※アイキャッチ、立ち絵GeminiAI AI学習禁止
Episode4

高身長で服がボロボロのツギハギの好青年だった。
「・・・・・・・さっきの声はあなただったの?」
「そうだ。俺はお前によって導かれた存在」
ツギハギの青年は、私をみると優しそうに微笑んだ。
ぎごちないけれど・・・見た目に騙されないで私、かっこよくても声が少しイケオジ風に怖いのは口に出さないの。
「へ、へぇ。だったら意外とたいしたことないなー」
「聞こえないぞ。震えていることは確かだがな」
好きでこんな小声になっているわけじゃないのよ。
身体が動かないのをいいことに彼は私の方にゆっくり近づく。
「あの声はお前だったのか」
「質問を質問で返さないで。まぁそうなるわね」
この場合、わたしは目の前にいる怪物の男に何かを伝えなきゃいけないのだけれど。
あいにく言葉が思い浮かばず諦めることにした。
「客が来るとは珍しいこともあるんだな。俺は幸運の持ち主だ」
「・・・・・・・どういうこと?」
二メートル近くある身長で今にも私のことを捕らえようとする彼はゆっくりとしゃがみ込む。
「俺には記憶がないんだ。誰によって生み出されたのか。だから手伝ってほしい」
「記憶がないですって? それは本当のことなの」
怪物は頷いた。
ヴォルフよりもどこか哀愁が漂い、この怪物はただ者ではないと確信した。
「もしお前が、俺を受け入れてくれるような優しい人間だとしたら教えてくれ。この俺と仲良くしてくれないか? 今すぐに分かり合えとは言わない。だから・・・・・・・」
本気なんだね、彼は私が体験したあの事件の青年と同じ末路と少し似ている。
声が恐ろしいのも見た目が醜いのも仕方がない。
「いいわよ。私が友達になってあげる。あなたの記憶探しも手伝うわ。相馬よ」
「いいのか!? 俺には名前がない。ソウマがつけてくれ」
ぎゅっと抱きしめる怪物に、私は少し苦しく感じた。
私ってもしかして寂しそうな怪異に好かれやすいタイプなのかな。
「わかったから!お願い離して、ゼオ!」
「ああすまない。ゼオ、これが俺の名前だな?気に入った!」
なんとか離してくれたのはいいものの・・・・・・。
レオさんが見たらきっと失神しちゃうだろうな。
その時だった。
「こんなところにいたのか。探したぞ」
やばいきちゃった、どうしよう。
ゼオとレオさんが対面するなんて考えただけでも・・・・・・。
「君はいったい誰だ?」
「ゼオ、俺の名前。記憶がなくてソウマと知り合った」
私は顔色を青ざめ、すぐに言い訳を考える。
ゼオが怪物だと知ったら大変なことになるに違いない。
「レオさん! さっき飛び出しちゃってごめんなさい。これには訳が・・・・・・・」
「迷い込んだ怪物とでも言おうか?その話を詳しくきかせてもらおうか」
「え・・・・・・・」
私は身体の力が抜けて思わずしゃがみ込んだ。
Episode5
研究室に戻った私は、レオさんに正直に今までのことを話す。
嫌な予感だけが当たるのは勘弁してほしいの。お願いだから。
「記憶がないんじゃあ仕方がないな。俺は普通に接しよう」
「彼のことが怖くないんですか!?」
「なぜだ?」
私とゼオは困惑していた。
普通ならこんな怪物みたら鬼の形相で化け物なんて言うと思っていたから。
「俺は生命の研究をしているんだ。こんなことで怖気づいてしまうほど馬鹿ではない」
「い、意外と冷静なんですね」
「俺はこの男を信じていいのか? 不安になってきたぞ」
そんなこと私に聞かれたってわからないわよ、なんて無責任なことは言えなかった。
レオさんがここまで肝がすわっていて冷静な学者だったとはね。
まぁ後で裏切りそうな時は別な方法を考えるだけ。
「かの有名なヴィクター・フランケンシュタイン博士といっしょにしないでほしい。俺はこれでも『まともな研究しか』していなかったからな」
「不思議な男だ」
「大事にならなくてほんとよかったよぉ・・・・・・」
何ができて何ができないか。
すると私のスマホから着信音が鳴り二人をさえぎる。
「ちょっとごめんなさい。電話、すぐに戻ります」
レオさんとゼオは頷くと二人だけで話し合っていた。
私は廊下に戻り、電話をはじめる。
「もしもし? あっ、リリカさん」
☎「もしもし、私よ。相馬に伝えたいことがあって連絡したの。今大丈夫かしら?」
「勿論ですよ。それで、どうかしたんですか」
☎「貴方が今回向かっている古城について私の方でも詳しく調べてみたの。そうしたら恐ろしい事実が発覚したわ」
「・・・・・・えっ? 恐ろしい事実?」
背筋が凍り私はごくりとつばをのみこむ。
リリカさんが伝えた内容は文字通り衝撃的な内容だった。
☎「様々な怪異たちが住み着くホテルでもある。相馬、貴方はこれから色んな怪異たちと出会うことになるのよ」
「・・・・・・えっ? でも実際にはメイドさんや、レオさん。あとさっき出会ったフランケンのゼオという怪物の男がいるはず」
☎「人間は、貴方とレオ・ジェイルだけよ」
そんな、ゼオの他にも怪異がいるってことなの?
私はリリカさんが冗談を言っているようには思えない。
「そんな。じゃあ、対処法はどうしたら」
☎「いざという時のために、あなたのチャットにとあるアプリのリンクを貼っておいたわ。それで怪異の対策をして頂戴。引き続き、古城の調査を頼むわね」
そう言った直後に電話は切れてしまった。
私のチャットアプリにリリカさんからの通知を見つけ、開いてみる。
「ミステリーロジック?」
そこにあったのは、虫眼鏡に月のマークが描かれていたマークのアプリだった。

