THRILL SHOCK SUSPENSE #11
2024年1月 変わらない評価を受ける名作推理ADVを紹介 愛及屋烏
AGAIN FBI超心理捜査官
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プロヴィデンス事件
19年前に起こった5件の連続殺人事件。全ての事件が未解決。
毎回現場にプロヴィデンスの目が残されていた事から、「プロヴィデンス事件」と呼ばれる様になった。
1.サム・クーリッジ殺害事件
1991年2月28日、ホテルの従業員のサム・クーリッジが撲殺される。
殺害場所はホテル・ミランダの315号室。
2.チャールズ・スミス殺害事件
同年3月3日、タクシー運転手のチャールズ・スミスが射殺される。
殺害場所はグランドパークの駐車場。
3.イザベラ・キャンベル殺害事件
同年3月5日、女優のイザベラ・キャンベルが絞殺される。
殺害場所はイザベラの自宅。
4.デューク・デズモンド殺害事件
同年3月6日、不動産会社社長のデューク・デズモンドが射殺される。
殺害場所はデュークの会社の社長室。
5.ベイカー一家殺害事件
同年3月11日、ベイカー家が放火される。
プロヴィデンス事件の捜査協力をしていた心理学者のベイカー夫妻は死亡。
長男のジョナサン(ジェイ)は重傷を負い、二男のダニーは現在まで行方不明。
事件捜査パート
捜査パートは右画面に表示される各種行動をタッチして過去の事件の関係者に聞き込みをしたり、現在起きている連続殺人事件を追うクロックフォード市警のレーン警部たちと情報を共有したりしながら、有力な証拠や証言を集めていくことが目的。
右画面に表示される行動は、「所持品」、「会話ログ」、「移動」、「ヴィジョン」、「セーブ」、「電話」、「会話」の7つ。
聞き込みを行なう上でとりわけ重要なのが、「所持品」と「会話」のふたつ。
前者は捜査の過程で入手したアイテムを関係者に見せる事で情報を聞き出すことができ、後者は相手に質問する事で当時の状況を知る情報を聞き出せるという仕組みだ。
しかし、これらの有力な手がかりを得る為には、何度も同じ現場や人物の居場所に足を運ぶ必要がある。「現場百回」「捜査は足で稼ぐ」という刑事ドラマで知られる有名なセリフがあるが、本作の捜査パートもまさにこれ。
行なったり来たりを続ける作業的なゲーム展開は好き嫌いが分かれるかもしれない。
ただ、聞き込みを行なう際に左画面(左利き設定の場合は左右逆)には、会話する相手の人物が表示されるようになっており、彼らのリアクションがいちいち大げさなのが目を惹く。
また、日本の刑事ドラマではシチュエーションを長いセリフで説明するケースが多いが、本作はセリフ回しも海外ドラマよろしく矢継ぎ早。テンポいい会話のキャッチボールが繰り広げられる為、飽きる事なく聞き込みを続けられるという印象だ。
パストヴィジョン
捜査パートで過去の事件を再現できるだけの情報を揃えたら、パストヴィジョンの出番。
パストヴィジョンを発動するには、メニューから「ヴィジョン」を選択すればいい(自動的にパストヴィジョンパートに移る場面もある)。
発動中は右画面に現在の、左画面に過去の事件現場の風景が映し出され、それぞれを見比べながら相違点を探し出していく。
パストヴィジョンモードの発動中は事件現場が3D画面で表示され、十字ボタンを使って現場内を歩き回りながら、タッチペンをスライドさせることで視点変更が可能。これで過去と現在の風景の違いや疑問が残る箇所を検証していこう。「ここだ!」と思うあやしい箇所を発見したら、すかさずタッチ。
なお、タッチのやり方は2種類あり、一瞬だけタッチするとその箇所に関する情報が表示され、長くタッチし続けることでパストヴィジョンパートの肝である「精神集中」が行なえる。
精神集中を行なった箇所に謎が隠されていた場合、「予感フラッシュ」と呼ばれる画面が白く光る演出が入る。すると左画面に「ヴィジョンパネル」が出現し、予感フラッシュで手に入れた手がかりが記録される。
ヴィジョンパネルはいくつかのピースで成り立っており、このピースをすべて埋める事で過去の事件の疑問点が浮かび上がるようになっている。
ただし、注意したいのは精神集中には「精神力ゲージ」が必要という事。 謎解きに無関係な場所で精神集中を行なって精神力ゲージがゼロになると、その場でゲームオーバーになってしまうからだ。
過去と現在で風景を見比べて「ここだ!」と精神集中を行なってみたものの、その違いが単純に建物の経年劣化等によるケースもあるので、事前に捜査パートで手に入れた情報を鑑みて検証する必要がある。
精神力ゲージを無駄遣いできない故、「プレーヤー自身がじっくり検証してから謎解きを行なうおもしろさ」が存分に味わえるのが本作の魅力といえよう。
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