#19 「火中の栗を拾う」
前から思ってたんだけどさ、
どうして自分で輝に聞きにいかないの?
それは、俺が殺し屋だからだ
そのことは……昨日、聞いたけどさ。
思い出してみろ!!
この国では、法律を犯したもの……
人を殺したもの、悪さをしたものはどうなっている?
警備員さんに捕まえられて牢獄に・・あっ!
それのせいで、俺は城にも近づけない。
ましてや、次期国王になんて会いにいけない……
だから……輝に会えないんだ・・・!
ああ・・。
それで、お前を利用し二重スパイにさせて輝のこと・・・
いま、この国がどうなっているか調べさせる・・。
その代わり、弱いお前を強化させてやってるんだ・・・
悪くない条件だろ?
二重スパイなんかしなくても、
ボクの言う事なら輝は信じるよ!
輝もボクもお互い
ウソをついたことがないから・・・・・!!
お前たちの絆は、深いんだな・・・
それより、大にぃ・・・
本当は輝のこと知りたいとか
国の現状を知りたいんじゃなく
別なことを輝に頼みにきたんじゃないの?
ラナは相変わらず鋭い観察眼をもってるな・・・。
輝は、助けてくれると思うか・・・・・?
助けるよ!!!輝なら絶対!!
なら言うよ、人魚族のことでな………
深沢は、ラナを強くさせるために
ラナが持っている輝の情報を言うように悪態をついた。
だが、ラナには見破られていて…
本当に深沢が依頼したいことはなんだ?と逆に突かれ
深沢は持っている情報を全て吐き出した。
そして、2人が話しているところを偶然見てしまったものがいた…
あれって・・・?見つけちゃった!!!!
ビックニュースだよ!!
謎の人物は、小声で言い放ったあと見つからないようにそーーと逃走した。
帰り際の葉っぱの音は深沢に聞こえられ見つかりそうになったが
野ウサギと入れ替わって謎の人物は見つかることはなかった。
あ、あぶない・・・
逃げ切ったあと、謎の人物は森をぬけて走った。
深沢はあたりをキョロキョロと見渡すが誰もいないことを確認する。
おかしいな・・・誰か、いると思ったのに・・・・
気のせいでは・・・・?
そうだな。で、話の続きだけど・・・・
こ、ここは・・・どこじゃんよ・・・……
何があったんだっけ??
毒の入った紅茶を飲まされ
ずっと気絶をしていた第1皇子がようやく目を覚ますのであった。
ここは・・・・?
小さく声を落とすと何かがのしかかるような重力に気づく
布団の横には、サリウスが爆睡していた。
さささささささ・・・・・・・
ささささ・・・さ、さり・・・・
サリウスを起こさないようにそっーーと、
布団から出るがサリウスに腕をひかれる。
寝言で自分の看病をしていたことに気づかされる。
あんたぁ・・・・・・・
解毒剤飲んで、、、、、
早く、、、なおし・・なさいよ?
それだけいうと、サリウスは再び眠りについた。
そして成は自分の身に何がおこったのか思い出した・・・。
ルー、姫就任おめでとう!!!
ありがとう、輝!!!!
輝は、近づいて正装に埃がついては大変だとルーの背中に回りルーの手元に
1枚の小さなメモを手渡した。
式はいつですの・・・・???
今月中にはと・・考えております!!
あら、そんな早くにみられるのですね!!
楽しみにしております!!ルー姫・・・
いまから、結婚式の流れを確認しお互いの親戚の顔合わせが終わった。
姫なんて呼ばれたことがなかったルージャは…顔を赤く染め
礼をして仕事に戻った輝を見て・・メモを見ると…そこには
“今夜、結婚式のケーキを一緒に選んでほしい!俺の部屋に来て”
と書かれてあった。
この時のルージャには、急に自分が国の姫になったことを
キチンと受け入れることができず
国民の皆に迷惑をかけたらどうしようと・・・と
緊張感から完全猫化してしまう。
ポンッ
ん?いまの音はなんじゃ??
あれぇ、うち・・・猫なんて飼ってましたっけ・・・?
ねこちゃあああああんん
え、なになに?もしかして・・・完全猫化ってやつ??
どうしよう・・・こんな大変な時期に・・・
ん??あれは・・・
輝―――!!私よ、私!!ルーよ!!
輝様、どうなされましたか??
この猫、なんだか・・・ルーに似てる・・・。
ちょっと部屋に戻ってもいいかな?
ええ、かまいませんが・・・。
夕刻には戻りますよう、お願い致します。
ああ・・・
輝は、自分の部屋に戻ると猫の姿のルージャに話しかけた。
ルーなんだろ??
そうよ・・
猫の姿でも、話せるんだね??
ええ・・・喋れるわ!!
よく、野良猫や家猫に間違われるし
それに1時間以内に、猫耳族か人に見つけてもらえないと
本来の姿に戻れないの・・・
なんだって???それは大変だな・・
でも、、今日は・・・輝が見つけてくれた!!
体毛とかルーの髪色そっくりで、
特に睫毛や瞳がルーに似てるって思った
よかった!!見つけてくれる人がいて・・
あ、あのぅ・・・・・・
はい、こちら窓口案内所ですが
ラナについて、知っている情報が・・・あります!!
なななな、なんですって!!
いま、インカムで皇子の近侍に話しかけるので
あなたは城へ入りこちらの控え室でお待ちください。
はい!!
それと、あなた・・・お名前は?
ゼジェン・アーガニック・・・ラナの友達です
黒髪の猫耳族、その名はゼジェン・・・
彼が窓口に現れラナについての情報を知っていると言うと
城内はパンデミック
あんな、呼びかけで本当に来るなんて!
さすが、輝様だ!!
そのころ、王室では、密会が開かれていた。
つづく