Cross Over Is Like #09
2022年9月 好きなクロスオーバー作品をご紹介 愛及屋烏
NAMCO x CAPCOM
PROJECT X ZONE
PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD
Continuation from last page. 09-4 https://no-value.jp/novel/29927/
メーカー越境クロスオーバーユニット
飛竜(声:鳥海浩輔)&秀真(声:岸尾だいすけ)
「ストライダーズの使命を果たす」 「朧一族の宿命、ひと時たりとも忘れはせん」
『ストライダー飛竜』シリーズと『Shinobi』からの参戦。
秘密裏に活動する忍者のコンビ。 前々作のキング&フェリシア以来、久々のメーカー越境コンビその1。
テーマ曲は「防衛圏(1 Stage Demo)~踏み込め!(1 Stage BGM)」「忍」
交流のある葉隠一族の影丸への情報提供のために渋谷を訪れた秀真が、冥王グランドマスターの残党を追ってゆらぎに巻き込まれた飛竜と邂逅し、そのまま秀真もゆらぎに巻き込まれて転移してしまったため、一行に加わることに。
秀真は実質原作前からの参戦。また技の演出などには『Shinobi』だけではなく前身となる『ザ・スーパー忍』シリーズ全般から要素が盛り込まれている。
似た者同士ではあるが、徹底した仕事人である飛竜と比べると秀真の方は真面目というか優しい。掛け合いにも割とのってくる。
飛竜はやや冷徹な部分が目立つが、『ナムカプ』以来の再会の為かワルキューレにだけは優しい。また飛竜役の鳥海氏は本作では後述のユーリ(TOV)と二役の為、エステル(TOVtov)との掛け合いでは声優ネタと思われる発言が見られる。
春麗(声:折笠富美子)&リン・シャオユゥ(声:坂本真綾)
「チャイニーズ美少女コンビの実力、見せてあげるね!」 「否定する要素が全く無いわね!」
『ストリートファイター』シリーズと『鉄拳』シリーズから参戦の越境クロスオーバーコンビその2にしてチャイニーズ美少女コンビ。 否定する要素は全くない。
シャドルーに雇われたジュリを追ってベガと遭遇した春麗。そしてそこに一八を殺そうとしている仁を探していたシャオユウが来てしまい、
シャオユウもシャドルーに命を狙われるようになったことと、一行に仁がいたことから同行することになる。
テーマ曲は「Volcanic Rim Stage-Street Fighter Ⅳ-」「Burning(TEKKEN6 BR Opening)」
掛け合いでは春麗がシャオユウに黒歴史をほじくり返されたり、歳をネタにされたりする。というか春麗に蹴りを入れられかねないやや喧嘩売ってる発言も。 ソロユニットのパイ・チェン(声:高山みなみ)※を加えると更に面白い。
※『バーチャファイター』シリーズから参戦。テーマ曲は「愛がたりないぜ」
撮影でマンハッタンを訪れたところ、ゆらぎに巻き込まれて太正時代の紐育に転移してしまい、そのまま同行することに。「功夫は足りてる?」と皆に聞いて周ったり、戦いを映画に使おうと撮影していたりする。
バーチャ組で組むとTVアニメ版の晶の決め台詞を皆で叫んだり、
春麗&シャオユウと格ゲー中国娘トリオで組むと、それぞれのゲームの中国野郎共のモノマネを始めるカオスなお姉さん。
KOS-MOS(声:鈴木麻里子)&フィオルン(声:中尾衣里)
「お兄ちゃんなら短パン一丁で楽勝なのに」 「穏やかではありませんね」
『ゼノサーガ』シリーズと『ゼノブレイド』から参戦。越境クロスオーバーコンビその3。KOS-MOSはVer,4、フィオルンはメカルン状態。
またもや、どこかの異空間に迷い込んだKOS-MOSと機神界から転移されてきたフィオルンは、元の世界に戻るために一行に加わることになる。
テーマ曲は「she’s coming back」「名を冠する者たち」
機械の体、別の魂を宿している等共通点が多いためか、フィオルンは初めて会った気がしないと言っている。
掛け合いにはそれぞれの別の魂、マリアとメイナスもたまに参加してくる。
物語の区切りに産まれた傑作
『NAMCO×CAPCOM』から『無限のフロンティア』シリーズ、そして前作『PROJECT X ZONE』まで繰り広げられてきた彼らの冒険。
そこにひとまずの区切りが……?
