THRILL SHOCK SUSPENSE #18
2024年7月 変わらない評価を受ける名作推理ADVを紹介 愛及屋烏
ゴーストトリック(2011-2023)
Continuation from last page. 18-1 https://no-value.jp/column/73610/
死に魅入られた登場人物達
シセル/ナゾニマミレタワタシ
「君はこの私が助ける…そう、何度でもだ」
自分でも何者なのかわからない本作の主人公。 物語のしょっぱなでいきなり死亡し、「特別な死者」として目覚める事になる。
キャットアイサングラスにビビッドな赤スーツ姿。 一際目を引く金髪のオールバックの、ヤクザかチンピラみたいな風貌の男。
見た目は怖いが、風貌に反して性格は物腰が柔らかくクールな善人である。 時には毒を吐くが、紳士然としており、一人称も「私」。
死の際に己の素性の一切を忘れてしまった為、真相を探る冒険に乗り出す。 文字(の内容)が読めない(理解出来ない)、常識の範疇でも知らない知識がある等、記憶喪失以上の謎がある様子。
亡霊シセルの消滅までのタイムリミットは「次の朝日が来るまで」であり、その事実はどうあがいても変えられない。そのため、本作の出来事はすべて同じ夜のうちに起こったものとなっている。
名前の由来は「死せる」。ドイツ語圏において、「シセル」は女性名でもある。
クネリ/ヒトスジノヒカリ
「ココロなど…準備のできるモノではございませんよ」
シセルがゴミ捨て場で出会った「特別な死者」。
ゴミ捨て場の電気スタンドに「トリツク」形で現れ、それをクネクネと動かして感情表現をする。
シセルに『死者のチカラ』と『朝日と共に魂が消滅する(=シセルは夜明けと共にこの世から消える)』という事実を教え、「今夜起こる事件の真相を解き明かしてほしい」と依頼する。
シセルには「クネリ」という偽名を名乗り、電気スタンドの立ち絵のみで本来の姿を見せない。 「事件の鍵はリンネが握っている」「アナタ様だけが真相に辿り着ける」等シセルに起こった事件について知っているような言動をする。 「心の準備ができていない」と戸惑うシセルを強引に「死の4分前」に送り出す等、彼は彼で謎が多い。
リンネ/ネラワレタアカゲ
「えへ、また死んじゃった。やー、怖いよね。”慣れ”って」
今作のヒロイン。新米の女性刑事。
悪は決して許さない熱血漢だが、何かとトラブルに巻き込まれやすく、作中では度々その命を亡くす儚き存在。
段々、死に様が派手になるが、当人が前向きかつ図太い性格な為、何度も死んでいる内に慣れてしまった、というある意味で大物。
そんな屈託のない性格と可愛らしい容姿も相まって、署内や関係各所ではファンも多いアイドル的存在。
名前の由来は「輪廻」。
カノン/チイサナレディ
「あんまりイジワルしないでね。神サマ」
リンネと一緒に住んでいる少女。
ひょんな事から事件に巻き込まれてしまう。
大人びた発言をする事もあるが、根っこは年相応。
大がかりな仕掛けを作れる程、手先が器用。
名前の由来は「観音」。 後述のミサイルの存在から「Canon」もかけてるかもしれない。
ミサイル/イサマシキショウドウブツ
「ボクにできるコトといえば、”吠える”コトでしょうか。
それ以外何もありませんともッ!」
リンネの飼い犬であるポメラニアン。 リンネと同居しているカノンもまた、もう一人の主人として愛している。
主人を守る事を第一に考える忠犬だが、知らない人を見ると「ようこそ!!」と尻尾を振ってしまうので、家に押し入ってきた殺し屋に撃たれ、イノチを落とす。
TV等の音やネズミ等、何かが起こるとすぐに吠える悪癖がある為、その度に隣の住人のマダムに壁を叩かれている。
モデルは逆転裁判1-4に登場した警察犬と同様にタクシューの愛犬。 今回は犬種がちゃんとポメラニアンなので、見た目もそっくりである。
カバネラ警部/ノッポノホワイトラブリー
「いいねぇ、事件現場の緊張感。ラブリーだ、とってもラブリーだ。」
特別捜査班班長。
白いコートを羽織った中年の警部。某古畑チックに現場に自転車で現れる。 事ある毎に「ラブリー」と口ずさみ、無駄にキレのあるポージングを取り、移動する時は踊りながら階段を上り下りする、キャラの濃い人。
一見、「人当たりのいいおじさん」といった印象を受けるが、異常なまでの出世欲の持ち主。
その為ならば長年の親友さえも非情に切り捨てる等といった手段も平気で行う、として部下からも恐れられている。
彼の愛用する白いコートは「シミ一つない真っ白な経歴」の表れ。
名前の由来は「屍」。
ジョード/ウンメイノトラワレビト
「コイツはな。オレが受けるべき“罰”なんだよ」
元刑事。現在は囚人番号「D99」の囚人として、特別刑務所に収監されている。
上述のカバネラが出世のために切り捨てた「長年の親友」がこの人である。 その割には自身の犯行をあっさり認めており、何なら死刑すら進んで受け入れ様としている等、言動には不可解な点が多い。
牢では絵を描いて過ごしており、記憶を失う前のシセルとも面識がある様子。
常に気怠げで飄々とした性格だが、シセルの『死者のチカラ』の仕組みと弱点を邂逅後に即座に理解し、助言を与える等かなりのキレ者。
名前の由来は「浄土」。
キッチンチキンのチキンが好物で、ケチャップを缶単位で使って食べる。 「俺の血管には血液の代わりにケチャップが流れている」と自分で豪語する程のケチャラー。
ネズミ
陰の主役。 本作の象徴といっても過言ではない。
一般家庭や屋根裏、下水道、果てには魚雷の中と各所に出没。 時にマップを賑やかし、時にギミックに組み込まれて災難に見舞われる。
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