【△】 11話・現実のモノ

〔1〕

団欒をしようとする束の間で何かがこちらに向かってきている様で『それ』に気付いた[2号/ミオイ]は部屋の扉を閉ざし同じ状況に立つ[5号/キナミ]へこれからの事びついて話し始める。

2号/ミオイ「さて…どうしたものかな…明らかにこの世界の物ではない音が聞こえてきて黙って話している訳にはいかないよね、ひとまず扉は閉めたけど時間の問題かもしれないな。」

5号/キナミ「ミオイさん 一瞬言葉が詰まった様にみえたんですが、思い当たるモノがあるんですか!?それに〇の違和感とか1号であれ何であれって一体どういう事なんですか?」

2号/ミオイ「そうだな順に話そう…ただ扉の先の音からして話題は最低でも1つしか話せなそうだけど。」

〔2〕

5号/キナミ「それでも構わないです、その1つを聞けるだけでも。」

2号/ミオイ「まず話の前提としてキナミは今この世界の下層にて起こった出来事を知っているか?」

5号/キナミ「え、えぇ確か黒い怪物が現れたとかって、この世界で広まったつい最近の話ですよね…でも今は【器の倉庫】で捕縛されているって話では?」

2号/ミオイ「あぁその通り、しかも見た目もハッキリとしている『全体的に黒と黄の長方形で構成されたまるで簡略された巨人、楕円形で紫色の眼を持つ』ここまで明らかな情報は今までにない前代未聞な事だ。」

〔3〕~〔4〕

上層部である2号の口から【前代未聞】という言葉が出た事により疑問が増した5号は彼女の話を続けて聞く。

2号/ミオイ「この世界に私達がやってきて数ある図形とそれに模した身体を持って今私達は生きているの そして一住民としてこの世界にある5ヵ所のエリアを管理する為に上層部が構築されて10年以上経った…、この中で大きな出来事は無かった。ただつい最近になって【アップデート】が行われてからある事件が多発する様になった【〇が大量発生した】ってね最初は面白がったわ10年も経って音沙汰が無かったし、でも…」

すると5号は【大量発生した〇】について聞いた瞬間慌て2号の話を割いて話し始めその言葉を聞いた2号は驚き眼を大きく見開いた。

5号/キナミ「待って下さい、その情報聞いた事がないですよ!?大量発生ってどういう事なんですか?」

2号/ミオイ【大量発生した〇の中に黒い▲が紛れ込んで太陽が危うく無くなりかけた】って情報だけど貴方は何も知らないの?」

5号/キナミ「もしかして…俺だけ知らなくて皆は周知しているって事なんですか…?」

2号/ミオイ「そうね…全員かはわからないけど一部は1号に口止めされてる可能性があるわね、上層部だけで話を済ませたいから下層部に居る貴方や3号だけ伝えてないかもしれない。」

5号/キナミ「何か本当ごめんなさい。」

〔5〕~〔6〕

2号は話を一時中断し方向を変え落ち込む5号の視点を足元にあるモノに集中させた。

2号/ミオイ「まぁまぁキナミ落ち込んでいるところ申し訳ないけれど、そうねぇ…ちょっと話を中断しましょうそれから足元のモノを代わりに拾ってくれないかしら?…今の貴方にはきっと必要になるハズよ。」

そう言われた5号は暗い気持ちになりながらも2号の言う足元に落ちている紫色に輝く板状のモノを拾い上げた。

5号/キナミ「えぇ…わかりました、それで一体これは何なんですか?」

2号/ミオイ「それは現実からこの世界に持ってきた鏡だよ、お守り代わりにしては心もとないけれど私にとっては大切なモノだよ。」

5号/キナミ「お守りに持ってきた鏡を、こんな大事なモノを俺に託して大丈夫なんですか。」

2号/ミオイ「全然良いのよ…それよりも重要な意味があって貴方に託すからね。」

5号/キナミ「それってどういう…。」

〔7〕

拾い上げた鏡に指さしながら2号はある事に気付いた話をする。

2号/ミオイ「どうやら外から持ってきたモノはこの世界に馴染む様に形を保ったまま組み込まれる仕組みだけど、ガラス製やこの鏡の様に自身を映してくれる物は形をそのままに現実の自分を反映してくれるらしい。」

5号/キナミ「現実の自分を…?もしかして、初めて俺を見つけた時もこれを使って見つけたんですか?」

2号/ミオイ「勿論、顔見知りだったからすぐ見つけられたわ。」

話を聞きながら鏡に眼を向けると不思議に思える光景を目の当たりにした鏡にはまだ身に何も起こっていない綺麗な状態の5号が映っていた

5号/キナミ「え、でも今映っているのは…ってアレ?俺が映ってるけど頭ケガして包帯巻いてるのにどうして無事な姿が映っているんだ…?」

2号/ミオイ「この鏡はね裏と表の二面になってるのよ。今貴方が見てるのがこの世界での本来の姿が映る表面、裏面は現実の自分を映してくれるの。」

5号/キナミ「この世界って面白い仕様に溢れているんですね。」

〔8〕~〔9〕

先程の話を中断してまで足元にあった鏡に視点を当てさせた事に対し2号に問いかける。

5号/キナミ「そ…それで、この鏡を託した理由って?」

2号/ミオイ「私から説明するよりもキナミ自身の眼で確かめた方が話が早いと思ってね、そうね…その鏡で身の回りとか特に後ろを見てみれば良いんじゃないかしら?」

言われてすぐ自分の周りを鏡を通して見ていくも何もわからずに終わる。

5号/キナミ「手短でありがたいですけど何が映っているんですか、何も無いじゃないですか。」

2号/ミオイ「えぇ何も無かったわね私も驚いたわ、キナミと私の他が見当たらない。」

2号が何やら開き直った言い方をしていて露骨に感じた5号はもう一度鏡を見つめ凝視していると彼女が伝えようとする違和感にやっと気付く事が出来た。

5号/キナミ「こ、これはどうして彼の姿が映らないんですか?どういう事なんですか!?」

2号/ミオイ「私が説明しようとしていた事、言葉よりも眼で見た方が早いって事その意図に気付けたかしら?さて、キナミ中断は終わりよ話を戻しましょう貴方が連れてきた彼と【大量発生した〇】を織り交ぜて話しましょう。」

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今回はここまで

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RROD/HRM

自己流の挨拶で〖おはばんちは〗RROD/HRMと申します。 小学生の頃に描いていた物語をリメイクし世界観を広げて沢山のキャラと本編創作である《崩神の世界》を描きながら活動しています、大まかに登場人物と別視点での物語を描いています。 YouTubeやTwitterでも作っているので気になった方はそちらもどうぞ~ 又、こちらでは本編とは世界観の違う《さんかく》という物語を作っていく予定ですので 宜しくお願い致します。 季節や行事に沿ったイラストも稀にですが描いていこうと思っております。

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