TRPGシステム解説 アリアンロッド編

 TRPGのシステムを解説していきます。
 今回は初心者にも分かりやすく調整された王道ファンタジー”アリアンロッド”について解説します。
 解説は最新版である”アリアンロッド2E改訂版”を基準としています。

アリアンロッドとは?

 神々が創造した世界”エリンディル”で冒険者となり、財宝を求めて遺跡を探索したり、依頼を受けて魔獣を討伐したりなど王道ファンタジーに相応しい冒険をすることができるシステムです。

 できるだけ初心者が遊びやすいよう単純に作られており、データ面がかなり分かりやすく、判定の処理なども簡単に作られていることから、個人的にはTRPG入門としてお勧めするシステムになります。

世界観

 この世界の神話では時代が”光の時代”・”風の時代”・”水の時代”・”地の時代”・”火の時代”の5つに別れており、現在は”火の時代”であるとされています。
 それぞれの時代には節目となる出来事があり、以下に解説します。

  • 光の時代

 世界から神々が生まれ、神々によって精霊が生まれ、精霊によって動物が生まれたとされる時代であり、最も繁栄を極めたとされています。

  • 風の時代

 生み出された動物たちはあくまで神々の命に従うだけであったことから、精霊によって自分で目的を持って動くことができる民”エルダ”が生み出されます。ですが、”エルダ”たちは次第に過剰な欲望を覚え始め、自分たちに従う邪神を生み出して世界を歪めて行ったことで神々との戦争が勃発します。
 戦争は権能を解放した神々の勝利に終わり”エルダ”は滅ぼされますが、戦いによって世界は傷つき、穢れてしまったため、神々に命じられた風の精霊が浄化を行います。これがのちの世で”風の粛清”と呼ばれるようになります。

  • 水の時代

 ”風の粛清”を生き延びた邪神たちを滅ぼすために神々は”ヴァーナ”と”ドゥアン”の2つの民を生み出します。ところが、この2つの民にも邪神の誘惑に乗ってしまい、闇へと落ちるものが多く出たため、今度は水の精霊による浄化が行われます。これがのちの世で”水の粛清”と呼ばれるようになります。

  • 地の時代

 浄化された世界を管理するものとして神々は新たに”フィルボル”と”ネヴァーフ”の2つの民を生み出します。”ヴァーナ”と”ドゥアン”の生き残りと4つの民で協力して徐々に繁栄を取り戻していきますが、”エルダ”唯一の生き残りである”バラール”による侵攻が始まったことで世界に災厄がばらまかれます。4つの民は結束して戦い、神々に祈りを捧げ、その祈りを聞いた大地の精霊が地殻を裂き、その穴に”バラール”や配下の妖魔たちを投げ込んだことで戦いは終結します。これがのちの世で”地の粛清”と呼ばれるようになります。

  • 火の時代

 ”バラール”や妖魔たちが居なくなったことで世界は平穏を取り戻します。そこへ神々から妖魔たちの復活に備えて遣わされたという”エルダナーン”と”ヒューリン”の2つの民が合流したことで”火の時代”が始まりました。実は”火の時代”にはまだ節目となるような出来事が起こっていないため正式な名前が付いていませんが、”エルダナーン”が遣わされた時に受けた予言に「すべての民が結束しても抗えない妖魔たちが現れたときに火による粛清が行われる(※要約)」とあることから仮称として”火の時代”と呼ばれています。

 そしてPCたちの冒険が始まるのは”火の時代”の”エリンディル大陸”西方のパリス同盟に所属する”グランフェルデン王国”。ここは最近になって妖魔による侵攻を受けるようになったことで戦力の増強のため冒険者を積極的に受け入れており、PCもその波に乗って”グランフェルデン王国”を訪れることになります。

システムの特徴

 ”アリアンロッド”の特徴を解説していきます。
 一部の解説は次回に回しています。

  • GMとPCの呼称

 ”アリアンロッド”では特別な呼称はありません。

 PCは基本的に冒険者ですが、当然ながらNPCにも冒険者はいるためPCのみをさして冒険者とは呼びません。

  • 判定方法

 ”アリアンロッド”では基本的に2D6の出目を参照して判定を行います。

 2D6の出目に能力値などの修正値が足されて達成値になり、判定の難易度以上であれば成功します。
 習得しているスキルによってはダイスの数を直接増やすことも可能です。

