『ボクとキミの距離感』
「ボクは恋ってシャボン玉だと思うんだ。」
「えっ?なんだか歌の題名みたい。どういうこと?」
「近づきすぎると壊れてしまう。」
「そういうこと?でも、シャボン玉に砂糖や蜂蜜を混ぜると壊れにくくなるんでしょ?」
「だけど、何度も傷つけられたら壊れてしまうだろ?」
「それはそうだけど・・・。」
「キミはどう思う。」
「私は恋って綿あめだと思うの。」
「へぇ、どうして?」
「フワフワして、甘くて、いろいろな色と形があって。」
「甘い物って、飽きない?」
「飽きないように少しずつ、楽しめばいいでしょ?」
「少しずつ食べていると、綿あめがしぼんじゃうよ?」
「そしたら、また綿あめを作ればいい。何の話していたんだっけ?」
「んー、砂糖は取り過ぎても良くないということかなぁ?」
「なんのことを言っているの?」
「ボクとキミの距離感。」
「それで?」
「相手のことを一番に考えて行動するということなんだと思う。」
「私もそう思う。」
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『ポケットの中』
「寒いね。」
って私が言ったら。
「こうしたら暖かいよ。」
と言って私の手をキミが自分のポケットの中に入れたまま握り締めたのはいつのころだっただろう。」
遠い記憶の薄れゆく思い出の中に1つだけぼんやりと覚えている。
「『この橋を渡ると別れる』と言う話を聞いたのは二人で行った後のことだったね。その通りになってしまったね。それが永遠になることなどその時は分からなかった。」
春には仲間とお花見をしたり、夏には炎天下でビールを飲んだり、秋には河原でイモ煮会をしたり、冬には鍋パーティーをしたね。
楽しいことばかり思い出すんだね。
キミは何をしていますか?
キミのいなくなった世界は真っ暗で冷たくて、誰も温めてくれなくて、吹きすさむ風を盾になって私を守ってくれるキミはもうここにはいない。
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『キミのそばには』
私はキミの側にいられるだけで幸せだった。
話をしなくてもよかった。
それが辛くなったのはキミには元カノがまだ、そばにいると聞いた時だった。
私はただの同僚でしかないの?
それでもなんとか、キミの幸せだけを願い毎朝、明け星様に祈る。
いつか彼女と別れることがあっても、新しい彼女は私ではないのね。
私は髪を切って、新しい服を着て、少しお洒落な靴を履いて風にでも吹かれようかなぁ。
少し冷たいけれど・・・。
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『ごめんなさい』
生き難い世の中を生き抜くための手に入れた言葉。
『ごめんなさい』
いつしか口癖になっていた私。
その私に
『ありがとう』
をくれたキミ。
いつしか『ありがとう』が『好き』に 代わって行くのがわかる。
『好き』が『愛している』に代わるまでに時間がかかる。
生きて来た時間よりもかかるかもしれない。
『好き』をたくさん増やしてキミに届けよう。