おはようございます。アンドルです。皆様渡り鳥といえば何を連想しますか?白鳥やガン?それともマガモでしょうか。しかし今回はこれらの渡り鳥ではなく、恐らくその生態を知るととても嫌悪感を覚えることになる鳥。カッコウを紹介したいと思います。
カッコウはユーラシア大陸やアフリカに分布し、日本では5月から6月ごろに渡ってくる鳥です。生息域は森林や草原地帯で、主食は様々な虫を食べます。体格も大きくスズメやツバメといった鳥よりもハッキリと大きいと言えます。さて、ここからがカッコウを語るうえで外せない行為の紹介に入ります。それは托卵です。托卵とは親が子供を自力で育てられないため、ほかの鳥の巣に自分の卵を生み落として育てさせることを言います。これだけでは元の鳥の巣にカッコウが増えるだけに見えますが、当然托卵された鳥も黙っていません。勝手に自分の巣にほかの鳥の卵を生み落とされれば排除します。しかし、カッコウ側も自分の子の身の安全のための作戦を仕掛けます。まず托卵しようとしている巣の親鳥が巣から出かけた後にもともとある卵やひな鳥をなんと一匹ないし卵一個を自分で食べて数を減らしてから自分の卵を産んで数合わせを行います。卵そのものも托卵先の鳥の卵と似た配色にすることでより親鳥に気づかれないようにしています。それだけではありません。ほかのひな鳥たちよりもカッコウのひなが羽化し、なんとその鳥の卵を巣の外に全部捨ててしまうこともあります。仮に托卵先のひな鳥が先に生まれていてもお構いなしでひな鳥そのものも巣から排除してしまいます。これらの行為は誰かに教えられたのではなく生まれた瞬間から行う本能です。
カッコウの脅威はまだ終わっていません。カッコウのひなの特徴として、くちばしがオレンジ色をしています。これは托卵先の親鳥により餌をたくさんもらうために注意を引くための作戦です。これだけではなく、ある程度大きくなると自分の羽を大きく震わせながら親鳥に餌を求めます。これは、ひな鳥がもう一匹いると錯覚させてより親鳥にエサをたくさん供給させるための行動です。明らかに自分よりも大きい得体のしれない鳥のひなのために餌を与える姿はもはや憐れみを感じてしまいます。
詳しいことはまだ解明されていないものの托卵が成功してしまうと、元の巣の親鳥はカッコウのひなを排除できずに自分の子供と思い込んでしまうようです。このカッコウのひな鳥が巣立ちをするのは孵化してから二週間後で育ち切った後は、自分を育ててくれた仮親のことはまったく気にせずにどこかに飛んでいきます。これがカッコウの托卵からの巣立ちです。
余談ですが、カッコウがなぜ托卵をするようになったのかは自身の体温調整が難しく卵をふ化させるのが難しいという見解があります。いずれせよ、他者を徹底的に利用する生態は人間視点からするとかなり不快に感じてしまう人も多いでしょう。
今回はここまで、カッコウ自身も生き残るためとはいえだいぶえげつない進化をしたものです。それでは失礼します。ご愛読ありがとうございました。