LSS #10-2

LATER SEQUELS SERIES #10

2024年5月   後年になって続編orリメイクが作られたシリーズ   愛及屋烏

オクトパストラベラー(2018)

オクトパストラベラー2(2023)

LIVE A LIVE(ライブアライブ) リメイク(1994→2022)

Continuation from last page. 10-1 https://no-value.jp/column/66363/

シナリオ

原始編『接触』

原始人の少年「ポゴ(CV.緒方恵美)」が主人公。

言葉が存在しない世界観の為、会話はジェスチャーや表情・絵文字のみ、技名も擬音語で統一というRPG史上でもトップクラスに珍しいシチュエーション。

敵は見えないので匂いを嗅ぐ(Yボタン)ことがこのシナリオを進める上での最大のポイントとなる。狩り等で集めた材料を組み合わせ合成する事で有用なアイテムを得る事もできる。

パッケージ裏のシナリオ一覧で最初に紹介されており、時代順でも明らかに最古なのだが、上記の通り内容は初心者向けとは言いがたい為、要注意。

イラスト担当は「おぼっちゃまくん」や「ゴーマニズム宣言」等で有名な小林よしのり先生。ちなみに先生は多忙だった為なのか、この作品については「全然覚えてないのだ。」との事。

幕末編『密命』

時は幕末の日本。高い潜在能力を認められ、要人救出の密命を受けた新米忍者「おぼろ丸(CV.橋詰知久)」を主人公とし、カラクリが多く仕掛けられた迷路のような城を進んでいく。

城内の人間をひたすら斬るも、隠れ蓑(Yボタン)で姿を消してやり過ごすも自由。                                            アクションゲームのようにシビアなタイミングの操作が要求される場面や、比較的広いフィールドの中に隠し要素が満載されているシナリオ。

ニューゲーム時のデフォルトのカーソルはこの編に合っているのだが、こちらも上記の通り内容は初心者向けとは言いがたいため要注意。

イラスト担当は説明不要と思われる探偵漫画「名探偵コナン」でお馴染みの青山剛昌先生。現代を舞台としたコナンで有名な現在では、青山先生が幕末編のような世界観の担当というのは珍しい様に感じるかもしれないが、当時のコナンはまだ連載が始まってそれほど時間も経っていない時期であり、先の連載作であった「YAIBA」(こちらもアニメ化やゲーム化もされている)は現代が舞台ではあるものの、ファンタジー要素も多いアクション作品であったので、当時の読者は違和感なく受け入れていたものと思われる。

功夫編『伝承』

中国「大志山」に居を構える老練の拳法家「心山拳老師(CV.石丸博也)」が、老衰と門下生不在から後継者探しを決意し、個性豊かな3名の若者を弟子入りさせ、稽古を付ける事がテーマのシナリオ。

素人だが勇気ある少年「ユン・ジョウ」、野盗をしていた気性の激しい少女「レイ・クウゴ」、身のこなしが光る食い逃げ常習犯の巨漢「サモ・ハッカ」。心山拳の伝承者となるのは、果たして誰になるのか。

主人公の扱いなどがやや特殊なシナリオ。功夫編の終盤までは老師を操作するが、ボス戦以降は伝承者となった弟子に引き継ぎとなる。このため名前変更できるのは流派の名前「○○拳」のみである。

イラスト担当は「拳児」や「ジーザス」等の作画担当として知られる藤原芳秀先生。氏の起用は中国拳法を題材とした「拳児」を連載していたところからだろうか?

