ライトなどのその部屋の光源です。屋内であるジオラマにしか配置できず、破壊されると真っ暗になり、暗視ゴーグルなどの対策をしていない者は命中判定の難易度が上昇します。

3.拠点:塹壕などの血戦で有利な地形です。同じマスにいるキャラクターの数に応じて戦闘能力が強化されます。拠点を発見するにはすでにそのマスに障害物のオブジェクトが存在する必要があります。

4.ダメージ源:ガラス片などの触れるとケガをしそうなものです。同じマスに侵入したキャラクターはダメージを受けます。

5.爆発物:ガソリンが入ったドラム缶などの爆発しそうなものです。破壊されると爆発物を中心とした「3×3マス」に大きなダメージを与えます。

6.壁:移動や射撃を遮る壁です。キャラクターは壁を超えて移動や射撃を行うことができません。

7.スリップゾーン:ベルトコンベアなどの強制移動が発生する場所です。ある程度の長さで配置され、侵入したキャラクターはスリップゾーンの端まで強制移動させられます。スリップゾーンを発見した場合は自分がいるマスから成功度と同じ数だけマスを伸ばすことができます。

8.退路:扉などの逃げ道です。侵入することでそのジオラマから脱出し、血戦から離脱できます。

 これらのオブジェクトは公式が例として出しているものであり、DDは新しいオブジェクトを用意しても問題ありません。
 ジオラマは基本的にDDが必要なものを用意しますが、公式サイトに出来合いのものがいくつか用意されているのでシチュエーションがあっていればそちらを使用してもよいと思います。

公式ジオラマ:商店街          公式ジオラマ:コンビニ

  • イニシアティブ

 血戦で自分の手番の時に行動するか決定します。

 各ラウンドでは能力値の一つである”反応力”の高い順に行動しますが、自分のターンになった際に行動するか反応力を好きな値まで下げるかを選択することができます。

  • 移動フェイズ

 イニシアティブで行動することを宣言したらまず移動を行います。

 通常ジオラマ場を「2マス」移動することができ、他の行動を取った後には移動することはできません。
 敵と同じマスに入った場合は”格闘状態”となり、移動できるマスが1つ減少します。
 特殊な移動も存在しており、以下の2種類になります。

1.全力移動:通常より多く移動します。他の行動権を捨てる代わりに一度に「4マス」移動することができ、さらに全力移動をした対象を攻撃する際の命中判定の難易度を上昇させます。

2.突撃:敵の位置まで移動して攻撃します。一部の例外を除いたオブジェクトが対象とする敵との直線上に存在しない場合、対象のマスまで移動して攻撃を行えます。対象になった相手は”反応攻撃”を行え、互いに能力値の一つである”攻撃力”で判定し、成功度が高かった方が相手にダメージを与えることができます。同値の場合は互いに失敗となります。

 突撃が一番移動距離が長いですが、反撃によってダメージを受けてしまう可能性があります。これは、味方に突撃して判定を放棄すればただの長距離移動として使えるように見えますが、ルールとして敵対者にしか使用できないと明記してあります。

  • 攻撃フェイズ

 移動後に攻撃を行います。

 攻撃には”射撃”・”格闘”・”突撃攻撃”の3種類が存在し、それぞれ以下で解説します。与えるダメージはすべて「命中判定の成功度+武器のダメージ修正」となります。

1.射撃:遠距離攻撃を行います。射程が”射撃”の武器でしか行うことができず、間に壁が存在せず射線が通っている相手だけを対象に攻撃力で使用する武器の命中の値を難易度として命中判定を行い、成功したらダメージを与えます。
 格闘状態の対象に別のマスから射撃する場合、そのマス内にいるキャラクターへランダムに命中するため、誤射の危険性があります。

2.格闘:近距離攻撃を行います。自分と同じマスにいる相手に使用する武器の命中の値を難易度として命中判定を行い、成功したらダメージを与えます。

3.突撃攻撃:移動して近距離攻撃を行います。突撃を行ったキャラクターが行い、対象に対して使用する武器の命中の値を難易度として命中判定を行います。この時、タイプが”白兵武器”の武器を使用していると難易度が減少します。対象となったキャラクターは同じ条件で反応攻撃を行うことができ、成功度が高かった方がダメージを与えます。

 攻撃を行う際に使用する武器にはいろいろと特殊効果が付いているものがあり、それらを使用することで強力な攻撃ができますが、長くなりすぎるため省略します。

  • ダメージ判定

 攻撃が成功した相手へのダメージを決定します。

 ダメージを与えられたキャラクターは”セーブ判定”か”跳ぶ”を行うことができ、それぞれの効果は以下に解説します。

1.セーブ判定:ダメージを減少させます。与えられたダメージを難易度として能力値の一つである”肉体”で判定を行い、成功度分だけダメージを減少させることができます。

2.跳ぶ:ダメージを無効化します。1ラウンド1回だけセーブ判定と同じ判定をファンブル率が「1上昇」した状態で行い、成功したらダメージを無効化できます。しかし、成功した場合、攻撃を行ったキャラクターが対象を「2マス」の範囲内で強制移動させることができます。

