こんにちは、アンドルです。秋も終わりに近づいている今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。私は、急な寒暖の差による体調の変化に難儀しています。虫たちも冬が近づいているのを察知してか、鳴き声も聞こえなくなってきました。そこで、今回はそんな虫たちの中でも、ひときわ物騒な名前を持つ虫を紹介しようと思います。その名は、クビキリギスです。
クビキリギスは、キリギリスの仲間に属するバッタで食性は草食性の強い雑食性となっており、イネ科の植物を主食とするほか、自分より小さい昆虫等も捕食することもあります。飼育下ではカツオ節やドッグフードなども食べます。生息域は雑木林の近くの茂みに潜んでいます。夜行性でコンビニの光や、外灯に引き寄せられる性質を持っており人の生活圏内でも比較的簡単に見つかることも多いです。体色は緑色や褐色で、これは幼虫時代に過ごした環境の湿度で決まります。また、牙が赤いという特徴もあります。
鳴き声は「ジーーーー」といったもので、オケラという昆虫と間違えられることもあります。活動期間は前年度に、越冬した個体が春に活動をはじめ、5月から6月に交尾を行い、一か月ほどで卵から幼虫となり秋ごろになると成虫になって冬が近づくと冬眠します。この生態の中でも、クビキリギスの注目する点は、日本に住むバッタの中でも長命である点で、個体によっては二年ほど生きることができるほどである点であり、これはバッタは冬は卵で冬を越す種が多いですが、成虫の姿で越冬を行い、あまつさえ二回も越冬するのは比較的珍しいといえるでしょう。そしてメスの個体は単為生殖を行い交尾自体は行いますが、産卵に雄個体が絶対に必要ではない点であり、これは、自然界において子孫をたくさん残すという意味では長所といえるでしょう。
さて、クビキリギスのように昆虫を襲うバッタはクビキリギス以外にも見られることも多く、キリギリスに近い種は肉食性を持つ種も多いです。そしてキリギリス自身も自分より小さいカエル等も捕食対象にします。クビキリギス自身もハエやアブ、小さいチョウといった小型の昆虫を捕食します。しかし、それだけでは「クビキリ」といった名前は付きません。その理由は何と自分自身の首が簡単にとれることから来ています。なぜそうなるのか、それはクビキリギスのあごの力の強さが理由です。本種はそのあごの力、かみつく力が強いため他のバッタが食べれない硬さの植物等を食べることができます。そして、その力は人間につかまれた際にも抵抗としてかみついてきますが、引きはがす際にクビキリギス側のあごの力が強すぎて頭だけが引っこ抜かれることから(自分の首が)クビキリギスと呼ばれるようになったそうです。なぜこうなるかというと、首周りの関節が細いため強い力で引っ張られると首がもげやすいからです。それが和名の由来になったのですが、物騒な名前なのに自分の首のもろさが原因とは面白いですね。また余談ですが、全身が赤い個体も存在しており、この体色は珍しい個体になります。
今回はここまで。面白い、興味深いと思っていただけたら幸いです。ご愛読ありがとうございました。