
「──だってうらやましかったんだもん」
「──俺は反対したんだ。大体なぁ……」
「け、けんかしないで。ブリッツェンは悪くないよ」
「コメットは黙ってて。提案したのはボクなんだから」
「そういえば、ルディは大丈夫?花粉症つらいって言ってたけど」
「ルディは薬飲んだ?」
「ルドルフ、薬を飲んだとはいえ無理はするなよ?」
「僕が見てるから大丈夫」
「……う゛ん゛。やっと薬が効いてきたみたい」
上からダッシャー、ブリッツェン、コメット、プランナー、ヴィクセン、ダンサー、キューピッド、ドナーと
ルドルフ。トナカイ全員集合である。
みんなで仲良く(?)手を洗い、サラダを作り始める。レタスをちぎったり、切った野菜を混ぜる。
シーチキンのサラダだけでは物足りないかもしれないと思い、フルーツサラダも作ることにした。
適度な大きさに切ったフルーツや水切りしたフルーツ缶とヨーグルトとクリームチーズを使った、
混ぜるだけのお手軽レシピである。
シーチキンのサラダとフルーツサラダが出来上がると、それぞれの器に盛りつける。
テーブルにパンの入った籠とカップスープの入ったコップを置いて少し遅くなったが、昼食の完成である。
「──いただきます」
トナカイたちもフォークを使ってゆっくりとサラダを食べている。
フルーツサラダも、トナカイ達にも好評だったようだ。
「──みんなで食べるご飯もたまにはいいね」
「こんな日も悪くはないのぅ……」
彼は急な来訪者達に驚いたが、にぎやかな食事も悪くないと思ったのだった。
おまけ
「ただいまー」
「おかえりー。サンタさん元気だった?」
「うん。元気そうだったよ。はい。お土産のさくらもち」
「ありがとう!!きれいなピンク色だ。食べるのがもったいないね」
一匹のトナカイが、森の精にお土産を渡している姿がそこにあった。
彼は嬉しそうにお土産を受け取ると、お茶の準備を始める。
「──今日は人の姿になったり、サラダを作ったりしたんだ」
「──今日は特別な日だね」
「──うん。とても特別な日だったよ」
森の精ことレーシーは、お茶とともに友人のお土産話に耳を傾けたのだった。