 跳ぶは1ラウンド1回だけダメージを無効化できる強力な行動ですが、近くにダメージ源などの不利ものがある場合、そこに移動させられて「ダメージを受けていた方がまだマシだった」なんてことにもなりかねませんので注意して行いましょう。

  • モラル判定

 戦いを続けるために自分を奮い立たせられるかの判定です。

 能力値の一つである”肉体点”と”精神点”がそれぞれ半分まで減った際に性業値判定を行い、激にならないと血戦を続行する気力を失い行動不能になってしまいます。

  • 致命傷

 限界を超えるダメージを負った状態です。

 肉体点が「0以下」になったキャラクターは”致命傷”となり”致命傷表”を振って効果を適用します。
 致命傷表の中には当然、死亡するものや部位欠損など非常に厳しいものがある中で、奇跡的に無傷であったとしてダメージを無効化するというものも存在しているため、致命傷表を振る際には祈りながら振りましょう。

競争

 何かから逃げたり、追ったりなどの速さの要素です。

 ケチャップと呼び、カーチェイスや走って逃げるまたは追うなど「逃げる側」と「追う側」が発生した際に専用のジオラマを使用して行います。

  • 逃げる側と追う側

 ケチャップには基本的に逃げる側と追う側が存在し、競争することになります。

 それぞれ以下のことを目標とします。

1.逃げる側:追手から逃げるキャラクターです。ジオラマの”バイバイ”まで進むことが目的になります。

2.追う側:逃げる側を追うキャラクターです。逃げる側を”0レンジ”まで戻すことが目的になります。

 ケチャップは逃げると追うだけでなく設定次第では様々な状況を表現できます。例えば、追う側を爆風にすれば「爆発する研究所からの脱出」を表現できますし、参加するキャラクターを全員逃げる側にしてバイバイでゴールにすると「レースのデッドヒート」を表現できますし、追う側を眠気にすれば「朝に二度寝の誘惑に抗う」なんて状況も表現できます。このように多くの可能性を持ったルールなので、DDは色々な状況で使ってみてください。

  • 競り

 判定を行うのに”競り”で勝つ必要があります。

 ケチャップでは毎ラウンド行動できるのは「1人」だけのため、その判定権を賭けて難易度による競りを行います。
 競りは最後尾にいるものから順に難易度を宣言して一番高かった者が判定を行うことができます。例えば、最初の人が「9」を宣言して、次の人が「10」を宣言した後に全員が競りを降りた場合は「10」を宣言した人が判定を行えます。

  • ムーブ判定

 ケチャップで行動を取るための判定のことです。

 競りで宣言した値を難易度として能力値の一つである”精神”で判定し、成功するとススム・モドス・ケチラス・トビウツルの4つから好きな行動を取ることができます。
 それぞれの効果は以下の通りです。

1.ススム:自分の駒を1マス進めます。同じ乗り物に複数人で乗っている場合は乗っている全員が一緒に進みます。

2.モドス:自分以外の駒を1マス戻します。追う側でのみ使用可能です。

3.ケチラス:1体を対象としてアクシデント表を2回振らせます。1体というのは乗り物に何人乗っていたとしてもその乗り物1つを1体と数えます。
 アクシデント表とはムーブ判定にファンブルした際に振る表のことで、何らかのデメリットが発生します。

4.トビウツル:同じマスにいるものに対して血戦を仕掛けます。トビウツルが行われた時点でケチャップは終了します。

 乗り物に乗っている場合、同じ乗り物に乗っている全員で進めるのはもちろんで、ケチャップ参加者の中で一番”スピード”の値が高い乗り物に乗っている者はムーブ判定の難易度を下げることもできます。
 ケチャップは公式で精神を使って行うと書かれていますが、そのままでは精神が低いと何もできなくなってしまうため、ハウスルールで「走っているから肉体で判定する」などRPで判定する能力値を変えている所もあります。

浪漫

 ロマンスと呼び、恋愛要素です。

 お遊びの要素では一切無く、恋愛的な武器を用いた戦いであり、軽視しているとこれが原因で全滅することもあります。

  • ロマンスのはじまり

 ロマンスを行う対象を決定します。

 ロマンスは基本的に言葉が通じる異性しか対象に取ることができず、計画フェイズと実行フェイズ両方で起きる可能性があります。
 条件を満たせば同性にも行うことができますが、言葉は絶対に通じる必要があります。

