〔1〕┄〔2〕
ようやく△の世界に到着してから中心部を通っていき、暫くすると緑がベースだった場所は赤色をベースにエリアが広がっていました。
5号が先に通路を抜け後を追う様に〇も開けたエリアのもとへ足を踏み入ると、その一瞬の中で突然《ヴォンッ》と勢い強く何かが〇の目の前に向かって振り下ろされた。
〔3〕
??「この世界から帰れ!5号さんから離れろ怪物めがッ!!」
〇「!!」
若い声から放たれる言葉と共に〇の大きな頭部を飛ばせる程の重々しい大剣を振り下ろす一人の深緑色をした▲が待ち構えていた、その存在に気が付いた5号は咄嗟に彼の行動を呼び止めた。
〔4〕
▲5号「待て3号!!今度は何の勘違いなんだ!彼は〇の住民だぞ、いつもやって来ている住民じゃないか」
〇の頭を斬り上げる寸前で5号の言葉を聞き振り下ろしていた大剣をピタリと止め彼は口を開いた。
▲3号「何を言っているんですか!?いつもならオレの勘違いで済んでいたけど今日貴方に着いてきているコイツはどう見ても怪物だ、〇の世界からやってきた住民の姿じゃない!5号さんがいくら先輩だとしても見過ごせないよ!!」
▲5号「今回も〇の住民だ、勿論□の世界の住民ではない。いつも通り監視役として俺がこの場を離れていたら通路前にコイツが居たんだよ…しかもその場で寛いでだ…。」
【太陽が見える場所】での出来事を偽りながら3号へ事実という体で伝えこの場をやり過ごそうと試みる。
〔5〕
しかし5号の言葉に驚愕した3号は声を荒げながら言った。
▲3号「これは〇じゃない、少なくともオレはこの見た目の生物は知らない!」
▲5号「お前はまだ△の世界にやってきてから2年も経っていないんだよ、それなのに俺たちの世界の者じゃないと言いたいのか?それはあり得ないだろう…。」
ほんの数秒、呆然とする3号を言葉で振り切り〇を連れていこうとする。
〔6〕
呆然としていた3号は気が戻り5号に向かって言いました。
▲3号「…5号さんがそう言うならオレは異常だと、そうなのかもしれない…けど貴方がコイツに襲われる事がもしあったら直ぐに駆けつけますからね!まだ恩返しが出来ていないから、だからオレ助けに行くから!」
▲5号「あぁ。その時が来るかはわからないけれど本当にお前の言う通りになったら来てくれ…キミは此処で戦える数少ない△の戦士だからね、俺はこれから2号さんのもとに行くよ、この〇の対処について聞いてくるから引き続き此処の見張り役を頼むよ。」
5号はそう伝えると3号は〇の頭部を斬り上げる為に留めていた大剣をその場に下ろし見張り役として残り、『2号のエリア』に続く通路へと進んでいく二人を見送った…。