【△】30話 『命の無駄』

〔1〕

五角形の世界【器の倉庫】に辿り着き次なる目的地【〇の世界】へ向かう為に緑の一角『キナミ』と彼を導くシカバネの『CORPSE』は倉庫の上へと進んでいく、彼らの始末の為にこの世界を揺るがすは■と▼が連なる一つの影〚ヤツ〛が再び動き出す。

???「俺の足止めにこの大扉を閉めたつもりだろうが こちらは予習済でね残念ながらこの剣さえも留められなかったよ…よォ、コープス?」

声のする方へ2人は下を向き〚ヤツ〛を見る、見た目こそ変わったがヤツは2人と会っている。

CORPSE「やっぱりキミなんだね、ボクらを始末しに来たのかい?」

キナミ「スズクハさんにログアウトされてから何をしていたんだ、トゥイル…。」

〔2〕

ヤツはキナミの言葉に対し軽く嘲笑うと一度去った経緯に答えず語る。

トゥイル「良くもまぁ覚えてたモンだ、あの時のはお前には何ら関係無い…さて。」

トゥイルは倉庫の中心に囚われているモーフォスを見つめながら作戦の実行を開始する。

一方で2人はトゥイルに構わず上へ向かう、その途中CORPSEはキナミに質問をする。

CORPSE「キナミ。予定通りに〇の世界へ向かうか更に上へ行くかどうする?」

キナミ「俺はどっちでも良いけど…でもその提案なら、どうしてさっき次の目的に【〇の世界】を選んだんだ?」

〔3〕〔4〕

この提案に対しキナミは質問をしそれに彼は答えた。

CORPSE「ボクらウイルスデータの存在はファイルに送信される必要があるんだけど、その場合世界一つ抜かせないんだ。」

キナミ「つまり…えぇっと次の世界に向かう度に上書きされないと、行けないって事かい?」

CORPSE「大体そんな感じだよ後から合流でも良かったんだけどキナミだけの時に他のシカバネが居たら守れないなって思ってさ、迷ったんだよ。」

キナミ「そっか、でも確かに今この下にはトゥイルが居るもんな…。」

2人の会話を遮る様に足元にヒビが入る程の爆発音が《《《ドッ》》》と強く響いた。

キナミ+CORPSE「此処で爆発!?何か、起爆になるモノって…」

〔5〕

2人が驚く中で下からはトゥイルの嬉々とした声が上がってくる

トゥイル「オイ、どうよォ?この倉庫には爆弾が山程置いてあるんだぜェ!」

キナミ「此処に爆弾って…」 CORPSE「…まさか、トゥイルお前住民を…」

通路に剣を引き摺り回しながらトゥイルは2人に語る、ヤツの足元には住民が転がっている

トゥイル「アァ…使ったよ俺が此処に来た以上この世界は不必要になる、良く言うだろ世話になった場所は綺麗に掃除してお別れにするのさ。」

CORPSE「都合良く解釈して使う言葉じゃない、キミが使っているのは此処に保管された人間の命だ。」

トゥイル「保管?そりゃ違うな此処はもうお前らの知ってる施設じゃねェ俺らの研究素材倉庫さ」

キナミ「それも違う…!違うよ、この世界が作られる前は…。」

CORPSE「キナミ…」

トゥイル「ハハ…笑わせんなよキナミ、親に捨てられ国から金を注がれず生きる意思さえ途絶えたガキがただ居ただけの【黑代孤児院】ってのがお前にとっての思い出の地ってか?お前がこの世界に来た理由はなんだっけかァおい。」

CORPSE「お前の言ってる事は悪意だ。」

トゥイル「だから何だ?国そのものが孤児院存続を見捨てた事実があり偶然俺らが引き受けた。俺らの計画にゃ被験者が必要で施設を捨てたい国と意見が合致しただけのこと〖クロガワも同意をした〗管理者として子供を見守る為にだとよ。」

キナミ「クロガワさんが………?」  CORPSE「…。」

〔6〕

トゥイル「俺は話を持ち掛けただけ…そして施設利用の提案したのが国だ。国の意向と同意しちまったクロガワを恨むことだ、だが勿論どちらも存在しない日本は上の奴らの強欲で消えクロガワもID失くしやがって俺が始末せにゃならんかったよ」

トゥイルたちの会話の最中《ピ・・・》っとトゥイルの足元に倒れていた住民の頭部に亀裂が入り真ッ二つに切れ《ゴロッ》転がりきると瞬時に《《パキッ》》とヒビが入ると大きなエネルギーが生じ始めた、この時の違和感は2人も感じ取れ会話を途切れさせる他なかった。

キナミ「あ…こ、これは……!!」  

CORPSE「キナミ、トゥイルの事はあとだよ!巻き込まれてしまうよ。」

〔7〕〔8〕

会話を放りキナミとシカバネは出口に繋がるとされる部屋に向かう下の階層に居た住民たちはトゥイルの手によって切られ倒れ不発など無く1体1体が爆発し窓や階層を確実に壊していく器の倉庫は住民の爆発で半壊寸前まで壊れていく

トゥイルは剣を引き摺り彼ら2人を追いかける、その時小さな愚痴を溢した。

トゥイル「この施設は無くならないでほしかったよ何とも居心地が良くってさァ…ただ『イルハ』から命令がきたよ〈必要が無い〉ってさ データを削除するのにあまりに孤立して人も増えた、余裕の為の貯蓄は無駄となり果て実につまらなくなったよ一括には出来ない不自由さ人間の作るシステムはいつまでも面倒だ。」

〔9〕

足場は崩れ五角形の世界は朽ち始める

《《《ガラッ》》》

【五角形の世界】の欠片は次々と最下層の墓場に落ちていく、落ちて、落ちて。

ただただ落ちて、崩れて落ちて原型さえ見えなくなっていく

〔10〕〔11〕

足元が完全に失われ器の倉庫の中心部までもが崩壊し住民の多発した爆破によって囚われていたモーフォスは欠片と共に落ちていき、そしてこの兵器も《《ゴトッ》》っと地についた。

この地についた重い音に気が付きシカバネは上層の窓から見下ろして中心部から消えた奴の存在を見た。

CORPSE「どうしてアイツの腕まで一緒に落ちているんだ!?」

トゥイル「落としたのさ」  CORPSE「落とした…?」

トゥイル「モーフォスを気絶させたのはサクアキだがコイツの場所を決めたのは俺だ、当然想定済みさ」

〔12〕

モーフォスのパーツ全てが地につき接続までに時間が掛かっている。

【Triangle】消失のタイムリミットは更に短くなった、モーフォスは動き出す。

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〚〚 30話が終わり、31話に続く 〛〛

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RROD/HRM

自己流の挨拶で〖おはばんちは〗RROD/HRMと申します。 小学生の頃に描いていた物語をリメイクし世界観を広げて沢山のキャラと本編創作である《崩神の世界》を描きながら活動しています、大まかに登場人物と別視点での物語を描いています。 YouTubeやTwitterでも作っているので気になった方はそちらもどうぞ~ 又、こちらでは本編とは世界観の違う《さんかく》という物語を作っていく予定ですので 宜しくお願い致します。 季節や行事に沿ったイラストも稀にですが描いていこうと思っております。

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