前作の舞台は実際の世界を複製した偽物の世界であり、そこからの脱出劇が描かれたが、今回は『NAMCO×CAPCOM』の様に多くの時空を旅する事となる。
その為、今回は各原作における仲間達がNPCキャラクターとして協力してくれる他、直接登場はしなくとも、未参戦のキャラクター達が密かに協力してくれていたり、裏で行動している事が明言されていたりする。
『無限のフロンティアEXCEED』で示唆された、敵組織・逢魔の「計画」の全貌も遂に明かされる。
そしてシナリオやゲームバランス、ゲームのテンポと言った前作、前々作で指摘された不満点は可能な限り改善されており、シリーズでは最も快適にゲーム展開を楽しめる。
特筆されるのはシリーズ3作目において初のアクティブポイント制廃止。 やや癖のあるシステムだった前々作、そして前作の反省から味方と敵のターンが交互に進行するターン制が採用された。
また、戦闘時のアニメーション演出も大幅なパワーアップを果たした。
前作では極一部を除き1枚絵を少し動かしたり、エフェクトを付けたり、表情を変えたりといった程度だったのが、
今回はペア・サポート問わず、ぐりぐりアニメーションする。
そして今回もネタは連発される。各原作ゲームは勿論の事、コミカライズやアニメ版といったメディアミックス作品からの要素も多く盛り込まれており、
ありとあらゆる所からぶち込まれたネタの嵐はまさにカオス。
勿論、駄狐こと主人公の片割れのシャオムウは一切の自重せずに無関係の他作品ネタをぶっこんでくるし、挙句の果てにはわざわざ声付きで版権キャラを巻き込んでのただの声優ネタお遊びイベントをやらかすなど全力でやりたい放題。
更にまさかのせがた三四郎参戦によってセガサターンネタ、メタネタも随所に挟まれてくる。特に『バーニングレンジャー』は何故参戦していないのかが疑問なレベル。といった具合で正にあらゆる面において10年間の集大成と言える作品となっている。
二周目からは強力な装備が手に入るチャレンジモード、難易度と獲得経験値が上がるアドバンスモードなどの他、終盤のあるイベントが完全版となる。
まさか今になってマイクに息を吹き掛けて遊ぶシミュレーションRPGが出るとは想像できなかった諸兄も多かろう。
また近年のバンナムクロスオーバーゲーではお馴染みとなった、各作品の原曲を収録した限定版『オリジナルゲームサウンドエディション』も発売された。
「愛がたりないぜ」「恋しさとせつなさと心強さと」などのボーカル曲も収録され、「セガサターン、シロ!」と「檄!帝国華撃団」は語りパートも聞ける。
若者よ…真剣に取り組んでいるものがあるか!?
『ロストヒーローズ2』等とは異なり通常版に収録されているアレンジBGMにも曲毎に切り替え可能となっている。
限定版にはおまけとしてかつてナムコアンソロジーに収録された『ワルキューレの冒険 時の鍵伝説』に新規プレイヤーキャラとして小牟を追加し、
3DSへ移植した『ワルキューレの冒険 時の鍵伝説 with シャオムゥ』のダウンロードコードも封入されている。
ディレクターの森住惣一郎氏は本作を最後にモノリスソフトを退職しており、その際にナムカプ・ムゲフロ・およびPXZにかけての一連のストーリーの流れが、本作をもって完結したと言及している。
後述
森住系のクロスオーバーゲームがPXZ2で終了してしまった為、日本の大規模なクロスオーバー作品となると、任天堂の『スマブラ』か、カプコンの「VS」格闘シリーズぐらいになってしまった。それでも海外に比べればクロス・コラボ系の素地自体が広めだが、個人的にはともっと増えてほしい。
今回紹介した作品の場合、再プレイする気力が沸くのはPXZ2ぐらいなのが正直な所。ナムカプを今からクリアまでやれ、というのは拷問に近い。プレイ動画で済ませたくなるのも仕方ないレベルで長い。SLGで戦闘が冗長化するのは、欠点として大きいのだな、と今になって痛感する。
END.