西部編『放浪』

凄腕のガンマンとして荒野に名が知れた賞金首「サンダウン・キッド(CV.大塚明夫)」が主人公となる、まさしく西部劇そのもののシナリオ。

サンダウンは成り行きで、ライバルであるはずの賞金稼ぎ「マッド・ドッグ」や町の住人達と協力し、明朝に攻めてくる無法者集団「クレイジーバンチ」に備えることとなる。

敵は大集団だが、限られた時間で罠を上手く仕掛けた分だけ人数を減らしていくことができ、敵との戦いが有利になる。そう説明すると一見難しそうだが、最悪「罠ナシで敵全員と戦う」羽目になっても頑張ればクリア可能。

イラスト担当は「B・B」や聖飢魔IIのOVA作品「HUMANE SOCIETY 〜人類愛に満ちた社会〜」のキャラクター原案等で有名な石渡治先生。余談ではあるが氏の代表作で小学館漫画賞を受賞した「B・B」はボクシング漫画であり、いわば格闘を題材とした作品。後述の格闘を舞台とした現代編を担当した皆川亮二先生は後に西部劇を舞台とした「PEACE MAKER」という作品を描くことになるという面白い現象が起きていた。

現代編『最強』

最強を目指す日本人格闘家「高原 日勝(CV.関智一)」が、世界中の達人と拳を交わし直接技を集めることで最強を目指すという、RPG離れした格闘ゲーム調のシナリオ。

任意の相手を選択して1対1で戦い、相手の特定の必殺技を受けるとそれを習得できる。しかしそのボス戦闘以外の要素は全て存在しない(装備品/アイテムやレベルアップの概念もない)。

最もシンプルな構成だが、それゆえに本作の特徴的なバトルシステムが強調されている。

このシナリオの主役である高原日勝は最終編においていくらレベルアップしても 知力が25から成長しない ことがよくネタにされる。これは原始編のポゴはおろかその相棒の 類人猿であるゴリ以下 という数値。現代日本人という設定のはずなのにどうしてこうなったのか…(一応装備で補強することは可能だが)。

イラスト担当は「スプリガン」や「ARMS」等で有名な皆川亮二先生。氏の作品はどちらかといえば機転が利く、所謂アタマのキレるタイプの主人公が活躍するといった内容のものが多いのだが、これまたどうして上述の様なことになったのか…。ある意味イラスト担当にシナリオのノリが引っ張られている後述の近未来編とは真逆なことになっているといえる。

近未来編『流動』

主人公は日本の日暮里近辺の孤児院で暮らす、超能力を持った不良少年「アキラ(CV.赤羽根健治)」(本名:田所 晃)。物語のカギを握るは、巨大ロボット「ブリキ大王」。

話し相手の心をテレパシーで探りつつシナリオを進めるが、意外にも7編の中では最も正統派な内容。原始編と同じく、アイテムを作成するシステムもある。

イラスト担当は「炎の転校生」や自伝的作品であり、テレビドラマ化もされた「アオイホノオ」等アツイ そしてそこから醸し出される妙なバカバカしさの溢れる 作品でお馴染みの島本和彦先生。

全体的にイラスト担当の島本和彦を意識したノリで、作家に作風が引っ張られている人気シナリオ。

ちなみに現代の高原が知力25から成長しないのをネタにされがちだが、こちらのシナリオに登場する無法松も実はレベルアップしても 知力19から成長しなかったりする 。レベルアップ時にノリノリでライダーポーズを決めるのだか、そんな場合じゃあないだろう。まぁ最終編に登場するキャラではないのでそこまで問題ではないのかもしれないが (松のレベルを上げる人はそれほどいないのか、高原ほど話題にもされないし) 。

無法松は自身を「昭和の男」と言っており、上述の現代編も発売時期を現代とするならば、平成に入ってそれほど時間が経っていない年代と思われる(1994年発売なので平成6年)。高原の年齢は10代後半〜20代かと思われるので、彼もおそらく「昭和の生まれ」ということになるだろう。この作品の「昭和の男」は知力が低い&成長しないのだろうか?

