#11 「1人の女性」
父上、いままでの無礼をお許し下さい
おまえ・・・本当に成か・・・・・?
青海成は、いままで絶対にしないことをした。
それは、父親に対し、頭を下げ土下座…
選挙に負けたことは悔しくなかったが
敗因は自分にあると確信し自分は生まれ変わり
国民の信用を取り戻してみせる…と父親に宣言。
それができなければ王都を出て、好きな女性と
駆け落ちし新しい自分として他国へ移るとのこと。
あてはあるのか?他国とやらの…
いえ、現時点では何も。
幸い俺には小遣いが貯まってますので
そちらで暮らしていこうと思います。
どうか、いままでの無礼…
数々の失言をお許し下さい…
父上や輝に甘えていたこと……
今更ではございますが深くお詫び申し上げます。
お前をそこまで、変えたのはなんだ??
1人の女性であります。
名はサリウス……
彼女はいままで知り合った女性の数々より
俺の内面を見てアドバイスをくれました。
彼女に見合う男性になりたく、
俺は変わることを決意しました。
そうか、お前も漸く……
お前自身を見てくれる女性に出会えたか………
自分の内面を知ってアドバイスをくれる異性は、
自分では気づけなかったことを教えてくれる
大切にするがいい……
よかろう、お前の先ほどの件考えてやらんでもない。
まずはサリウスとやらに会わせてくれ!
畏まりました。
父親、青海観は第1皇子を漸く息子と認め
いままでの成がしてきた自分と輝への失言、
仕事放棄……を赦し成の意見を聞き目標を与えた。
だが……家庭内崩壊は成の変わり身で抑えることができたが
いままで、シアン姫にしてきた無礼……国への辱め…
イベントなどのことは自分で解決するように試練も同時に与えた。
輝が婚約・・・・・・・
ペンダンテ姉妹は、洗濯物を干していた。
ルージャは、昨夜のシアン姫と輝の並んだ姿を見て
困惑し腑抜けていた。
ちょっと、おねぇ!
手が全然、進んでないじゃない!!
あ、ごめん…!!
あーーー!私の下着―――!
取りに行ってくるから…
いいよ、私がいく!!
サリウスは、風に飛ばされた自分の下着を追いかけて走っていく
手に掴んだが風の軌道で転びそうになるところをキャッチされる…………
……すみませっ……って、あんたーーーー!
探してたじゃん!!!サリウス!
何しに来たのよ??離して!!
それはできないじゃんよ!!!
父上がサリウスに話があるって言うじゃん?!
一緒に来てもらうじゃんよ!!!!
ちょっと、きゃあああああ
サリウスを荷馬車に連れて急スピードで
エンジンをかけ城まで強制的にサリウスを連行
サリウスが帰ってこないことを心配したルージャは……
輝に連絡をいれようとした。
すると、目の前を荷馬車が走り窓から妹の顔が覗き込んでいた。
サリ・・・・・?
ルージャは、やっぱり輝へ連絡をしたほうがいいと思いリリアルで連絡したのだった。
シアン姫は、絶対輝に気があるよ!!!
そうなのかぁ…。
そうであったら、尚更婚約破棄は言いづらい…。
でもさ?輝が好きな子はシアン姫じゃないんだから…
いずれ引導を渡さなきゃね・・・?
だよなぁ…
なんで明日、
シアン姫と話すことにしちゃったんだろううううううう
え・・・まじか?早すぎワロタ!
明日言わなきゃ!
ああああああああ、どうしよううううう
ピコピコッ
ルージャからだ。
な、なんだって・・・・・?
なんだって・・・?
兄さんが、サリちゃんを城へ連れまわしたって!!
なんで、そんなことに・・・・?
ルージャも連れていったほうがいいよな・・?
サリちゃんのこと心配してるだろうし…
そこは輝次第じゃないかな・・・・?
ラナごめん!!
そういうことだから、行ってくる!!
うん!!!行ってらっしゃい!!
結果報告はあとでするから!!!!
待ってるよーーー!!!
シアン姫との婚約をどうやったら、破棄できるかを相談に乗ってもらっていた輝。
そんな時、ルージャから…自分の兄が
ルージャの妹を馬車で連れまわしていることを知り
現場に向かうことになった。
未だ、兄が変わったことを知らない弟は
“また兄の目論見で周りの人に迷惑をかけているんだろう!!”と思うが…
あの方と、輝が結婚・・・・・
嬉しいはずだが…嬉しくない……
輝の意見を聞いてから…この件は動こう……
ここにも、シアン姫と輝の婚約を破棄させようと
企む者の陰が潜んでいた。
つづく