THRILL SHOCK SUSPENSE #09
2023年12月 変わらない評価を受ける名作推理ADVを紹介 愛及屋烏
御神楽少女探偵団(1998)
続・御神楽少女探偵団 ~完結編~(1999)
新・御神楽少女探偵団(2003)
Continuation from last page. 09-2 https://no-value.jp/column/49280/
収録シナリオ
五銭銅貨
プロローグであり、練習シナリオ。 本編の2年前、巴が御神楽探偵事務所に入る切っ掛けとなった事件。
カフェ「山茶花」で女給をしている巴は、店内の座席に遺書が置かれている事に気付く。巴は居合わせた常連客の刑事・栗山と共に遺書を残した客を探す事に。
すると茶封筒を置いていったのは、常連の広川千景という老人の可能性が高い事が判明する。広川は、日本を代表する日本画家だった。 巴は栗山と共に、広川のアトリエへ向かう。
アトリエで二人は広川の内弟子を名乗る少女・千鶴と出会う。二人は千鶴から、茶封筒は広川が置いていったものではないことを知らされる。
そして、その茶封筒は自分達と入れ替わりに店を出た、千鶴たちの知り合いのものではないか、との情報を得る。二人は千鶴に連れられ、その知り合いが事務所を構えるというビルに脚を運ぶ。
千鶴の言う知り合いとは「帝都一の名探偵」、御神楽時人のことだった。
千鶴は、時間のあるときに探偵事務所の経理として働いていることを告げる。
時人と面会した二人は、茶封筒が時人のものでもないことを知る。
時人を加えた一行は、広川のアトリエへと戻る。
広川から、喫茶店内で知り合いの画家に『一円札を全部五銭銅貨に換えて欲しい』という、頼みを受けた、という情報を得る。
当時の時代背景として、硬貨投入によるガス料金の先払いのシステムがポイントとなる事件。 大逆転裁判2か、このゲームくらいしか推理ADVで使われない話題だが。
幽鬼郎
ある日、探偵事務所に華族のお嬢様、久御山滋乃が事務所で働かせて欲しい、とやって来た。
彼女は時人の名声を聴きつけ、彼に憧れて事務所のドアを叩いたらしい。
巴は彼女の採用に難色を示すが、時人はあっさりOKする。
滋乃は早速、知り合いの華族が失踪した娘を探している、という話を事務所の面々に伝える。
問題の家族「逸島家」に脚を運んだ巴、滋乃、千鶴の三人は当主の逸島康次郎と次女雪子に面会する。
二人によると、長女の静江が三ヶ月前に姿を消してしまったらしい。
そして、一月ほど前に浅草見世物小屋のチケットを封入した、差出人不明の封筒が送られてきたそうだ。
三人と雪子は、見世物小屋に向かうことにする。
そして彼女達は、見世物小屋で「人魚のミイラ」としてディスプレイされている静江の遺体を発見するのだった。
逸島家で聞き込み調査を始める三人。
康次郎と雪子、住み込みで働いている大淵嘉平と藤村ソノ、客人で雪子の叔母である田島タエ子とその息子良造。
今逸島家にいるのは、以上の面々だ。
聞き込みの中で、この家には『幽鬼郎』という男の幽霊を描いた掛け軸が祀られており、先代の当主は「幽鬼郎を祀らないと祟りに逢う」と吹き込んできた若く美しい女祈祷師に入れ込んだ挙句、発狂して死んだ事を知るのだった。
太白星
ある日、事務所に滋乃が大慌てで駆け込んでくる。
何でもオペラ館「日本館」で著名なオペラスター、沢アヤコが殺されたらしい。
新聞によると松崎金太郎という男子学生が犯人として逮捕され、犯行を自供したとのこと。
事件は解決済みだと考える一同だったが、その前に探偵事務所の入っているビルのオーナー、守山美和が現れる。
松崎は美和の知り合いで、殺人が出来るような子ではないので事件を調査して欲しいと頼む美和。
未亡人の美和に好意を抱く時人は、依頼を快諾した。
それが気に食わない滋乃は巴と千鶴を伴い、事件の先行調査に出発する。
警察署で諸星と栗山から事件の詳細を聞く一行。
松崎はペラゴロ(オペラスターの熱心なファン達を示す俗称)のリーダー格であり、沢アヤコと人気を二分するオペラスター、河村須美子を熱狂的に応援していたらしい。
河村を応援するあまり、ライバルの沢を殺したと警察は見ているようだ。
