猫耳少女は夢をみない。#20

#20            「雨降って地固まる」

この姿は1時間以内に見つけてもらえることができれば、
時間は不安定だけど
すぐ元の姿に戻ることができるの・・・

そうか、それはよかった!!

ポンッ

但し、服がボロボロになるけどね・・・

・・・・!早く着替えてくれええ、
丁度いい今度の就任の儀で着替えるドレスがあるから
着替えてみて

うわぁ、かわいい!!着てみるわね♪

着替えてる間、背中を向けて理性を保つ輝に運気がまわった!!
それは自分専属の近侍の声と共にノック音………………

輝様、ラナ様の居所がわかったと報告があります。
入ってもよろしいでしょうか?

え、いまはちょっと・・・
とってもおいしい話だけど・・・
後にしてくれないか・・・

それはできません。
控え室にて、ラナ様を見たという少年を
お待ちさせています…
アナウンスを聞いて来たのでしょう・・・
…失礼します!!

あ・・・・

いやぁぁぁぁああああ

る・・・・ルージャ様、
失礼しましたああああ!!!

お前は、ラッキーナンチャラだな・・・・

はい?
このワタクシに
ラノベ系主人公のような展開が待っているとでも?

ルー!!
証言者と面会してくるから待っててー!!

わかったわ!!

それで、その証言者の年齢と身長・・
なにか武器のようなもの持っていたか?

いえ。武器は何も持っていませんでした…。
体の隅から隅まで調べましたが
銃なども持っていないことを確認しました。
身長も小さく、ワタクシ好みの幼子で
年齢もラナ様と同じくらいの年齢でしょう

お前・・・・その子に何をしたんだ・・・

ただの・・・・・
身体チェックですよ・・・ヨホホ

輝、輝の近侍=メロットはラナについて知っているという少年に
話を聞くために控え室に向かう
控え室に着くと酷く怯えた様子の猫耳族の少年がいた。

君が、ラナについて知っている子だね?

は、はぃいいい・・・
お、お願い・・・します・・・
酷いことしないで・・・

落ち着いて・・・・
俺は君にひどいことしないよ・・・。

あ、あなたじゃなくて・・・
隣にいる人・・・・

んふふ♪
さーて、なんのことでしょう・・・??

メロット・お前・・・何した?

なーんにも♪
ワタクシがいてはお話にならないようなので
1度退席させて頂きます。

メロットが控え室から出て行くと、安心した様子の少年
輝はお茶を出してゆっくりと話を進めていった。

王室では、重要な話が進められていて…
国王と女王が書類のやりとりをしていた。
国王から差し出されていた書類に考える余地もなく女王はサインと烙印を押す

では、よろしいのですね??

ええ、構いませんわ…。
あの子は国民にも愛されているし、
それに次期国王の輝様とご婚約なされた相手を
今更、姫の座から下ろすことなんてできないでしょう?
仮に下したとして、代わりの姫は見つかるのですか?
いないでしょう・・・
あそこまで、国民にも愛される姫を
私は見たことないですわ。
そして、ようやく・・・・
あなたと再会できた・・・・
これは承諾を認めるしかないでしょう・・・・

女王にもルージャ殿を
認めてもらったとのことで一安心じゃ。
続いては・・・あのことだが・・・

わかっております・・・
答えはもう出ております、明日・・・
国民の前で正式に発表致します!

うむ・・・!!

重要な話は、明日国民の前で生中継すると女王のことば
この2人の会話を覗き込む者は誰もいなかった………………
国王は、自分の息子・・・第1皇子と第2皇子にも黙っていた…。

・・・・あれ・・ここはっ!!
見覚えのある部屋だわ・・・
ラディアちゃんのポスターと
ラディアちゃんのタペストリー、
ラディアちゃんの・・・って・・・
ここ、あいつの部屋じゃん!!
なんで、あいつの部屋に私がいるの!!
しかも、1人・・・あれ・・・??
あいつがいない・・・・?
いつもいるのに・・・・??
もしかしてまた、どこかで毒盛られてるんじゃ・・!

サリウスは、成がまたどこかで暗殺されかけているのではと
心配になり部屋を飛び出そうとすると
扉が開きメイドと一緒に成が戻ってくる・・。

サリウス様、お目覚めになられたのですね・・・・??

青いリボンに、青い服・・・うん!!
間違いなくここのメイドさん!!

私は、この城の専属メイドでございます。
看病で疲れた体を癒そうと成様が
ミックスジュースと
自分で皮をむいたフルーツを持ってきました

ちょ・・・
それは、言わない約束じゃん・・・・・

私のために・・・??

ええ・・・。
私がフルーツを剥くと言ったのですが
自分で剥くと聞かなくて・・・

不器用ね・・・。
でも・・・・私のためにしてくれたことだものね・・・・
ありがとう・・・

これくらい、お安い御用じゃん・・・

では、私はこれにて失礼いたします

メイドは、成が剥いたフルーツと
メイドが作ったミックスジュースを置いていくと
風のように去っていった。
成は立ちながらサリウスに言った。

今回の件は、俺が用心深くなかったせいで
サリウスを巻き込んでしまったじゃん・・・
自分なりには反省してる・・・
つもりじゃん・・・・・

そうね、あんたが疑いもせず
元シアン姫からの差し入れだってことで
安心して殺されかけて・・・
国の第1皇子として
恥ずかしくないの・・・??

・・・・・返す言葉がないじゃん・・・・

それでも・・・無事でよかったわ・・・・

サリウス・・・・・

サリウスは、初めて成のために涙を流して
成が傍にいないと不安ということに気づいた。

深沢の話を最後まで聞いたラナは、
一刻も早く輝に話さないといけないと思い立つ。
止めはしなかったものの深沢はラナにある物を渡す

回答に困ったら、コレを輝に見せろ

これは?

俺と輝の思い出だ・・・。

わかった・・・

コレで俺がいるってことが
輝はわかると思うが
この場所を探られてはいけない。
いいな?
くれぐれも慎重にな・・・・・

うん…

ラナは森から抜けて、ゆっくりとゆっくりと輝のいる城へ向かう
深沢は元ハンター達に新たな名前をつけて鍛錬の練習につきあった。

つづく

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水樹

最初に絵を描き始めたのは小学生の頃でした。 それから、自分の世界観を文字におこしたり、絵にするのが趣味になっています!!

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