
某匿名掲示板(国内大手ではない)を眺めていると、作品の質が高くない創作者…特に40代以上の人間や上達しない横ばい状態の方に厳しい印象を受ける。上記掲示板に書き込みをしていたユーザーの半数程度は一定水準の質を求める印象を受けた。
私は上記の意見に同意することができなかった。比較的新規流入が少ない静かなコミュニティで活動していることと、誰かの作品が気に入らなければSNSアカウントをミュート・ブロックだけして誰にも言わないという自分の性格が大きいかもしれないが、「下手だから公共の場所に公開してはいけない」とか「創作者なら向上心を持たなければならない」という意見には同意しかねる。
自分は「下手の横好き」でもいいと思う。勿論それは一人の人間として閲覧者などの相手に礼儀を持つということが前提となるが。
創作が下手な人を指す蔑称的なネットスラングがあるが(「ヘタレ」を子音だけ抽出したもの)、本来は創作物の質が低いことに加えて人間性に問題があることを指すはずだった。(現在は前者の意味に特化しているように見受けられる)
だから後者の問題を抜きさえすれば私は特になにも思わない。
創作はプロを目指さないで趣味の範囲で行う(二次創作の場合は禁止されたら取り下げる)、誰かを支配しない・誹謗中傷しない限りは自由にやっていいと考えている。勿論作品の特性によるゾーニングは必要だけども、それらさえ守れば自由でいいと思う。
私は他者の創作作品に触れる際は「not for me」を意識している。直訳すると「(これは)私に向いていない」だが、何か苦手なものに遭遇した時は創作主に責任転嫁せず、「私の好みではなかった」だけで済ませるということだ。乱暴に言えば「嫌なら見るな」と定義が若干近い為に同意できない方もいるだろうが、創作活動や推し活を平和に過ごす方法としては最適ではないかと考える。
それと、高齢の創作者に関しても私は優しく考えるようにしている。今より創作の腕を磨く情報が少なかった時代に育ったということもあるだろうし、創作物のセンスに関しても差異が大きいということはなんとなく分かる。自分自身の作品も若い人にはあまり受けがよくないだろうと覚悟して描いている。
じゃあ匿名掲示板なんて読まなきゃよかったか、と言えばそうでもない。「絵だけ淡々と発表するアカウントは、多くの人にとってストレスレスである」ということを学んだことで、そこまで上手くない身でも昔より平穏に創作活動ができている。上記のことに絡めると、「創作物の質が低い上に人間性に問題がある」から「人間性の問題」を抜く努力をするようになったということだ。コミュニケーションを円滑に行うという意味ではいい方向に作用した。
今回まとめてみて、「他者の意見を読んで『同意できない』と思った時にどうしてか、と考える」ことは必要だと思った。