  • クリティカルとファンブル

 判定が”自動成功”や”自動失敗”となります。

 ”クリティカル”は「振ったダイスが2つ以上6」・”ファンブル”は「振ったダイスがすべて1」の時に発生するので、何らかの効果でダイスを増やした場合は”クリティカル”は出やすく”ファンブル”は出にくくなります。逆に判定のダイスが「1D6」になった場合は”クリティカル”は発生しませんが”ファンブル”は発生するため、できるだけ避けた方が良いです。
 ”クリティカル”や”ファンブル”は他のシステムのように大成功や大失敗ではなく、”自動成功”や”自動失敗”といった扱いとなります。つまり、判定で”クリティカル”した場合はどれほど難しい判定であっても自動的に成功となり、逆に”ファンブル”した場合はどれほど簡単な判定であっても自動的に失敗となるだけで何らかの効果があるわけではありません。

  • セッションの進行

 ”アリアンロッド”ではシーン制が採用されています。

 ”アリアンロッド”のセッションは”オープニング”・”ミドル”・”クライマックス”・”エンディング”の4つの”フェイズ”に分かれており、それぞれシナリオごとの条件を満たすことで次のフェイズに進行します。すべてのシーンでGMが登場するPCとNPCを決定しますが、登場を希望する場合はGMにその旨の許可をもらうことで登場できます。登場を却下された場合はそのシーンには参加できません。
  それぞれのフェイズでは以下の状況が発生します。

1.オープニングフェイズ:シナリオの導入部分を描写するフェイズです。PCたちの目的や関わることになる事件について演出が行われます。

2.ミドルフェイズ:シナリオを進行させるフェイズです。後述する”リサーチシーン”と”ダンジョンシーン”の2つに別れており後ほど解説します。

3.クライマックスフェイズ:事件の黒幕と言えるボスと戦闘するフェイズです。必ずしも戦闘である必要はありませんが、シナリオの盛り上がりなどの観点からほとんどの場合はボスとのラストバトルで終わります。

4.エンディングフェイズ:事件解決後の後日談を描写するフェイズです。依頼主から感謝されたり、戦利品を山分けしたりなどシナリオによって様々に変化します。

  • リサーチシーンとダンジョンシーン

 ”ミドルフェイズ”で発生するシーンです。

 以下にそれぞれ解説します。

1.リサーチシーン:ダンジョンに行く前の準備や調査を行います。買い物などが終わっていて、場所もわかりきっており、依頼内容の裏取りも必要ないような準備や調査がいらない状況では特に行う必要はありません。

2.ダンジョンシーン:実際にダンジョンの探索を行います。探索するダンジョンは調査する場所を表しており、森・洞窟・遺跡などの定番のものから「不正の疑いがあるため調査する貴族の屋敷」などもダンジョンとして扱われます。

  • フェイト

 使用することでダイスの増加と判定の振り直しを行うことができます。

 ダイスの増加は一度に複数点使用することでその数分あらゆる判定のダイスを増やすことができ、判定の振り直しは増減したダイスも反映した状態で振りなおします。
 設定としては”運命の精霊王アリアンロッド”の加護であり、この世界の主人公であるPCたちだけが持っている運命を切り開く力です。

  • ギルド

 冒険者グループのことです。

 ”アリアンロッド”の世界では冒険者たちのグループを”ギルド”と呼んでおり、PCたちも結成することになります。
 ”ギルド”を結成することで”ギルドサポート”という強力な特殊能力が使用可能になります。”ギルドサポート”はHPを全快するものや判定を強化するもの、ステータスを強化するものなどどれも強力であり、使用回数などの制限はありますが使い方次第ではどれほど不利な状況でもひっくり返せる切り札となります。

戦闘について

 ”アリアンロッド”では状況次第で戦闘のルールが変わりますが、今回は基本となるPCたち自身で戦闘を行う”個人戦闘”について解説します。

  • プロセス

 ラウンド内でのタイミングの区切りです。

 ”アリアンロッド”ではラウンド制を採用しており、”プロセス”はラウンド内でのタイミングの区切りとなります。
 ラウンドは”セットアップ”・”イニシアチブ”・”メイン”・”クリンナップ”の4つの”プロセス”に分かれており、今の”プロセス”が終了すると次のプロセスに移行します。
 ラウンドが開始すると”セットアッププロセス”が始まり、戦闘に参加している全員がこのタイミングで使用するスキルを使用します。
 次の”イニシアチブプロセス”では行動するキャラクターの決定を行い、そのキャラクターが使用するスキルがあれば使用します。行動順は基本的にステータスから算出される”行動値”が高い順に行い、PCとNPCで同値のキャラがいる場合はPC優先で動き、PC同士で同じ場合は相談して決めます。
 次の”メインプロセス”では行動権を得たキャラクターが後述する”アクション”を行います。この”アクション”のタイミングで移動や攻撃などの戦闘でメインとなる行動を取ります。
 戦闘に参加するすべてのキャラクターの”メインプロセス”が終了すると”クリンナッププロセス”となり、バッドステータスやスキル、ギミックなどの処理を行い、戦闘に参加している全員がこのタイミングで使用するスキルを使用します。
 これらを戦闘が終了するまで繰り返します。