  • アプローチ

 ロマンス判定を行うための方法です。

 アプローチにはデート・告白する・抱きしめる、キスをする・無言で押し倒すの4つがあり、条件や特殊効果、難しさが異なります。ロマンス判定に成功することで相手に後述する”トリコ”という状態を与えることができます。
 それぞれの条件と成功時の特殊効果を以下に解説します。

1.デート:もっとも簡単であり、条件は相手が未行動でありながら了承することです。
 特殊効果は特定のエリアでデートを行い、そのエリアの遭遇表をそれぞれ1回ずつ振ります。

2.告白する:2番目に簡単であり、条件は相手の好みのいずれかを満たしていることです。
 特殊効果は判定で振ったダイスの出目が自分の性業値と同じものが一つでもあれば自分も相手のトリコになります。

3.抱きしめる、キスをする:3番目に簡単であり、条件は「性業値判定が激になった相手」か「自分にロマンス判定を仕掛けてきた相手」です。
 特殊効果は行動に割り込んで発動でき、相手と同じ場所に移動します。

4.無言で押し倒す:最も難しく、条件は視界に自分と相手しかいないことです。
 特殊効果は失敗した場合はロマンスファンブル表を振らなければならないこと、成功した場合は相手を行動済みにできることです。

 この中では抱きしめる、キスをするが最も使用されており、理由としてはデメリットがないことと自分の行動を消費しないこと、相手と同じ場所に移動するという効果が非常に強力なことです。この移動は血戦中だと同じマスに移動するため、何らかの方法で相手を激にさせれば射線が一切通っていない相手にも問答無用で格闘状態に持ち込み攻撃することができます。

  • トリコ

 ロマンスによって落とした相手です。

 恋をした相手のお願いというものはできるだけ聞いてあげたくなるものです。そのため、誰かをトリコにしたものは主人と呼ばれ、様々な”お願い”をすることができます。
 お願いをすると相手は性業値判定を行い、激になったらお願いの内容をかなえる必要があります。たとえ「仲間を攻撃しろ」や「装備を寄越せ」や「敗北しろ」などルール上不可能でなければどんなに無茶なお願いであってもです。ただ、難しいお願いであればあるほど性業値判定に補正がかかり激になりにくくなり、反抗しやすくなりますが、元から激になりやすいキャラクターであればそれでも反抗は難しいでしょう。
 トリコの数には上限があるため、別れることもできますが非常に難しいうえにリスクも大きいため、トリコは計画的に作るようにしましょう。
 トリコには他にもいくつか要素がありますが長くなるため省略します。

  • 恋人

 お互いにトリコになっている状態です。

 お互いにトリコとなることで恋人という状態になり、恋人以外からのロマンス判定の難易度を上昇させ、ロマンス関係の防御力をあげることができます。
 さらに、以下の2つの恋人は特殊行動を取ることができます。

1.癒し:恋人同士のキャラクターが同じ場所で同時に行うことで次回解説する精神点を回復できます。

2.合体攻撃:恋人同士のキャラクターが同じ反応力のタイミングで同じマスから同じ対象を攻撃することで発動でき、両方とも命中判定に成功すると1回の攻撃としてみなされます。つまり、セーブ判定を1回減らすことで、ダメージを増加させることができます。

 ロマンス判定の告白するは特殊効果によって恋人を作りやすいため、主に仲間に対して行われます。恋人になることでロマンスに対する防御力が上がるため、ロマンス担当の亜侠は基本的に最初の日はチームメンバー全員に告白して回ることもよくあります。

最後に

 サタスペには”本能の叫び”というシステムがあり、PLが冗談で言ったことをPCの亜侠に性業値判定で激が出たらDDが強制的に実行させることができます。これは面白さ重視で行われるもので主にロマンス判定で使われることが多いです。ただ、多用してしまうとPLたちが警戒して会話しずらくなってしまい、冗談の一つも言えない重苦しい雰囲気の中でプレイすることとなり、つまらなかったと感じる要因ともなりますので、本能の叫びは1キャンペーン1回位に抑えた方が良いでしょう。

あとがき

 やはり3回に分けて解説することになりました。
 サタスペは私がTRPGにはまるきっかけとなったシステムであるため、思い入れが強くあれもこれも解説したいと感じたせいです。
 今回解説したのはサタスペのメイン要素なので非常に長くなってしまいましたが、これでも結構削っていたりします。

次回はサタスペのキャラメイクとアフタープレイについて解説したいと思います。

画像参照元:https://bouken.jp/product/satasupe/

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6面

ゲームをよくプレイしています。コンピューターとアナログを問わずにプレイしており、コンピューターゲームでは主にアクション・RPG・シミュレーションを好んでいます。アナログゲームではTRPGをよくプレイしており、そちらについて投稿していきたいです。

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