プロレス中継でミサワ対ムトーの試合が行われている。今となっては過去といえるのかもしれないが、発売当時を考えてみると近未来という時代設定に妙なリアリティが感じられなくもない要素になっているといえるかもしれない。ちなみにこの中継、最後まで観るとプロレスの知識がある人ならば、非常に興味深い内容に発展して終わりを迎えることになる。

SF編『機心』

主人公は宇宙船でメカニックのカトゥーに作られたばかりの、高い自己学習能力を持つ小型作業用ロボット「キューブ」。

無機質で閉鎖的な船内やほぼ環境音のみのBGM、脱走した凶暴生物ベヒーモスなど、パニックホラー調の雰囲気。

戦闘はミニゲーム「キャプテン・スクウェア」とボス戦しかなく、アドベンチャーゲームのように会話中心でストーリーが進む。

イラスト担当は「BASARA」やテレビドラマ化もされた「ミステリと言う勿れ」等で有名な田村由美先生。このシナリオは戦闘がミニゲームのみで仲間になるキャラクターがいないためなのか、田村先生が登場人物全てのイラストを描いてくれている。

以上、最初から選択できる7編全てのストーリーにボスや黒幕が存在するのだが、その名前にはある共通点が存在する。 そしてこれら7編をすべてクリアすると…

中世編『魔王』

主人公は若き剣士「オルステッド(CV.中村悠一)」。ルクレチア王国を舞台に仲間を集め、共に魔王に攫われた姫を助けに行く。

隠しシナリオでありながら(本作に限っては「隠しだからこそ」)、従来のオーソドックスな王道ファンタジーRPGを強く意識した内容。

このシナリオからザコ敵との遭遇が実質的なランダムエンカウントに変化するが、それ以外に特殊なシステムは無い。

この中世編のみイラストを担当する漫画家が存在せず、キャラクターデザインもスクウェア自身が行っている。

最終編

黒幕の手によって一堂に会する事となる、各8シナリオの主人公達。全てが1つに繋がる、本作最後のシナリオ。

これまでの8編の主人公8名から、1名を選択してゲームスタートとなる。

世界の真意を読み解き、このゲームの真のエンディングを目指す。

各シナリオのボスの名前

各シナリオのボスは個性的な名前を持つが、それぞれの名前は全て「オディオ」という文字がキーワードとなっている(ただし中世編を除く)。その根底には1つのラテン語 ODIUM に由来する、憎しみを表すイタリア語 Odio (dio = 神) や英単語 Odious が存在する。

ゲーム中で彼らが登場する際、一部の例外を除いてBGM「魔王オディオ」が流れる。

  • 原始編 – おーでぃーおー(説明書ではオディオザウルス)
  • 幕末編 – ガマヘビ変化(「尾手 院王(おで いおう)」が変身した怪物)
  • 功夫編 – オディワン・リー(ワンを漢字で書くと王(おう)、続けて読むとオディオウとなる)
  • 西部編 – O(オー)・ディオ
  • 現代編 – オディ・オブライト(ゲーム中では「オディー・O(オー)」とも表記される)
  • 近未来編 – 隠呼大仏(SFC版) / 大隠呼像(HD-2Dリメイク版)(「御出居(おでお)様」なる者が乗り移っているらしい)
  • SF編 – マザーCOM(型番は “OD-10” であり、数字の部分をアルファベットに見立てると綴りが「ODIO」となる)
  • 中世編 – ボスとしては存在しないが、「魔王オディオ」の名が登場する。
  • 最終編 – ピュアオディオ、Sinオディオ(HD-2Dリメイク版のみ)

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愛及屋烏

ゲーム好き、小説好き、アニメ好き、三役揃いの物書きの端くれ。 ピンチに陥っても、それはそれで気楽にやるタイプ。 ●好きな言葉:続編・クロスオーバー・オールスター・アンサーソング・データ引継ぎ ●好きなゲーム:DQ・軌跡&イース・スパロボ・ゼルダ・神宮寺・逆裁・ラチェクラ ●好きなサブカル:ロボ全般・特撮全般・少、青年誌系 ●好きなドラマ:科捜研・相棒・CSI・キャッスル・十津川警部・赤い霊柩車 ●利用ソシャゲ:へプバン・ギアスロススト・Dr.STバトクラ・シンフォギアXD・スパロボDD・うたわれLF・ギター少女・勇者の飯 ●経歴:宮城出身、30代、なろう出版経験有 ●現在:脳梗塞療養にともないリハビリ&失業中

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