#17 「山あり谷あり」
まっったく!!
あの、ろくでなし皇子ったら!!!
ま、まぁ?最近、頑張ってるみたいだしぃ??
お茶くらい淹れてあげてもいいっかなって感じで・・
断じてこれは恋愛感情でもなんでもないわ!!
あの人の部屋は・・・確か・・001だったはず・・。
トントン
独り言を言いながら、サリウスは部屋を2回ノックし異変に気づく
変だわ・・。
いつもなら、私のノックと他人のノックの違いがわかる
とか言いながら颯爽と
ドアを開けるのに今日は開かない・・。
寝てるのかしら・・・??
食べ物だったら、
ドアの近くにオボンごと置いてもいいんだろうけど・・・
折角淹れたルイボスティーが冷めてしまうわ!!
せめて、起こさないようにルイボスティーだけでも
机の上に置かせてもらって帰ろう・・・
ドアを静かに開けると、そこには失神しているメイドと
死にかけている成がいた。
すぐにサリウスは医者を呼びにいった。
サリウス殿、医者を呼びに行ってくれてありがとう。
早急に異変に気づけたから成は死なずにすんだ。
君は、息子の命の恩人だ…
い。いえ・・・・・
どうやら、メイドが運んできた紅茶に
毒薬が入っていたようですね
では、犯人はメイドで?
それはわかりません。
何者かの仕業でしょう…
容態が急変したら連絡ください
しばらくは絶対安静です。
わかりました!お世話になりました!!
医者が帰ると、横になって寝ている成とサリウスと国王…
気絶したメイドだけになる。
本当にメイドなんでしょうか?
何か、違和感を感じます・・・
この王宮にメイドは2人しかいないんじゃ!
そして、私たちのよく見るメイドは
リボンが青でメイド服も青なんじゃ。
しかし、このメイドさんは、
リボンとメイド服が青じゃない・・・
あ、ホントだ!このメイドさんは赤だわ!!
赤のメイドを雇っている人に、私は心当たりがある。
一緒に来てくれるかのぅ??
はい!喜んで、一緒に行かせて頂きます!!
のちに、この騒動は前代未聞となる事件となる。
お前さんは・・誰なんだ?
あなたは・・・?
突如、ラナ達の目の前に現れた謎の黒髪の男……
緑色のヘアバンドを巻いている男は夜風に黒髪が靡かれとても美しいと元ハンター達を魅了した。
オレの名は深沢大知。
殺し屋だ…お前たちは強くならなきゃ
この先、生きてはいけない。
そのためには毎晩オレの特訓に付き合うこと。
この申し出を断ると、
さっきの女のように木端微塵となる…。
3分やる・・・考えろ・・・
考えるまでもなく、ラナ達の答えは決まっていた。
ラナの瞳を見て…深沢は言う・・・・・・
お前、いい瞳をしている。名は?
ラナ・クロリウス・・・
お前は、元々こいつらとは無関係のようだな?
肯定です
ラナ、君はこいつらとは違う。
だから、これから数日オレに付き合ってくれ…
護身術を教えてやる。その代わり・・・
深沢は、元ハンター達には聞こえない距離、聞こえないようにラナの耳元で囁く
その言葉はラナを驚かせた。
知っている、輝の情報を教えてくれ
輝のこと・・・知って?
奴とオレは、切っても切れない関係でね
わかりました。
数日、あなたの言う通りに動きます!!
それでいいんでしょ?
話が分かる奴で助かるよ!!
こいつらとも、話をつけるからちょっと待っててくれ!!
元ハンター達は、深沢をリーダーとすることに異議はなく
猫耳族や人魚族に迷惑をかけないことを胸に誓い
深沢が最も欲しい王族の情報と仮面族の情報を提供
話し合いが終わると、
深沢を1番前としてラナを隠すようにゆっくりと並び歩いた。
ラナぁぁぁぁーー!!
ラナの名前を呼んで、チャットを手掛かりにやってくる輝
すると黒髪の男を見つける。
あれは・・・もしかして・・・?
数人の男達と前に立つ黒髪の男
どこかで見覚えがあると頭を悩ませるがラナ救出を先に考えた。
草むらのほうへ進んでいくと4体の遺体を発見…
これは・・・ヘンリー?
牢獄にいたはずのヘンリーがなぜ、ここにいる・・・・?
脱獄に成功した理由がこの時の輝には分からなかった。
輝様??
警備員が輝に早口で状況を説明し
1つ1つ解決していこうと肩をポンッと軽くたたいた。
そのなかで、1番輝の心をざわつかせた事柄は
第1皇子暗殺事件だった。
つづく