【△】 21話・『想いだし拾った本心に止まった足は再起する』

〔1〕

緑の一角『キナミ』Triangleの底に落ち暫くして同じく底に落とされ×型になっていた元1号『サクアキ』と出会う、過去この世界にやって来た瞬間に記憶を失くしており、キナミは以前の自分を知る他の皆に恐れ振り切ろうとするも本心はそうもいかず、キナミの迷いに気が付いたサクアキは背中を押すように彼に問う。

サクアキ「その手に持っている棘が朽ちない限りミオイさんはまだ生きてる…俺には身体が無いから×型の姿になってしまったけどキミには残ってる、だから此処から出れるチャンスはあるんだ!」

サクアキ「記憶が無い状態で難しい質問になるけれど、キナミ君は今どうしたい?」

キナミ「ボクは・・・、俺は…。」

〔2〕〔3〕

キナミ「俺は2号…ミオイさんや3号やサクアキさんに以前から…いや今までもずっと優しく接して貰っていた中で、対して何も本当に何も出来ないで その上 今じゃ こんな状況にもなって俺は…。」

サクアキ「キナミ君あまり思いつめず今どうしたいか…一言でも大丈夫、言ってごらん。」

戸惑うキナミに対し迷いよりもまず言葉を引き出そうと彼に声を添える。

キナミ「さ、サクアキさん…。」 

サクアキ「大丈夫。恨む人はこの場に居ない」

キナミ「俺は、皆を。ミオイさんを助けたい…その為に自分を思い出す必要もあるし まず此処から脱出したい。」

〔4〕

キナミの口からやっと出た答えの言葉にサクアキはしっかりと頷いた上で

彼を褒める様に声を掛ける勿論その答えに対しての冗談も提案も交えつつ。

サクアキ「キナミは意外と欲張りさんだね?」 

キナミ「皆を救うって、欲張りなんです…⁉」

サクアキ「はははっ冗談だよ ごめんね…でもそれで良いんだ。こんな世界で本心に逆ったら辛くなるのはどう足掻いても自分自身だからね、あとは行動に移すのみ!だよ。」

〔5〕〔6〕

踏ん切りがついた二人は早速【本心に従い沿って】此処からの脱出を考える

サクアキ「さて!なら自分に正直で居なくっちゃ話はやはり始まらないな‼」

キナミ「策もなく行動に移すって、一体どうすれば…?」

サクアキ「策としてはアレを使おう」 キナミアレ?」

そう言い前へ見直すと爆破前のトゥイルの傍からサクアキが離し置き倒していた〇の姿を確認する。

キナミ「え!いつの間に移動してたんですか」

サクアキ「トゥイルの爆発は予期していたからね壊されたら終わりだと感じてキナミに助けられて直ぐ動かしてたんだ、不謹慎ながらこの子の身体は使えるって思ってね。」

〔7〕

キナミ「そういえばサクアキさんが爆発について話してたけど至近距離でも見てたって言っていましたよね?もしかして今からやろうとしてる事って、その時の応用になるんですか?」

サクアキ「さっきキナミは【自分達の身体は軽いのか】って疑問を抱いてたよね?」

キナミ「え?確かに言いましたね、話を逸らすのに適当に思いついた事でしたけど。それが…?」

サクアキが考えついた提案に疑問を感じたキナミは想像しながらも

未だハッキリと思い浮かべられず更に内容を聞き出す

サクアキ「仮にキナミの言う通り俺たちの身体が軽い場合、この世界に来て間もない奴の爆発を利用したら高く飛べるんじゃないか?…って考えが浮かんだんだけど、どうだろう?やってみる価値はあると思うんだ」

〔8〕

悪い表現を使うと【死体の爆破を利用し空を飛ぶ】という狂気の提案を目の前に言われたキナミは迷わず驚く

キナミ「そ、そんな事が本当に出来るんですか?!解釈が合っていればですけど、その飛ばされた勢いで六角の世界に向かっていくって発想で良いんですよね?」

サクアキ「あぁ、その通りの事を今からやろう。」

キナミ「この提案ホントに可能なんですか…?」 

サクアキ「チャンスは恐らく1回失敗したら正真正銘終わり。たった一回きりの成功、やらないって選択は…」

キナミ「今更否定できない、って事ですよね?」サクアキ「そういう事。」

〔9〕

サクアキ「でも俺はあくまでも提案だけ、行動に移すのは…自分自身だよキナミ!」

キナミ「サクアキさんは…、サクアキさんは一体どうするんですか…?」

サクアキ「…言っただろ?俺にはもうIPも身体も失って×型の姿になった今出れるのはキミだけって…それに仮に俺が行けたとして2人で〇の爆破を受けた際、軌道に乗らず真上へ飛ばなかったらそれこそ成功の字すら無い。少しでも成功の確率をあげる為…」

提案した彼の本心も此処から脱出する事だと分かった上で脱出可能は人間は【自分だけ】だと教わったキナミは堪え了承しその受け入れを視線にサクアキは噛み締める様に微笑むと。

サクアキ「分かってくれ…、〇の爆発まで もう時間が無いんだ。」

キナミ「・・・わかりました…、俺は此処から この世界から出ます。必ず。」

サクアキ「あぁ頼んだよ・・・。さぁキナミは〇に乗ってくれ!俺は六角の世界の真下まで運ぶよ」

そう語り合うと2人は〇のもとへ駆け寄った。

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〚〚 21話 終わり 〛〛

最近は1コマにつき台詞2~3つに語り1つか無しぐらいで良い事に気が付いた。

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RROD/HRM

自己流の挨拶で〖おはばんちは〗RROD/HRMと申します。 小学生の頃に描いていた物語をリメイクし世界観を広げて沢山のキャラと本編創作である《崩神の世界》を描きながら活動しています、大まかに登場人物と別視点での物語を描いています。 YouTubeやTwitterでも作っているので気になった方はそちらもどうぞ~ 又、こちらでは本編とは世界観の違う《さんかく》という物語を作っていく予定ですので 宜しくお願い致します。 季節や行事に沿ったイラストも稀にですが描いていこうと思っております。

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