
ミミズクは夜の深い静けさを愛する生きもの。
けれどこの日は、どうしても見たかったのです–太陽の下で風に揺れるコスモスの花を。
月明りで見るあの花は本当はどんな色なんだろう?見てみたいなぁ・・・
夜通し風の音に耳を澄ませながら、朝を待ちました。
やがて東の空が淡く染まり、光が木の葉に差し込むと、ミミズクはそっと羽根を広げて原っぱへ向かいます。
そこには、コスモスがたくさんの可憐な花を咲かせ、朝の光を受けてきらめいていました。
時折花びらが風に乗って舞っています。
蝶々が光の線を放ちながら穏やかに飛んでいます。
ミミズクはじっとその光景を見つめ、秋の風に包まれながら、太陽が照らす世界にそっと心を開いていきます。
この作品は、季節の花に惹かれ、夜の生きものが秋の夢を想い見たひとときを編み込んだ、静かな物語です。

コスモスは夜間も咲いている花ですが、あえて夜行性のミミズクが太陽の下でコスモスを見たというお話になりました。
そして、それはミミズクが太陽の下でコスモスを見たいという夢を持ち、夜更かしという努力の果てに叶えた夢か、結局寝てしまい見た夢だったのか定かではないというストーリーにしたかったので、どちらも掛け合わせた題名と最後の一文にしました。
なぜミミズクだったのかというと、動物園でミミズクを見てとても可愛かったからです。
似ているフクロウのほうが馴染みがあるのかもしれませんが、なぜかミミズクにとても惹かれるものがありました。
フクロウとミミズクはどちらもフクロウ目フクロウ科ですが、フクロウは頭が丸く、ミミズクは羽角(うかく)という耳のような飾り羽が付いている違いがあります。
この羽角を付け、写真を見ながらミミズクを編んでみました。
また、コスモスは可愛らしい色の毛糸を3色入手できたのでそれを使い編んでみました。花びらを綺麗な形に編むことが難しかったです。
背景は薄いやや光沢を感じさせるようなベージュの毛糸を使用し、秋の朝らしさを出せるようにしました。
ベージュ系とピンクの組み合わせは意外としっくりくると思いました。
花びらが風に乗って舞う様子を、糸始末せずふんわりと貼ることで表現しました。
また、ビーズを使い、太陽の光の輝きを表現しました。