エンジェル・プロフェッサー 【短編集】EP1~Epilogue

EP1、アオイの憂鬱

ロリータ制服衣装に身を包み、優雅に歩くその姿は百合の花

聖咲シャロンは、教師としてグレーリストに載っている問題児を助ける

正しい道に導くために、暖かい光に包み込むような

はたから見たら美人なシャロン

今回向かった学校は羽川中学校

緑色の制服が特徴でスクールバッグもおしゃれな革製

運動部と文化部で多くの賞を取っている

その中で、シャロンが担当するクラスは

二年C組

教壇に立つ生徒指導の若道先生が廊下にいるシャロンにアイコンタクトする

みなさん、おはようございます

おはようございまーす!

生徒指導が来たからか生徒たちは驚いて真面目に挨拶

若道先生が詳しく説明する

今日から二週間、臨時として君達のクラスに担任が入ってくるさぁ、どうぞ

シャロンは背筋を伸ばし教室へと入る

キラキラと輝く白い光に生徒たちは驚きの声をあげていた

めちゃくちゃ美人じゃん!

マジかよ!外国人だ

えーかわいいっ

シャロンが教団の上に立ち黒板の白いチョークで名前をかいた

聖咲シャロン先生、担当教科はコミュニケーション英語だ

シャロンがお辞儀すると男女問わずみんな黄色い声をあげて拍手した

若道先生は空気を読み教室から去り、シャロンだけの独壇場になった

頼みましたよ、聖咲先生

ここからはいわゆる質問コーナー的になった

シャロン先生、質問です!どこから来たんですか?

先生の好きなアニメとかあれば教えてください!

はいはいはーい!シャロン先生って、好きな人いるんですかー?

クラスにどっと笑いがおこる

しかし、そのクラスの中で一人だけ場に馴染めていない子がいた

うつ伏せで机の上で寝ている女子

彼女こそが今回の問題児

シャロンは彼女に気づき声をかける

男勝りな口調で話す不良系の女子生徒

見た目は長い黒髪に鋭い瞳、制服は少しいじっているよう

シャロンは彼女を導くことが使命だった

シャロンが二コリと微笑むと、葵は無愛想な表情で見下してきた

やめろよ矢沢!先生が困ってるじゃないか

元はと言えばお前が寝てたのが悪いんだろ、自業自得じゃね?

新しい担任が来るからって調子にのるなんてダサすぎマジ、ありえないんだけど

クラスメートたちのガヤが激しくなる

葵は中学一の不良ではあるが、どんな教師や生徒に対してもこの対応をする

成績は平凡でもここまでヒドイとは思わなかった

シャロンはそんな問題児にどう接するのか

チャイムが鳴り、生徒たちは教科書やノートを持ってそれぞれの場所に移動していく

葵は面白くない表情で舌打ちをし、席から立ち上がる

すると、シャロンは何か違和感に気が付いた

じっと葵の首元を見つめる

シャロンの目的は変わらず、葵の様子をみることにした

EP2:教師として

放課後になり、溜息をつく

教師としての初仕事は思ったより厄介ね

シスター時代に比べられればマシだが、疲労がたまるみたい

C組の担当を任され、結局相手にされなかった

本来の意味で役にたってないなと思った

その時

シャロン先生、どうしたの?顔色悪いけど?

ホームルームの中で一番目立っていた女子生徒

佐伯みゆもしかして、矢沢の事が気になっているとか?

シャロン先生は何も悪くないってあの子、入学した時はめちゃくちゃ大人しかったよ?

みゆから驚きの事実を言われてわたしは目を輝かせた

きょとんとする、みゆだったがわたしの真剣な眼差しを見てうなずいた

夕日が差し込む、窓際を見つめながら

わたしが想う時代や価値観にはとてもうるさい

アタシもおかしいな、って思ったのでも矢沢があんな風になったのはきっと誰も・・・・・大人を信じられなくなったからだと思う裏では反省しているよ

だからウワサだってば、簡単に信じないでアタシも矢沢の事ちょっと心配なんだ帰る時いつも苦しそうに教室を出るからさ。みんな矢沢の事がコワいんだよ

グレーリストを開き、矢沢葵の詳細をよく読んでみた

この感じだと葵はお嬢様で裕福な家庭だということがわかる

コメントを書いた依頼者は父親の矢沢九朗だ

一度試してみてもいいかもしれない

矢沢なら・・・・・今日はどうだろ部活には入ってないから空き教室で黄昏ているのかも

その情報だけでも充分だ

矢沢葵を救えるのは、やっぱりわたししかいない

ちゃんと話をしよう、教師として

この透き通るソプラノ声は、聖咲シャロンか

こんな時間にどうしたのか

イヤな空気と背筋が凍るほどの寒気

EP3:正体

葵が目を覚ますと目の前にいたのは美しい白い羽が生えた天使

声がかすれバタンと倒れる葵

シャロンは、彼を睨む

すると、葵が目を覚まし二人を見る

シャロンは優しくうなずき、葵の頭を優しく撫でた

葵の瞳から涙がボロボロと落ちてくる

葵には今日まで憑かれていたという自分が行動した記憶がない

まるでもう一人の自分が悪さするように

葵は泣きじゃくり嗚咽を吐き出しながら、言う

シャロンは葵の背後をきっと睨みつけると、銀色のロザリオネックレスを掲げた

葵の瞳を優しく見つめながら

黒い霧に変化した真祖は、シャロンの方に向かう

葵はただ叫ぶことしかできなかった

シャロンの辺りに、美しき男の姿に戻る真祖

彼は二度目はないぞと言わんばかりに赤く鋭い目つきでシャロンを睨む

その時だった

鈴が転がるような可愛らしい声、それも聞いたことあるような

シャロンはその人物を見つめた

佐伯みうが焦っている眼差しで葵を見つめていた

葵は彼女の姿を見て叫んだ

とにかく今は目の前の怪異と話をしなければいけない

真祖が白い光に包まれると霧は小さくなり消えてしまった

シャロンが深く深呼吸をして安堵する

すると、葵がシャロンに抱き着いてきた

葵は泣きじゃくりながらうなずいた

Epilogue

幻想の葵が行った問題を全て自分が解決してさらには

放課後のことだった

もう彼女の姿はどこにもいない

一人の生徒を助けたことによって役目を果たしたようだ

シャロンは次の生徒を助けるために、ぎゅっと黒いバインダーをにぎりしめる

ふたりは笑いあいながら学び舎を後にした

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幽刻ネオン

はじめまして、趣味は読書(ミステリー、ホラー、怪奇小説)とゲーム(リズム、ノベル)です。最近までネットで小説をかいていました。自閉症、トランスジェンダー持ちではありますが、無理なく仕事ができるように訓練しています。スピリチュアル(占いなど)が好き。 アニメ(ラブライブ)やゲーム実況(にじさんじ)にはまってます。 紡ぎ手として様々なことに挑戦していきたいです。

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