
〔1〕
【魂の保管庫】にて緑の一角『キナミ』を待っていたのは黒のシカバネ『CORPSE』だった、彼は他のシカバネから守り太陽へ向かう提案を持ち掛けキナミは受け入れ共に行動することになる。
CORPSE「さて意見が合致したところで此処の扉を開けて次の世界に向かおうじゃない」
キナミ「この先を通ったら【器の倉庫】に行けるんだよね…そこでアイツが、『トゥイル』が居たりしないよね?」
CORPSE「アイツは大丈夫なハズだよTriangleにログインする為のボディの充電が不完全だから終わる前にさっさと行った方が吉だよ、まだ大丈夫。」
シカバネはそう言い大きな扉を開けると暗い紫色をした通路が闇の様に広がった
〔2〕
CORPSE「!」
扉を潜ろうと先に踏み込むと《バッ キ》と硬い音が響き渡る、勿論2人はこれに気付かない訳がなく
キナミ「今の音は!?」
CORPSE「あ、いや。…此処の通路六角形と五角形を繋ぐワープホールみたいな役割をしてるから通路の勢い余ってボクの腕パーツが飛んじゃったんだよ」
キナミ「それ、痛くないの?」
CORPSE「この世界に居る以上 痛覚はないから問題ないよ。」
〔3〕
《クラッ》
するとキナミに異変が起き始める。
キナミ「アレ…?」
CORPSE「もしかしてキナミはこのワープの仕組みに慣れてない?」
キナミ「い、いや……魂の保管庫に向かう時に底から上がってこれたのに…。」
CORPSE「あの場所は通気口みたいな感じだったからね、ワープって感じじゃないから」
キナミ「そ、そう…なんだ
《ドサッ・・・》
話が途切れる程強く倒れ込んでしまいキナミは気を失ってしまう
〔4〕
気絶してから間もなく復帰すると
キナミ「うわぁ!?」 CORPSE「目を覚ましたね?」
キナミ「俺…が倒れてから、どれぐらい経った!?」
CORPSE「10秒ちょっとぐらいかな…そんな経ってないよ、まぁ無事でなによりだけど」
〔5〕
キナミ「ここは…此処が【器の倉庫】」
起き上がって直ぐ辺りを見回すと慣れない場所の壁に寄り掛かっていた。
CORPSE「ご名答、紫色が全体に広がってるね。」
キナミ「シカバネは、腕のパーツは大丈夫なの?」
CORPSE「残念ながら保管庫と倉庫の間に置いていく運びになったよ、でも不幸中の幸いでさ何個か▲を失くしたから身体がコンパクトになったよ。」
彼の全体を改めるとパーツを失くした事で若干移動し易そうにしてるシカバネが良く見える。
キナミ「言われてみれば…確かに少し小さくなった?」
CORPSE「まぁちょっとだけね、ほんのり動きやすいぐらいだよ」
〔6〕
CORPSE「キナミは器の倉庫に来た事は?」
キナミ「いや初めて来た、管理者って言っても俺は院長のIDを盗んで来たから詳しくは…。」
CORPSE「あーそういえばキミは孤児院の子だったね、知らないのは無理ないね。」
〔7〕
キナミ「ここは…、【器の倉庫】はどういう場所なの?」
CORPSE「IDもボク達のこの身体も情報が詰まっていてさ〖魂が身体である器を読み交わることで初めて〇の身体/姿を持てる様になる〗だから読み込む魂が無い器を見張る場所だったんだよ、一応期限があってそれを破棄する必要もあったんだ。」
キナミ「破棄される器は最終的にどうなったの?」
CORPSE「此処の管理をしてたのはトゥイルとサクアキの2人と状況を受け取る係がミオイとクロガワだったんだ、でもボクは管理者じゃなくってさ器の行方は分かってないな。」
キナミ「『クロガワ』・・・、あの人は居なくなってしまったんだよね…。」
CORPSE「孤児院の院長さんだよね、トゥイルが子供を人質にしてたんだっけ。」
キナミ「正直…罪悪感しかない、俺が此処に来なければって。」
CORPSE「引き摺る理由は良く分かるよ立場を理解した証拠だ。でも〖脅されてたあの人より何も知らないキミが居る〗結果論だけど少なからずボクやミオイは救われているよ。」
〔8〕
キナミ「本当に…?」
CORPSE「そりゃぁね、トゥイルから逃げている今この状況が特にそう。」
キナミ「・・・そっか…、ありがとう?」
CORPSE「アハハ。さて安堵した所で案内をしよう初めての人には道を教えないとね。」
キナミ「倉庫に詳しくは無かったんじゃ…?」
CORPSE「ボクは鼻が利くからね」
キナミ「 鼻、無くない? 」
CORPSE「 それは、言っちゃダメだよ。 」
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〚〚 26話終わり、27話に続く 〛〛