〔1〕
〚〚△の外へ投げ出され落ちた緑の三角 管理者のうち一人『キナミ』そんな底にて前に待ち構えていたのは『トゥイル』と名乗る直立している魚を模した人物。トゥイルの話によって この世界は人体実験の為に使われている施設の一部と判明すると同時に彼は【後始末をする為】この世界の核となる太陽を目指し破壊する役を担っていた…、彼らの目の前にキナミと共に投げ出され落ちてきた中身の無くなった〇を発見する。〛〛
…そして呆然とするキナミを横目にトゥイルは目的の為に動き始める。〛〛
キナミ「そ、そんな…‼アレは…!?」
トゥイル「まさか求めていた状況になってくれるなんてさァ思いもしなかったよ…ただこれでオレは動けるってもんでさ、ありがてぇ話だよ。」
〔2〕
トゥイル「さて…となると中身はもう上へ向かったのかなァ、オレもそっちへ向かうかァ~」
〇の姿を粗方眺め終え上空を見上げると六角の世界の目玉が《カシャッ》とトゥイルに合わせ始めた。
トゥイル/キナミ「「…え。」」
〔3〕〔4〕
また一度《カシャ》と音が鳴ると白い六角はトゥイル向かって語り掛けた。
〚??〛「…トゥイル…聞こえないとは言わせないよ、よくもまぁ計画を公にしてくれたね?」
トゥイル「いや…、え…おいおい此処から六角の世界まで随分と距離があるってのに、まさか聞こえていたってのかよ?そりゃぁ勘弁してくれよォ…。」
キナミ「貴方はトゥイルの仲間、なんですか…? 何処に通じて見ているんですか!?」
恐る恐る声を絞り出したキナミの言葉に六角の瞳孔が2層も広がると後ろにいるキナミを忘れてトゥイルは慌て始めた…。
〚??〛「やぁ5号いや今現状は季波くん、だったね…。」 キナミ「お、俺は…」
〚??〛「えぇ分かってる君はこの世界に来る以前の記憶は無い…厳密には一時的に消失しているだけね。…仲間、そうねワタシは一応トゥイルの世話役なんだけどね。」
視線を目玉から背けて世界の事についてトゥイルから疑問が飛んでくる。
トゥイル「ど、何処まで知ってんだよ?」
〚??〛「さーね、ワタシは魚胴野郎よりは知っていると思うわ。」
〔5〕
トゥイル「ぎょ、魚胴野郎…?」
変な呼ばれ方に動揺するトゥイルを傍らにキナミは2人の会話を静かに聞きながら要所で質問を伝う。
〚??〛「さてトゥイル…今こちら側は緊急事態でね、少しの間戻ってきてもらおうと思っているんだ。」
キナミ「緊急事態?トゥイルは役目をこなそうとしているんじゃ…?」
トゥイル「こいつに心配されるのムカつくけど確かにその通りだなァ、オレが必要ってのはどういう事だい?」
〚??〛「ワタシ達の計画の情報漏洩を軽々やった貴方がムカつける立場じゃないって事はわかるわね?申し訳ないけど何と言おうと暫くの間こちらに来てもらうわ、口ごたえは許さないよ?」
〔6〕
六角の目玉が話終えるとキナミは違和感を感じ取り周辺を見回すと《ガラッ》と揺らぐ
トゥイル「な、何だ…?」
〚??〛「事態が少しでも治まったら此処に戻りシカバネ達を吸収し太陽を破壊する、それが次のプログラムだよ」
キナミ「シカバネの吸収…」
〚??〛「さて季波くん…この奈落の底では暫くの間 君は自由の身だトゥイルが居なくなる間この世界から脱出するか黙って立っていても構わない。この世界が消えるまでのタイムリミットは約3時間【魂の保管庫】にでも行けば良い。」
トゥイル「オマエら一体何の話をして… が?!」
口封じをする様に真上から瓦礫がトゥイルの頭部へ《ガンッ》と降り落ちた事によってクラッシュし強制的にログアウトされてしまう。
〔7〕
強制的に中身を失ったトゥイルの抜け殻はキナミの足元にて倒れ転がり意識すら感じ取れなくなったが、ほんの僅か微かに真上からヤツの声が聞こえてくる…。
〚トゥイル?〛「おい⁉どうしてくれんだ!ログインする為に必要なデータを置いてきちまったじゃねーか!」
キナミ「目玉からトゥイルの声がッ⁉やっぱり繋がっているんだ、何処かに…。」
耳を傾ける様に2人の会話を聞き続けていると…
〚??〛「まぁ落ち着いてほしい、あの身体はシカバネを吸収するのに適した身体じゃないだろう?事が済んだら場に戻れば良い、あの身体にログインしたら【器の倉庫】から入り直してくれ。シカバネ吸収はそれからだ。」
〚トゥイル〛「…チッ、頼まれごとやりゃ良いんだろ?ラクな仕事よこせや 何でシロガミなんかを…」
トゥイルの声が段々と聞こえなくなると六角の目玉がキナミに向かって動き呟いた。
〚??〛「さてひと段落ね、厄介者が居なくなったところで…季波くん。君はそこらに眠る死体にでも話し掛けてくれトゥイルが消えた今、容量は大きく空いただろうからね。」
キナミ「どうして助言してくれるんだ…、俺は貴方の敵なんじゃないのか…?」
〚??〛「えぇワタシ達と貴方はお互いに敵同士…逃げるなら今の内だという事これだけは事実よ、この言葉を今の貴方にもお姉さんにも申し訳ない事をしてしまったと思う。もう流れを断ち切る事は不可能に近いの諦めるか此処から出るか好きになさい。」
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〚〚 17話 終わり 〛〛
2024年のNovalue更新はこれにて終いじゃッ!! 今年はありがとうございました、お疲れ!
2025年も宜しくお願いしますm(_ _)m