チョウチンアンコウのおひめさまは、小さいころからおじいさんのおはなしをきくのがだい好き。
とくにちずをみながら『陸』のおはなしをしてもらうのがだい好きでした。
おじいさんが水にかえってから、おひめさまはまいにち泣きとおし。
おうさまもおうひさまも、みんながしんぱいしています。
そんなある日、おひめさまはなにやら大あわてのようすです。
大きなかばんにたからものをたくさんつめて、おじいさんのちずをにぎりしめたおひめさまはけついします。
「わたし、『陸』をめざすの!
よんほんあしの魚も、おいしい実のなる海そうも、みんなみんなみつけるんだ!」
こうして、おひめさまはたった2匹のおともをつれて、だいぼうけんにくりだしました。
その手にもったちずが、とってもたいせつな『うみのちず』であることもしらずに……。