  • アクション

 ”メインプロセス”で行う行動のことです。

 ”アクション”には”ムーブ”・”マイナー”・”メジャー”・”リアクション”・”フリー”の5つがあり、それぞれ以下に解説します。

1.ムーブアクション:移動や使用できるスキルの使用、装備品の装備、一部アイテムの使用などが行えます。

2.マイナーアクション:使用できるスキルや一部アイテムの使用、装備品の装備、などが行えます。

3.メジャーアクション:攻撃や使用できるスキルの使用、一部アイテムの使用、判定が必要な行動、装備品の交換などが行えます。

4.リアクション:他のキャラクターからメジャーアクションの対象にされたときに行うことができ、相手と達成値の比べあいをして回避や防御などを行います。

5.フリーアクション:メインプロセス中に1度だけ行うことができ、戦闘不能のキャラクターにとどめを刺したり、使用タイミングが”パッシブ”のスキルのON・OFF、使用できるスキルや一部アイテムの使用などが行えます。

  • 移動

 戦闘中に移動することができます。

 移動には”戦闘移動”・”全力移動”・”離脱”の3種類が存在し、キャラクター同士が至近距離にいる場合に”エンゲージ”というエリアが発生します。敵対しているキャラクターと”エンゲージ”している場合は”戦闘移動”と”全力移動”は行えません。
 ”戦闘移動”は能力値の「”移動力”メートル」、”全力移動”は「”移動力”+5メートル」移動でき、”離脱”は敵対するキャラクターとの”エンゲージ”から「”移動力”メートル」移動することができますが”マイナーアクション”が行えなくなります。

  • 攻撃

 対象にダメージなどの影響を与える行動です。

 攻撃には武器を使用した物理的な攻撃である”武器攻撃”・スキルなどを利用した魔法による攻撃である”魔法攻撃”・ブレスなどの武器でも魔法でもない攻撃である”特殊攻撃”の3種類が存在し、すべての攻撃で攻撃側が命中判定を行い、防御側の回避判定により命中か回避を決定し、命中したらダメージ量を算出して防御側の対応する防御力を引いた値分が実際のダメージとなります。
 さらに攻撃には射程が存在し、メートル単位で決められているため、対象が行う攻撃の射程内にいない場合は攻撃できません。

  • 戦闘不能と死亡

 戦闘中に発生する可能性があります。

 戦闘中に「HPが0」になると”戦闘不能”となり、”戦闘不能”のキャラクターに”フリーアクション”で”とどめの一撃”を宣言して”メジャーアクション”の攻撃によってダメージを与えると対象は”死亡”します。当然PCも同じ条件なので”死亡”する可能性がありますが、蘇生する手段が存在せず、キャラロストが確定するため、GMは基本的にNPCに”とどめの一撃”を宣言させるのは控えた方が良いと思います。

最後に

 ”アリアンロッド”は以前紹介した”ソード・ワールド”に比べてルールやデータが簡単なため、個人的に初めてTRPGをする人にオススメです。
 サプリメントにはデータ面をまとめて分かりやすくしたものやより詳しく解説したものが発売されており、それらを導入することでさらに遊びやすくなります。

あとがき

 今回は”アリアンロッド”の解説をさせていただきました。

 いつものようにキャラメイクは分割しており、そちらは次回解説します。”アリアンロッド”は種族があまり多くありませんが、一つだけ特殊な種族が存在しているため、気になる方は是非次回も読んでみてください。

次回は”アリアンロッド”の解説の続きを行いたいと思います。

画像参照元:https://fear.co.jp/ari/

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6面

ゲームをよくプレイしています。コンピューターとアナログを問わずにプレイしており、コンピューターゲームでは主にアクション・RPG・シミュレーションを好んでいます。アナログゲームではTRPGをよくプレイしており、そちらについて投稿していきたいです。

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