THRILL SHOCK SUSPENSE #04
2023年1月 変わらない評価を受ける名作推理ADVを紹介 愛及屋烏
Return of the Obra Dinn
オブラ・ディン号の帰港
前述
推理ADVという一大ジャンル。
日本では1983年の『ポートピア連続殺人事件』から幾星霜。
名作と呼ばれるゲームはFCやPS1のソフトであろうとも未だに上位を譲らない。
そんな中でも実際にプレイしてみて、おススメしたい作品を紹介したい。
自叙
世界情勢や文化背景を踏まえていると乗員の身元判別に役立つという探偵に教養が求められるケースが実体験出来るのが素晴らしい。他のゲームの場合、劇中で正解の説明が入るが、このゲームでは正解か否かの判定のみである。
考え方次第で犯人や死因に複数の正解があるという幅も面白い。究極的に船上の事件は船長に責任があるとし、全ての犯人を船長にしても良いのだ。
概要
『Return of the Obra Dinn』は入国審査官ゲーム『Papers,Please』にて複数の賞を受賞した、日本在住のアメリカ人ゲームクリエイター・Lucas Pope氏による2作目の商業作品。
発売当初から独特の雰囲気と緻密なゲームデザインにより、Steamで高い評価を得たインディーズゲームソフト。
19世紀初頭の時代を舞台とした物語で、東インド会社の保険調査官である主人公(性別はランダム)が、数年前に南アフリカの喜望峰へ向けての航海中、消息を絶った後、無人となって帰港した商船「オブラ・ディン号」を調査し、乗客たちの辿った運命を推理していく。
正確な保険金の資料作成のためには船に乗っていた乗員・乗客60名全員の身元と安否を特定しなければならないが、現在船内に残ってるのは謎の争いの様な痕跡と極小数の身元不明の白骨や遺体の痕跡のみで、これではとても特定は不可能。
かつてオブラ・ディン号に乗船していた船医「ヘンリー・エバンス」から手記と共に郵送されて来た、髑髏の意匠の懐中時計「メメント・モーテム」。
主人公はこれを使い、死者の残留思念を辿り、静止した各人物の死の直前の瞬間を観察・確認する事が出来た。これを基にかつて船上で起きた凄惨な出来事についての解明を行っていく。
ゲームは一人称視点で進行し、グラフィックは全編に1ビットの白黒で表現されている。
あらすじ
情報、求む
1803年、航海中に消息を絶つ
竣工年・場所:1796年、ロンドン ~ 800トン、喫水18ft
船長:R. ウィッテレル ~ 船員数:51名
最終航海の目的地:東方 ~ 喜望峰に予定どおり到着せず
同船に関する証言および質問は
イギリス東インド会社まで
イングランドのファルマスから、南アフリカの喜望峰へ向けて航海中の1803年に消息を絶ったオブラ・ディン号だったが、1807年に突然現れファルマス港に帰着する。
しかし、そこにいるはずの乗員51人と乗客9人は一人もいなかった。
この事態を受け、船を管理するイギリス東インド会社は、保険調査官の主人公をファルマスへと派遣する。
主人公に託された収納ケースの中には『オブラ・ディン号の帰港』と題した未完成の手記本と髑髏の懐中時計「メメント・モーテム」があった。
本の序文には、全ての乗員乗客の身元および彼らの身に起きたことを正確に記述して、手記を完成させモロッコのフランス人駐在所に郵送してほしい、とのメッセージが著者のヘンリー・エバンズにより記されていた。
主人公は本と懐中時計を手にして乗船し調査を開始する。
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