
緑の▲『キナミ』の意志に答える為『サクアキ』が出した提案に行動する決心し即座に行動に移すのだが…。
〔1〕
中身を失い頭部の壊れた〇にキナミが入り置いた上でサクアキは【魂の保管庫】の側まで運んでいた
キナミ「さ、サクアキさん…、本当にこれで魂の保管庫まで飛べるんですかッ⁉」
サクアキ「さぁてね…あくまでも博打の上での提案だから綺麗な成功に至れば、それはそれで嬉しい話だ。ただそれに、見た所…〇の年期がかなり長そうだ」
キナミ「つまり…?」 サクアキ「トゥイルみたいに強い爆発が起こるかもしれないって事だ」
〔2〕〔3〕
ほんの一瞬呼吸が止まった反応をしてしまうキナミだが吹き返す様にサクアキと話し続ける
キナミ「と…するとそれって僕が粉々になるかもしれないって事にも…?
…。
いや、その時は。その時ですよね…」
サクアキ「キナミ君は比較的頑丈な身体を持ってるから大丈夫だと信じてるよ」
キナミ「それ慰めになってませんよ?!」
そうこうしている内に〇の胴体にヒビが増え《パキッ》と音が鳴る。
サクアキ「まだ話していたい気持ちがあるのに彼は待ってくれないようだよ」
キナミ「…俺は…まだ不安です。死にたがりを押し切ってやっと正直になれてきたのに」
サクアキ「まだ、怖いか…まぁ強要みたいな感じになっちゃったしな。ただもう一度前を見たいと強く願い続けるのならば、こちらもそれに答えようじゃないか。」
〔4〕
キナミ「…やっぱり僕と一緒に行きませんか、俺にチャンスがあるんだったらサクアキさんにも」
サクアキ「言ったろ?俺はもう、手遅れなんだ。こんな姿にもなった以上せめてもの協力だ」
話を遮る様に気が付くと〇の体中はヒビでいっぱいになっていた、時間はもう無い。
サクアキ「キナミ君。キミとは…もうすぐお別れだな。」
キナミ「お別れって…そんな、そんな事言わないで下さい。」
サクアキ「…ミオイさんの事、よろしく頼んだよ。」
キナミ「 …、えぇ。わかりました。」
今を惜しむ声になりながらその場を離れようとする
〔5〕
すると去り際に
サクアキ「しっかりと棘を身体に固定しておくと良い、落としたら終わりだからね。」
キナミ「どうやって固定を…?」 サクアキ「磁石みたいに出来…」
悠長にアドバイスをしていると《ジジジジジ…》とエネルギーが溜まっていく蓄積された音が聞こえてくると
サクアキ「!!」
〔6〕
急ぎキナミの側から離れようと走り出すも危うく巻き込まれそうになるサクアキに
キナミ「サクアキさん!」
サクアキ「俺は大丈夫だ!ってか自分の心配をする事だよ!優先は俺じゃなくキナミ君自身だ!」
そう言いキナミは下へ視点を動かすと〇は《カッ》と輝きだし瞬く間に光の柱に包まれた
〔7〕〔8〕
《ドッ》と目の前で花火が咲くように鳴り響く大きな音と共に多くの瓦礫は高く高く打ち上げられた
爆発の影響で吹っ飛ばされたサクアキは想像以上の威力で呆気に取られながらも上を見上げた
眼を光らせる様にキナミの安否を見渡した
〔9〕
彼は生きていた。
棘を身体に固定しようとしたキナミは爆発する瞬間、反射的にガードした事で衝撃を和らげられた様だ。
サクアキ「はっ、…あぁ。はは、彼は無事に此処から出れたんだ…良かった、本当に。」
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魂の保管庫もとい六角の世界に入る事が出来たキナミは慌てふためきながらも手を出現させると
着いた時の衝撃を恐れ壁の隙間にねじ込むつもりで《ガッ》と強く掴む事が出来た。
キナミ「はぁ、はぁ…ッ、い。行けたのか僕は…」
〔10〕
キナミ「咄嗟に守れたのは良かったけど衝撃が強すぎた、棘が無かったらどうなっていたんだ…」
少しずつ冷静を取り戻そうと興奮を抑えていると上を見上げた時に、六角の眼に位置する所からサクアキの姿が暗くほんのり薄く見えることがわかった。
キナミ「よかったサクアキさん爆発に巻き込まれずに済んだんだ…、結局最後までお礼も言えず話せなかったな…変なところで飛んでしまった。 でも大事なことだ、棘を失くしたら僕は自身を守れなくなる、他にもある。」
〔11〕
少しずつ心を落ち着かせ。ゆっくりと気持ちの整理を終えた時、遠くの彼へ一言語る。
キナミ「…サクアキさん…。
今までありがとうございました…僕は自分を信じて行ってきます。」
《コツン》
キナミ「いてっ」
感謝も束の間に小さな欠片が頭に落ち当たるも、彼は気にせず奥へ前へと突き進むのでした。
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〚〚 22話 終わり 〛〛