〔1〕~〔2〕
足止めを諦め見送る3号の背中に続くまたも長い通路へ足を運び奥へ奥へと進む二つの姿、既に疲れている5号はこの状況にほんのりとウンザリとしながらも〇を連れ『2号』と呼ばれる人物のもとへ歩いていく。
5号「はぁ…この世界ってどういう訳か無駄に通路が多いし無駄に長くてキミを【太陽が見える場所】から離すのにも此処の通路の事も含めて面倒くさくなったよ…」
自分の背中についていく〇を振り向き確認しながらそのまま言葉を繋げる。
5号「こんな長ったらしい通路にも理由があるんだろうが俺にはわからないんだけどさ、まぁこの事もついでに2号さんに聞く価値はありそうだなぁ。」
〔3〕
通路を長々と進んでいくと二人の前に大きな扉が見えてくると同時に2号の事を呟いた。
5号「はぁ疲れた やっと扉の前に着いたよ、この先に2号さんがいるよ…いったい何年振りになるんだろうな、もう随分会っていなかったから喜ぶかな」
〔4〕~〔5〕
5号「とにかく2号さんのもとに行こう、まずこの扉を開けないと…。」
扉の前に到着して立ち止まると共に5号は突然《ヴォン》と音を立てて[手]を出現させた、扉に付いたスイッチを出現させた手を使い《カチッ》っと音を鳴らし押すものの久しく開けていなかったのか思う様に動かない。
〔6〕
少し経つと《ガチンッ》と音が鳴ると奥に押し込まれた
5号「えっ⁉開かないと思ったのに、急に動くだなんて、危ないな…!」
〇と自分が巻き込まれない為にその場から遠ざかり、少ない埃が足元を舞うと下から天井へゆっくりと扉が開く。
〔7〕
シャッターの様に開ききったのち暗闇広がる部屋が二人の前に現れた。
開いた扉からは紫掛かった手鏡が見え部屋の向こうには何かが《キラリ》と輝いた。
〔8〕
明かりの無い真っ黒な部屋で輝く物体に気が付いた5号は声を震わせながら恐る恐る頭から覗き込んだ。
5号「え?あのー、2号さんお邪魔します…、ちょっと用事があって来たんですけど…」
部屋の主である2号の返事は少しも返ってこず、心配した5号は部屋の床に思わず踏み入れたのでした。