〔1〕
長い通路の中ウンザリと歩くちっぽけな図形の二人組やっと2号と呼ばれる△の部屋へ辿りついたというものの覗き見るだけで暗い空間が広がっていた状況を前に声を出せない人物を傍らに恐る恐る口を開くは緑の一角。
5号「に、2号さーん?俺、2号さんに聞きたい事があって数年振りに来たんだけど…い 居ますか…?」
〔2〕
5号「あの、当時の事なんだけど…俺もうあの事怒ってないから…またお話しませんか…?」
思い切って声を出してみたは良かったがその言葉に対し反響もなく2号からの返事も来ず不安が詰まってきた5号は部屋に軽く踏み込もうとすると目の先の奥で何かが動いた
《ヒュッ》と微かに素早く音を立て飛んでくるは…。
5号「え、 棘・・・?」
〔3〕
突然暗闇から飛んできた棘に驚きその場から去り避ける余裕もなく気付けば《グサァ!!》とドス鈍い音を立てながら5号の頭をゴリゴリ貫き身体の一部破片を散らかしていく。
〔4〕
5号「ウワァァァァァアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」
飛んできた棘によって頭を貫かれた5号は勢いのあまり断末魔をあげながら通路の床に倒れ込み傍に居た〇も呆気に取られ散らばる破片を見守った。
〔5〕~〔6〕
そんな状況になってしまった中、《パチッ》っとスイッチの音を鳴らし電気が付き明るくなると、その部屋の奥から一人の女性の声が聞こえてきた。
??「嫌な違和感がしたから咄嗟に投げてしまったけど全く…キミは女の子の部屋を覗き見する趣味があったのかい?非常時でない時に部屋が暗い場合は大体は就寝だろう?この世界には夜も朝の概念がないから疑似的に生活するのに必要だったんだよ。」
〔7〕
真っ暗だった空間を照らす様にうっすらと明るくなる部屋の中から優しい青色をした△が姿を現した、同時に〇の存在に気が付いたのか彼に向かって語りかけた。
??「おや珍しい奴だ、5号が連れてきたの?さっきまでのドス黒い違和感はなんだったんだろう…」
〇「!」 ??「本当に〇なのかい?」
5号「……〇ですよ、その人…。」
気を取り戻したのか起き上がろうとするも頭に突き刺さった棘の重みのせいか上手く立ち上がれない
〔8〕
自身が飛ばした棘の行方がわかると同時に5号への心配と怒りが混じった言葉も飛ばしてきた。
??「あ!私が投げたやつ、貴方の頭に刺さってたの‼ いやまぁ覗き見たのは流石に許さないんだけどさ。」
5号「そ、それは…いえ ごめんなさい2号さん」
??「いい加減その名前で呼ぶのは止めてくれよ『キナミ』、私には『ミオイ』って名前があるんだからさ。」
2号と呼ばれる人物は5号のことを許していないのか、もう一つの棘を出現させ妙に厳つい圧力を持ちながら二人のもとにゆっくりと近付いた…。