FAN MADE GAME #01
2023年4月 ファンの熱意は時に公式を超えるのか? 愛及屋烏
東方project × スーパーロボット大戦
幻想少女大戦
前述
混ぜるな危険か、理想のマリアージュか。
クロスオーバーとは、また別の趣がある、コラボ作品達。
共演ではなく、相手の土俵で自分の流儀で戦う姿にファンは何を見るのか。
それを熱意あるファンが作る、という事もある。
自叙
今回は、コラボとはまた違ったパロディファンゲームを紹介したい。
存外、制作陣よりもユーザーの方がゲームの良い所を知っているもので、 そんなユーザー側が作ったファンメイドの実力は如何になゲーム。
かつてスパロボIMPACTの一話にて、水中のゴッグ(機動戦士ガンダム)が鬼の様に手強い、とプレイヤー達にトラウマが刷り込まれたが――水中の河童がクソ強い、とか色々愉快が過ぎる。
概要
『幻想少女大戦』とは、サークル『さんぼん堂』による、東方Projectの二次創作ゲームである。
弾幕STGである、東方Projectに登場するキャラクター達が戦うシミュレーションRPGであり、ストーリー展開によって順次指定されるマップ上で、自軍の指定するユニットを出撃させ、それを動かす事で敵を全滅させる事が目的の『スーパーロボット大戦シリーズ』のシステムを元に新たなシステムを加えた、いわゆる「スパロボ風東方」である。
キャラ毎のBGM・戦闘アニメーションは勿論、精神コマンド、資金を使ったキャラクター強化(強化項目やフル改造ボーナスもそのまま)、各種装備品やスキル育成など、本当にそのままスパロボの感覚でプレイができる。
『幻想少女大戦紅』(2010年夏コミ) 『幻想少女大戦妖』(2011年第8回博麗神社例大祭) 『幻想少女大戦永』(2014年夏コミ) 『幻想少女大戦夢』(2015年第12回博麗神社例大祭)
の全4作品が公開されており、「夢」で完結となった。「紅」「妖」「永」「夢」の4作品は『さんぼん堂』の特設サイトにおいて、WEB体験版が公開され、「紅」は第3話、「妖」は第4話、「永」は第2話、「夢」は第3話までプレイすることが可能だった。
現在では4作共にメロンブックス、DLsiteにてダウンロード販売が行われている。
また、2019年夏にはシリーズ4作品のゲームシステムやグラフィックを全て最新の物に統一・リメイクした上で1本にまとめた『幻想少女大戦コンプリートボックス』が発表された。
そして、2022年春にタイトルをコンプリートボックスから改め『幻想少女大戦-DREAM OF THE STRAY DREAMER-』としてNintendo Switchに移植。
パロディ元であるスパロボと同じ家庭用機で遊べるようになった。 発売はPhoenixx。バンダイナムコが許可した事にびっくりである。
さんぼん堂
サークル代表はさんぼん氏。
スパロボ風東方二次創作ゲーム(幻想少女大戦)を制作するにあたりメンバーを募集しているが、『さんぼん氏の個人サークルの活動に対し、スタッフの皆が協力している』という形態となっているため実質的にはさんぼん氏一人のサークルである。
さんぼん(シナリオ・テキスト、総括、プログラム) がひろ(ユニット・顔グラフィックのドット、カットイン原画・仕上げ) 斑(マップ・アイコン・精神などのドット) umi(エフェクト、カットイン着色、紹介動画・紹介記事作成) kenny(背景) Ibiza(音楽) cobu(音楽) 画伯(シナリオ・テキスト、図鑑・用語集) QUB(タイトルロゴ)
始まりは、ニコニコ動画に投稿されたスパロボ風に東方キャラの能力考えてみたⅢ(1/5)に感銘を受けた作者、さんぼん氏(サークル代表、総括・プログラム、シナリオ・テキスト担当)がその動画を元に実際に戦わせてみた(スパロボ風に再現してみた)動画である。
始めは一人での製作で、ドット絵や背景、BGM等は借り物であった。
そこから製作、動画投稿を行いながら製作メンバーを募集し、当初未決定だったタイトルを『幻想少女大戦』に決定、サークル「さんぼん堂」として発足した。
さんぼん氏の好きなキャラとして、幽香、早苗、幽々子が挙げられる。
早苗は大好きで、幽々子は崇拝。
ゆか×ゆゆ好き。加えて幽×アリも好き、プレイしてみれば、その辺りはすぐ分かるが。
さんぼん氏以外のメンバーも、全キャラについて専用BGMを作ったり、想像も及ばないような作業量を感じさせる戦闘ムービー等々、スパロボと東方に対する愛を余すことなく感じさせる。
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