THRILL SHOCK SUSPENSE #03
2022年12月 変わらない評価を受ける名作推理ADVを紹介 愛及屋烏
MISSING PARTS the TANTEI STORIES
前述
推理ADVという一大ジャンル。
日本では1983年の『ポートピア連続殺人事件』から幾星霜。
名作と呼ばれるゲームはFCやPS1のソフトであろうとも未だに上位を譲らない。
そんな中でも実際にプレイしてみて、おススメしたい作品を紹介したい。
自叙
当時はAB分割のPS2版を揃って購入して堪能したが、後にPSP版(DL)を改めて購入するぐらいには嵌った。
推理、というより探偵ゲームの金字塔だと断言できる作品。キャラクター描写もライトでとっつきやすい。ただ難易度は高い。
概要
MISSING PARTS the TANTEI STORIES』は、ドリームキャスト (DC)、PlayStation 2 (PS2)、PlayStation Portable (PSP) 用ゲームソフトである。 発売はDC版・PS2版がフォグ、PSP版が日本一ソフトウェア。 ミステリーを題材にしたアドベンチャーゲーム。
新米探偵が周囲の個性的な人間たちと交流しつつ、難事件を解決していくという内容。
全6話によって構成されたシリーズ作品であり、ゲームはこの6話が連載形式で順番に発表されていった。
DC版は『パート1(1、2話収録)』『パート2(3、4話収録)』『パート3(5、6話収録)』の3本が発売され、PS2版では『sideA(1、2、3話収録)』『sideB(4、5、6話収録)』の2本が発売されている。
PSP版になって初めて1枚のディスクに収録されることになった。 なお、キャラクターボイスは3機種ともに一切入っていない。
ゲームシステム
各話ごとに別の事件の謎解きを行う。
ただし、それぞれの話ごとに細かいつながりがあり、全話をプレイすることで隠された全体像が明らかになるという仕組みになっている。
システムとしてはオーソドックスなコマンド選択方式を採用しているが、移動による時間経過の概念やサウンドノベル式の選択分岐などを挿入することで、所謂「コマンド総当り」だけでは解けないようになっている。
セーブ機能はどこでも出来るようになっており、「まずい選択肢→やり直し」ができるので、安心である。ゲームオーバーになってもすぐに戻れる。
BGMはジャズテイストの音楽でアダルティな雰囲気にぴったり。
時間制限のあるコマンド選択方式を採用している為、どこに行くか誰に聞くかなどよく考えて行動しなくてはならない。
ただし、どの程度時間経過するのかはそのコマンドを実行してみないとわからない。
他のコマンド総当りのゲームとは違い、オリジナリティがある。
ただし、捜査を制限時間内に効率よく完了する手順を確立するために普通のコマンド総当たりのゲーム以上の手数が必要となる。
このため、このシステムのおかげでかなり難易度が高い。
1、2話はまだしも3話から一気に難易度が跳ね上がる。
各話の最後に、どれだけ効率よく真相を推理できたかを評価する「探偵度評価」が行われる。
情報や証言を時間までに集めないとゲームオーバー、またクリアしても取りこぼしがあると、Aランクを取れないなど厳しい部分がある。
探偵度評価が低い場合、各話のエピローグの一部が省略され、事件の隠された真相が解明されないこともある。
また各話は、それ以前までの話の探偵度評価を全てAランクでクリアしたという仮定で物語が作られている。そのため、低い探偵度でそれまでの話を終えていた場合、以降の物語の内容に矛盾が出ることがある。
犯人達はどれも予想外の人物であり、プレイヤーを驚嘆させてくれる。 特に真犯人が誰にでも分かるような証拠を見つけた時、「ぞくっ」とする感覚を覚えることも。
予想外と言っても伏線は巧みで矛盾などは無い。つまり、基本的に論理的な思考さえ積み重ねていけば、犯人は判別可能なシナリオになっている。
あらすじ
鳴海探偵事務所は名探偵と呼ばれた『鳴海誠司』を所長として、有能な探偵達を幾人も有していた探偵界の重鎮である。しかしそんな名声も今は昔。
所長が謎の失踪を遂げてからというもの、事務所の名は地に落ち、所員達も一人、また一人と減っていき、今や鳴海誠司の娘である『鳴海京香』が一人で業務をとりまわしているという惨状となっていた。
両親が不審な事故死をし、そのごたごたで紛失した母の形見であるペンダントの捜索を依頼に事務所に訪れた青年『真神恭介』。
彼は事務所の惨状を目にし、京香を助ける為に自らが事務所の所員となることを決意した。いずれ自身の両親の死の謎を追う、その覚悟と共に。
そして、新人探偵・真神恭介の冒険が始まることになる。
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