白く可憐な悪者

皆様おはようございます。アンドルです。そろそろ梅雨も近くなっていく中いかがお過ごしでしょうか?私は気圧の差による体調不良がひどいので薬を飲むことで対応しています。この初夏の気候は様々な生き物が夏に向けてより活発に活動するようになります。それは春先から活動している昆虫も同じでまた、世代交代の季節でもあります。今回はそんな世代交代が近づいている昆虫、モンシロチョウについて解説しようと思います。

 モンシロチョウといえば、よく春のイメージが強い昆虫ですがそんなことはなく、夏や気候が暖かいなら一年に複数回発生します。ですが冬はサナギで乗り切ります。そんなモンシロチョウは一般的には小型のきれいな昆虫のイメージが強いと思われますが、実際はキャベツやカブに大根といったアブラナ科の野菜に卵を生みつけ幼虫がその葉っぱを食い荒らすとんでもない害虫です。この成虫の可憐さと裏腹に幼虫時代は嫌われ者のモンシロチョウについて深堀していきましょう。まず卵ですが見た目は黄色で楕円形の形をしています。生みつけられた卵は一週間ほど孵化します。この際幼虫は卵の殻を食べます。これは、成長するに当たって必要な栄養素が含まれているからです。

幼虫の見た目は、最初はアオムシという一般的なモンシロチョウの幼虫とはかけ離れた、毛虫のような見た目をしています。主食は前述したとおりキャベツなどが筆頭で葉っぱの芯以外すべて食べつくしてしまいます。栄養を蓄えていく中でおよそ2〜3週間の間に4回ほど脱皮をします。この4回目の脱皮を終えたときによく知られるアオムシの見た目になります。

このアオムシ形態になった後はサナギになるために天敵に見つかりにくい場所を探し、気に入った場所を見つけるとそこでサナギに変態します。冬を越す場合は数か月はサナギの期間がありますが、暖かい季節であれば1週間ほどで成虫になります。孵化は朝方に行われ脱皮した直後のしわしわの羽が乾いたら本格的に活動します。

成虫は花の蜜をエサにします。この際植物の受粉を助けるため逆に益虫になります。成虫は2週間から3週間の期間でこの間に交尾をして次代に命をつなぎます。よく複数のモンシロチョウが飛んでいるのを見たことがあると思いますが、それはオスとオスがメスを巡ったおいかっけこです。全世界規模に生息する繁殖力の強いモンシロチョウはどんどん交尾をして数を増やすため、メスを巡ったオス同士の争いは絶えないようです。それでもすでに交尾したメス個体は産卵が終わるまではオスの交尾を拒絶します。ここまで繁殖力が高いと駆除は大変ですが、その分天敵も非常に多いです。鳥にカマキリにトンボなどが成虫の天敵です。幼虫も鳥やアリにハチといった天敵が存在します。特に寄生バチは幼虫の死因の半数以上を占めるといわれています。寄生バチに関してはその生育過程からここでの詳細は省きますが、一言で表すならグロテスクです。

 今回はここまでです。最後に余談ですが、モンシロチョウの幼虫の駆除の際に簡単に駆除できるのは農薬ですが、人が食べるにはやはり無農薬が好まれるものです。そうした需要にこたえるものとして上述した寄生バチを畑に放つ方法があります。この方法であれば、農薬を使わずに幼虫を駆除できるうえにハチは葉っぱを食べないので、幼虫だけを駆除するのにはうってつけで成虫を野放しにしても基本的に寄生バチが周囲の生態系に与える影響はほぼないので農家の方から好まれているそうです。長くなりましたがご愛読ありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします。

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初めまして虫とゲームと特撮が好きなアンドルというものです! 私は主に虫や、練習中のイラスト等を投稿しようと活動していきます! 虫といえば苦手な人も多いと思いますが、その点はマイルドな表現かつデフォルメしたイラストで投稿させていただこうと考えているので安心して見てみてください!自分の知らない世界を知ることは良い刺激になるので是非ともよろしくお願いします! 以上アンドルでした!今後ともよろしくお願いします!

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