そして松崎は犯行を認めてはいるものの、殺害の詳細については一切供述をしないでいることも聞く。 しかも、落ち目なのは沢の方であり、動機も不自然。
そして、警察や三人の前にメフィストを名乗る怪人が現れ、捜査をかく乱する。
そしてメンバーは、沢が殺される前「太白星」の言葉を残していたことを知る。
夢男
事務所の少年助手、蘭丸は新潟県の有力者財部権兵衛の家で、女装してメイドとして働いていた。
財部家の中をうろつく不審人物が居るとして、同家の使用人である長田定吉が調査を依頼してきた。
犯罪の存在すら疑わしい段階で探偵が乗り込むのも物騒なので、蘭丸が女装の上で潜入捜査を行うことになったのだ。
定吉の娘で、やはり財部家の使用人である看護婦の長田弥生子に迎えられた蘭丸は、蘭子と名乗り早速働き始める。
屋敷の夫人室にて、権兵衛の後妻で妖しい魅力を持つ財部芙美子に挨拶した蘭丸は、芙美子から仕事を申し付かる。
部屋の隅にある飾り棚にある、飼い鳥のえさ箱である漆塗りの箱を、芙美子のもとに持って来るよう言われたのだ。
蘭丸が飾り棚を見ると、そこには同じ形状をした漆塗りの箱と白木の箱が置いてある。
そして芙美子は漆塗りの箱を持ってくるよう言ったにもかかわらず、白木の箱を指差した。
どちらの箱を持っていけばいいのか混乱した蘭丸は、とりあえず中を確認する為に白木の箱を開けてみる。
すると、そこには懐中拳銃が納められていた。
白木の箱を開けてしまったことを芙美子に咎められ、蘭丸は漆塗りの箱を芙美子のところへ運ぶ。
なぜ芙美子は漆塗りの箱と言いながら、白木の箱を指差したのだろうか。
つづいて蘭丸は、屋敷の内庭で自分と同じぐらいの少年と、その弟らしき子どもを見かけ声をかけるが逃げられてしまう。
定吉によると、二人は屋敷の管理人である阿部さんの息子達らしい。
阿部一家は、屋敷の敷地内に居を構えているようだ。
続いて屋敷の隠居部屋に向かった蘭丸は、凄まじい怒鳴り声と女性の声を聞く。
見れば、錯乱して暴れる車椅子の老人を、弥生子が必死に押さえつけている。
老人は先代当主の財部政之輔で、彼は暴れながら「夢男」という言葉を口走った。
後に弥生子に聞いたところによると、政之輔だけではなくその妻千代も時々錯乱するらしい。
続いて欄丸が屋敷の仏間を覗くと、千代が孫で、財部の次男である光太郎に夢男の話を聞かせていた。
どうやら夢男は、財部家に代々伝わる怪談のようだ。
奇妙で傲慢な華族の一族と夢男の怪談。それはやがて凄惨な連続殺人を引き起こすことに。
車椅子の先代当主・政之輔が石階段で転落死し、その一週間後には何かを目の当たりにした妻の千代がショック死する。
三人娘も屋敷に駆けつけるが、更なる犠牲者が……。
蘇る夢男
夢男事件は犯人の自殺で解決を見たかに思えた。
しかし一週間後、比翼荘で今度は財部長女の原田安子が毒殺される。 更に、夫人の財部芙美子が自身の拳銃で射殺されてしまう。
時人は、色盲は遺伝性が強いと言う事実から、恐ろしい真相にたどり着く。
猟奇同盟
新聞記者を名乗る人物から「猟奇同盟という組織について話したい」と警察に電話が掛かってきた。
美和と「太白星」の事件解決のお礼として、食事の予定だった時人は不幸にも三人娘諸共に諸星警部に連れ出されてしまう。
しかし、新聞記者の彼は諸星警部と時人が訪ねた時には既に殺害されていた。 部屋からは銃を持った男が逃亡し、二人と三人娘が顔を目撃した事から逮捕も容易かと思われた。
彼の遺した、何かのチケットの半券と新聞記者の隣人の女性の弟が失踪している事件から「猟奇同盟」について調べる巴達だったが…。
過去の事件で得た知己を頼った調査の結果、旭日斎蓮花という奇術師が猟奇同盟と関わりを持っている可能性があることを突き止め、劇場へと足を運ぶ。
劇場前で新聞記者を殺害した男を発見した三人は逃亡する男を確保。 事件は解決に向かうかと思われたが——巴が猟奇同盟を名乗る男に拉致され催眠術で操られた結果、彼女は時人を銃で撃ってしまう。
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