皆さんこんにちは。
声に恋する。です。
二月に入り、節分も過ぎ、もうすぐバレンタインですね。
今回はバレンタインにちなんだ短編小説とイラストを投稿いたします。
お楽しみいただければ幸いです。
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短編小説「バレンタイン2025~恋するチョコレート~」
本文:
2月に入り、寒さがまた少し強くなったある日。
私は、家のキッチンで仁王立ちをしていた。
「今年もきたわね…。そう、バレンタインが!!」
2月14日、そうそれは恋する乙女の一大行事。
バレンタイン!!
例にもれず、私もその戦いに臨むため作戦会議(一人)をしていた。
「去年告白してお付き合いを始めて…およそ一年…。
今年は彼氏への初のバレンタイン…!
しっかり美味しくてときめくチョコレートを作らないと!!」
私は早速、事前に調べていたバレンタインのレシピに目を通した。
「なになに…ダイレクトハートチョコレート…。
凄いわね、板チョコをハート型にぶち抜いただけなんて…。
あとは…スティックチョコレート…?
これはあれね、牛乳に溶かして飲むやつね!
なるほど、最近の流行はこのマーブルチョコレートってやつね…!
あ!猫の肉球型のチョコがある!!か~わいい~!」
私は一通りレシピに目を通したあと、しばらく検討し、そして…。
「よし!今年はシンプルに生チョコレートでいくわ!
…付き合って一年目に気合い入れすぎると、後々大変だと思うし…」
そう決めた私はさっそく、生チョコレートを作り始めた。
「手順としては…板チョコを湯煎して、生クリームを加えて…。
バットに平らに流し入れて冷やして固める…。
40分くらい冷やしたら食べやすい大きさにカットして…。
最後にココアパウダーを加えて完成ね!」
私は生チョコレートを作りながら彼氏について想いを馳せていた。
「しかし…去年のバレンタインに告白したときは色々大変だったなぁ。
あの頃はろくにお菓子も作ったことなくて…。
まさかの焦げ焦げクッキーで泣きながら告白したもんなぁ。
…今思えば、よくアイツOKしてくれたわね…。
あれからお菓子作りを一生懸命練習したんだっけ…。」
そう、実は私はお菓子を作ったことがなかった。
そんな中でも、好きになった今の彼氏に想いを伝えたく、
去年のバレンタインに泣きながらクッキーを作ったのが懐かしい。
そして、晴れて付き合えるようになったことで、
私は彼に美味しいお菓子を食べて欲しく、一年間一生懸命練習をしていた。
「そう考えると…恋って凄いわね。
全く挑戦したことないことに、想い人のために挑戦して。
いつのまにか上達してて…。
ふふっ…なんか、嬉しくなるわね!」
恋とは、とてつもない原動力になる。
相手を想い、自分が変わっていくのは、ちょっと楽しい。
今年の恋するチョコレートは、きっと、
去年よりも甘く、ときめくものになるだろう。
恋って素敵なエネルギーだ!
終。